初の高知『ヨシタケシンスケ展かもしれない』高知県立美術館で2026/1/12まで
2025年12月2日(火)から2026年1月12日(月・祝)まで高知県立美術館で開催される『ヨシタケシンスケ展かもしれない』
見どころや魅力を取材してきました!
©Shinsuke Yoshitake
※2025年12月1日取材
※掲載している内容は取材当時のものです
※記載している金額は税込金額です
『来場者100万人を達成した人気企画展が高知初上陸』
高知県立美術館で12月2日から開催されている企画展『ヨシタケシンスケ展かもしれない 』
ヨシタケシンスケさんは1973年神奈川県生まれ。
2013年、40歳の時に初の絵本『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)を出版。
子どもから大人まで幅広く支持されているヨシタケシンスケさん。
日常の一コマを切り取ったスケッチ集や装画、挿絵など多岐にわたって活動しています。
MOE絵本屋さん大賞やボローニャ・ラガッツィ賞特別賞、ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞などを受賞している大人気の絵本作家の企画展が今回、高知初上陸!
2025年8月には来場者数100万人を突破した話題の企画展の見どころや高知展ならではの魅力を取材してきました。
開催は県立美術館の1階にある県民ギャラリー。
《ヨシタケシンスケ展かもしれない》
開館時間:午前9:30~午後4:30(最終入館 午後4:00)
入場料:12月当日券…一般 1,300円・高校生以下 600円 / 1月当日券…一般 1,400円・高校生以下 600円 ※未就学児は共に無料
休館日:2025年12月27日(土)~2026年1月1日(祝・木)
ギャラリーに入ると、可愛いオブジェがお出迎えしてくれました。
『ほんとうの会場はこっちかもしれない』
ヨシタケシンスケワールドの始まりです。
2000年頃の作品『ておくれ君』
何とも言えない表情に、後ろに大きく伸び立た手。ヨシタケさんは絵本を出版する以前から、イラストレーターや造形作家として活躍。
学生時代の立体作品や、アトリエに保管されていた貴重な私物コレクションも展示されています。
不思議なオブジェたちに出会えるのもこの企画展の見どころ。
そして最初に目を引くのがスケッチの数々!1万枚を超えるヨシタケさんの膨大なスケッチの中から約2,500枚を複製し一挙に公開。
目の前にすると圧巻です!
ヨシタケさんの「頭のなか」をのぞき見。
奥へ進むと人気キャラクター「アイツ」が登場。会場内は基本写真撮影OKですよ。
(動画やフラッシュ撮影は不可)
小言を言う「おとな」の口にリンゴを投げ入れる体験型展示。
高知放送スタッフがチャレンジ。なかなか入らずついつい熱くなります。「おとな」の表情も変わってとっても可愛い!
自分だけのおまじないを作ってくれるコンピュータでも遊べます。1000通りのパターンの中から、今回導かれた結果は?!
「むかしのしゃしんを」「トイレにおくと」「ちょっといかりがおさまるそうです」
思わず、クスっと笑ってしまう仕掛けが満載。
ヨシタケさんのアイデアから生まれた、絵本の世界に入り込んだような体験展示も。
大人も子どもも体と心を動かして楽しめる工夫がいっぱいです。
初見では気づきませんでしたが、赤鬼より青鬼のエリアの方が大きいトゲトゲが多い!
顔出しパネルでは、渾身の“つまんない顔”で写真を撮ってみてください。
客観的に自分の「つまらない顔」を見ることってなかなか無い分、これはいい思い出になりそう。
本当はまだまだ紹介したい展示が盛りだくさんなんですが…ぜひ会場で実際に見て・体験して下さい!
『お土産コーナーも充実』
会場にはオリジナルグッズの販売コーナーも。
人気キャラグッズに…
ヨシタケシンスケさんイチオシ!のキャッチャーがデザインされているミルクピッチャーも。(900円)
そして高知会場限定の商品も見つけました!
『TOSA TENUGUI 』(1,870円)3色展開で各色300枚の限定販売!!
ヨシタケシンスケさんのイラストと「コーチ」の文字が入ったファンにはたまらないデザイン!
クリスマス特別仕様のカバーになっている絵本もお見逃しなく!
『ヨシタケシンスケさんに聞く見どころ』
今回、高知放送のこうちeyeでヨシタケシンスケさんにインタビュー。
見どころや高知会場の魅力を語ってもらいました!
(インタビュアー:高知放送 報道記者 藤本 理子)
Q.早速ですが今回の企画展の見どころは?
