新学期は感染症に要注意!新型コロナより心配?「歩く肺炎」も
新学期が始まり、秋、そして冬へと季節が変わっていくこの時期、気をつけたいのが「感染症」です。
8月22日に発表された、北海道内の新型コロナウイルスの感染状況。8月12日~18日は1医療機関あたり9.79人で、5週連続で増加しました。
しかし、注意すべきは新型コロナだけではありません。
とよひら公園内科クリニックの藤本晶子院長にお話を聞きました。
「やっぱり本来はどの感染症も、秋から冬にかけてが多い」と話しますが、実はそれだけではないんです。
「それが本当に常に出てくるようになっている」
そんな感染症の現状を、詳しく取材しました。
連載「じぶんごとニュース」
発熱外来を行っている、札幌市豊平区のとよひら公園内科クリニックです。
藤本晶子院長も、新型コロナの感染者が増えていると実感しています。
「1日半で8人の陽性者を診察した。夏休みやお盆で人が動く。やっぱり暑いし、人混みでもマスクをしていない人も多い。そういうのが原因かなとは思っている」
札幌市が公表している、下水のウイルス濃度。
感染状況をつかむ指標のひとつとされていますが、7月29日~8月4日にかけて、過去最高を更新しました。
最新の発表でも、高い水準となっています。
とよひら公園内科クリニックでは働き盛りの20代から50代、60代の感染者が多いといいます。
「味覚障害が出て『あれ?』と思って検査をしてほしいという人も多い。味覚障害は今の新型コロナの株では多そう」
新型コロナが「おとなしい」?
一方で、いま気になるのは新型コロナ以外の感染症。
とよひら公園内科クリニックでは「百日せき」が流行っていたといいます。
「新型コロナが出始めたとき、インフルエンザの患者が減ったというのがあったが、1つのウイルスが大流行すると、通常ほかの感染症が出ない。でも今年は新型コロナが少しおとなしいというか。いろんな感染症が増えている印象」
クリニックでは、百日せきや手足口病の患者がみられましたが、こちらは北道内全体でも感染者が増加しています。
百日せきでは、呼吸が苦しくなるほどのせきの症状があります。
今年、北海道内では83人の感染が報告されており、2024年8月時点で2023年の感染者数を上回っています。
赤ちゃんのときにワクチンの定期接種をした人でも、抗体が低下して、大人になってから感染するケースがあります。
そして、手足口病は、手のひらや足の裏、口内に水ぶくれができるものです。
函館・中標津・滝川など、道内15の保健所管内で「警報レベル」です。
これらは子どもに多い感染症ですが、とよひら公園内科クリニックの藤本院長によると、最近は大人でも感染する人がみられるということです。
藤本院長は、マスクを身に着ける人が減ったため、新型コロナ以外の感染症も広がっているのではないかと推測しています。
潜伏期間が長く、知らないうちに広がる
さらに、全国で流行しているのが、マイコプラズマ肺炎です。
子どもに多くみられる肺炎で、発熱の症状と、痰が絡まない咳が1~2週間と長く続くのが特徴です。
全国では、8年ぶりの高水準で感染が広がっていて、北海道内でも、江別・倶知安・滝川・江差の4つの保健所管内で、全国平均を上回る感染者数が報告されています。
マイコプラズマ肺炎は、潜伏期間が2~3週間と長く、感染に気づかずにうつしてしまうことから、「歩く肺炎」とも呼ばれています。
とよひら公園内科クリニックの藤本院長は、飛沫感染を防ぐためのマスクの着用、軽い症状でも早めの検査を受け、リモートワークに切り替えることなどが、感染の予防に有効としています。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年8月23日)の情報に基づきます。