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反抗期ど真ん中!親子ケンカ勃発で飛び出したADHD息子が門限を過ぎても帰らない!その結末とは

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反抗期ど真ん中!親子喧嘩勃発で飛び出したADHD息子が門限を過ぎても帰らない!その結末とは

監修:井上雅彦

鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員

友達と遊んでいると、塾の予定をど忘れする中2息子

息子は、中2のとき運動部からパソコン部に転部しました。部活動は週3で、部活のない日は友達とぶらぶら遊び歩くか、何人か遊びに来てわが家でゲーム三昧。「今日は7時から塾だよ」と声をかけても、ウッカリ屋の息子は遊んでいるうちにスッカリ忘れてしまい塾に行かないことがよくありました。

たとえテスト前であっても、テスト勉強はせずにそんな調子。塾をさぼったり、テスト勉強をやらなかったりと母と子の争いが過熱していました。
そんなある日、「塾をさぼるな」「塾の授業料を無駄にするな」と私が言ったことから親子ケンカに発展してしまいました。

「わざとじゃないよ、本当に忘れちゃうんだ」と言う息子に対して、「絶対わざとさぼっている!」と私が疑ってしまうことで親子ケンカとなったのです。息子にとっては、本当にわざとではないのに怒られたことが腹立たしかったのだと思います。

息子はケンカしたまま「出かけてくる」と言って自転車でどこかに行ってしまいました。

家を飛び出したきり、息子がなかなか帰って来ない

そのうちお腹を空かせて帰ってくるだろうと思って、私はいつものように夕飯をつくって待っていました。しかし、夜の8時になっても、9時になっても帰ってきません…。

(図々しく友達の家にお邪魔してちゃっかり夕飯をごちそうになっているかもしれない)と思った私は、お友達の家に電話をしてみました。しかしどのお家でも「来ていない」と言います。

今まで息子は、門限を破ってどんなに遅くなったとしても夜の8時には帰って来ていたので、段々心配になってきました。お金も持っていないだろうからお腹がすいていても何も食べていないはず…。

このころは私のスマートフォンを塾に行くときだけ持たせていましたが、それ以外のときは持たせてはいませんでした。連絡する手段がない息子。(そういえば公衆電話の使い方を教えてなかったわ…)(事故にでもあったのかな?)などと考えながら息子の帰りを待っていました。

夜の11時ごろようやく帰宅した息子

何も連絡がないまま夜の11時になろうとしたとき、外でガタン!と自転車のスタンド音がして「ただいま~」と機嫌よく息子が帰ってきました。「こんな時間まで何してたのよー!」と怒ってやろうと思っていましたが、無事に帰ってきたことで怒るよりもホッとした私は「お風呂入ってご飯食べなさい」と言ってしまいました。

夜遅くまでどうしていたのか聞くと、「遠くに行きたくなって、自転車で走っていたら市外に入ってしまったから、そのまま行けるところまで行こうとして、自宅から22キロも離れた場所まで行ってしまった」と息子は答えました。

「夜でも店の看板が明るくて人もいっぱいいて楽しかった」と、キラキラした街に感動してウロウロ見て回っていたら帰りが遅くなっちゃったということでした。走っているうちにケンカのことは忘れて、自転車で走ることが楽しくなってしまったんだとか。

息子に改めてこのときのことを聞いてみると「最初はムシャクシャして走るんだけど、そのうちに行きたい場所の目標ができて楽しくなってきたんだよね。オレ、時間とか距離の逆算ができないから、このまま行っちゃうと家に帰るまでにすごい疲れるのは想像できてなくってドンドン走っていっちゃった」と言っていました。ただ“放っておいてほしい”という思いもあったので、途中で(これは、帰るのが大変そうだ)と気づいても家に連絡して居場所を伝えたいという気持ちにはなれなかったと言うのです。

無事でよかったことと、特性でどうしようもない部分を攻めすぎたことで遠くまで自転車で走らせてしまったことを反省したのでした。反抗期の子の接し方は難しいけれど、心配した出来事があって愛情を再確認するものだと知りました。

その後も何度か同じように息子は、親子ケンカの末に自転車で遠くまで行ってしまうことがありました。そういう日は、帰ってくると疲れ果てていて、とっても大人しくなります。たまっていたイライラが程よく抜けるのでしょうか。気性が荒い息子も穏やかになるのでした。今思うと好奇心のまま突っ走り知らない土地で刺激を得て心のパワーチャージをしていたのかもしれません。

ちなみに塾は、中3になると受験の意識が芽生えてきたのかあまりさぼらずに行けるようになったのでした。

執筆/かなしろにゃんこ。

(監修:井上先生より)
思春期になり、自分の価値観もはっきりしてくると主張も強くなり親の考えと対立することも多くなってくると思います。お互いが感情的になってしまわないよう、ほどよい距離を保ちクールダウンをはかるという対策がありますが、なかなか難しいものです。感情的に対立しているときには子どもを納得させることは難しいので、「うーん、そうかぁ」「それは、なかなか難しいなぁ」「どうしたらいいと思う?」など子どもの困った気持ちに寄り添いつつ、すぐに答えを出さずに一緒に悩みながら言葉がけをするとお互い少し冷静になれるかもしれません。

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