A:一冊の絵本ができるまでに僕が何を考えて何がダメになって何が残っていったのかというのを、スケッチやラフを基に再現することを目指した展示構成になってます。なので、頭の中を覗けることが見どころですかね。あとは、「原画やスケッチを見るのなんて退屈!」と思うお子さんでも楽しめる体験型展示をたくさん用意しています。大人も子供もそれぞれが自分なりに楽しみ方を見つけられるように仕組みや趣向を凝らしたつもりなので、ぜひたくさんの方に見に来ていただきたいですね。
Q.高知会場は他の会場と比べるとちょっとコンパクトかなと思うんですけど構成などで工夫した点などありますか?
A:今回、面積的には狭いんですけど、その分ぎゅっと魅力を詰め込んだ形になっています。並び方が違うだけでも随分見え方って変わってくると思いますし、実は少しずつ展示内容も変わっています。ここだけのご当地スケッチも含めて、高知展を楽しんでいただけると有難いですね。
Q.子どもも楽しんでもらえる企画展ということですが、子どもたちにどういうことを感じてもらいたいでしょうか?
A:僕自身が今52歳なんですけど初めて絵本を描いたのが40歳の時なんですね。10年ちょっと経って展覧会をしてるって、今自分で思い返しても結構びっくりなことなんです。子供の頃は自分がどんな大人になって何をしてるのかなんて全く想像がつかなかったんですけど、本当に何が起きるか分からないんだよと。そういうことを一番この会場を通じて感じて欲しいなというか、イラストをちょこちょこ描いてたことが絵本という表現に結びついて。しかも展覧会になるとか。世の中何があるか分からないなっていうようなことを、こういう変なおじさんだっているんだよっていうのを、僕の頭の中をのぞくことで感じていただけたら嬉しいです。
Q.日頃アイデアはどのように得ているんでしょうか?
A:スケジュール帳に思ったことをたくさん書き留めているんです。それが今回会場にいっぱいズラーっと貼ってあるんですが、これが自分のネタ帳みたいになっているなと。普段自分が考えていることの記録として、ここからできた案がいっぱいありますね。
Q.どういう時に書き留められることが多いんでしょうか?
A:目の前で起きたことが「ああこれは知ってるぞ、以前にも見たことあるぞ」と。特に当たり前過ぎてみんな気付いてないなみたいなことにふと気付けると、すごく嬉しいんですよね。
当たり前すぎていちいち覚えておくほどの価値がないようなことを、いちいち書き留めてそれがコレクションになっている感じです。その中に人間らしさみたいなものが見つかるんじゃないかって思いがあって。これは書いておかないと忘れちゃうぐらい、どうでもいいことが目の前に起きてると、ニヤーッとしながらこそこそと書き留めています。
あとは僕自身がすぐネガティブになっちゃうんですけどその時に、こういう風に考えればちょっと世の中捨てたもんじゃないって思えるんじゃないかとか、世の中を肯定的に捉える練習みたいなことをこのスケッチ帳でやっている部分があって。日々自分を励ますための記録でもあるわけなんですね。理由がなくても辛くなっちゃう僕のような他の人にも共有できたら、それはそれで嬉しいなって思いもあって。そういうことをずっと僕の場合はやっている感じですね。
ネガティブなものって突き詰めるとポジティブになるというか。
今日も生きててよかったみたいな、生きてるだけで嬉しいみたいな、そういうことにもなってきて。自分のハードルをすごく下げていくと、どんなことも予想よりはうまくいくわけですよね。
全員に通じるわけではもちろんないけど、面白がれる範囲でそういう考え方もあるねって思ってもらえたらうれしいです。
こういう気持ちも含めてひとつひとつ本にしていけると、子供の頃の僕が読んでホッとするんじゃないかと思うし、逆にこれから10年後20年後の僕が「あ、俺若い頃こんなこと言ってたんだ、面白いな」って将来の自分のためにもなるんじゃないかなっていう思いで本を作ってますね。
Q.初高知ということですが、抱かれた印象などあったら教えて下さい。
A:高知はたくさんの著名な作家さんを輩出している土地なので、すごく前から興味があって来てみたかったんです。さっき(高知県立)牧野植物園へ行ってきたんですが、見たいところがたくさんあって、また本当に改めてプライベートでも遊びに来たいなと思いました。
Q.最後にテレビをご覧の皆さんにメッセージをお願いします。
A:ヨシタケシンスケという絵本作家の展覧会ですけれども、何も知らない状態でも何かしら持って帰れるものがあるといいなと思って作った空間なので、皆さん来ていただけると「えー」て思っていただけるんじゃないかなと思います。
『イベント概要』
《ヨシタケシンスケ展かもしれない》
開催期間:2025年12月2日(火)~2026年1月12日(月・祝)
開館時間:午前9:30~午後4:30(最終入館 午後4:00)
入場料:12月当日券…一般 1,300円・高校生以下 600円 / 1月当日券…一般 1,400円・高校生以下 600円 ※未就学児は共に無料
休館日:2025年12月27日(土)~2026年1月1日(祝・木)