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全国744の自治体に消滅の可能性 静岡県は9市町 2市が追加、4市町は脱却

Shizuoka

9市町が消滅の可能性があると分析された静岡県

■人口戦略会議 20~30代の女性人口減少率から分析

民間の有識者グループ「人口戦略会議」が地方自治体の持続可能性に関するレポートを発表した。全国の4割にあたる744の自治体は「消滅の可能性がある」と分析し、静岡県では伊豆半島の自治体を中心に9市町が該当。一方、県内で唯一、長泉町が「自立持続可能性自治体」に分類された。

人口減少が深刻な伊豆半島 伊東市ではワーケーションの需要が高まっている

人口戦略会議は昨年12月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の地域別将来推計人口」に基づき、20代から30代の女性の数を示す若年女性人口の減少率を市区町村別に分析した。

その結果、2050年までに若年女性人口が半分以下になる自治体は全国で744に上ると推計した。出産の中心世代が大幅に減少して人口が減り、最終的に自治体が消滅する可能性があると判断している。10年前に実施した同様の分析からは、「消滅可能性自治体」の数が152少なくなっている。

この分析では、「自立持続可能性自治体」、「ブラックホール型自治体」、「消滅可能性自治体」、「その他」と自治体を大きく4つに分類している。ブラックホール型自治体は人口流入が多いものの出生率が低いケースを指し、その他には3つの分類いずれにも当てはまらない自治体が入っている。

■熱海市は対策が「極めて必要」 長泉町のみ「自立持続の可能性」

人口戦略会議の分類では、「自立持続可能性自治体」が65、「ブラックホール型自治体」は25、「消滅可能性自治体」が744、「その他」は895となっている。静岡県内の35市町では、長泉町だけが「自立持続可能性自治体」となった。

県内で「消滅可能性自治体」に分類されたのは熱海市、下田市、伊豆市、御前崎市、牧之原市、東伊豆町、松崎町、西伊豆町、川根本町の9市町だった。そのうち、熱海市は自然減対策と社会減対策のどちらも「極めて必要」と指摘されている。県内に「ブラックホール型自治体」はなかった。

10年前の分析と比べると、7市町は消滅可能性自治体で変わりなく、御前崎市と牧之原市が新たに加わった。一方、前回は消滅可能性と分類された伊東市、南伊豆町、小山町、森町の4市町は「その他の自治体」へ脱却した。

「自治体が消滅する可能性がある」という言葉は衝撃が大きい。ただ、この分類は現状のまま対策を講じないと最悪の事態に陥る恐れがある警鐘であり、各自治体に対策を促す狙いがある。

(SHIZUOKA Life編集部)

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