井上尚弥戦は勝ち目なし? 12月対戦予定のアラン・ピカソが亀田京之介に不満の判定勝ち
決め手欠いてダウン奪えず2-0判定
プロボクシングのWBCスーパーバンタム級1位アラン・ピカソ(24=メキシコ)が19日(日本時間20日)、アメリカ・ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナでノンタイトル10回戦に臨み、亀田3兄弟のいとこでWBCフェザー級23位の亀田京之介(26=TMK)に判定勝ちした。
ジャッジ3者の採点は95-95、97-93、98-92の2-0。32勝(17KO)1分けと無敗レコードを伸ばしたものの、12月27日にサウジアラビアで戦うことが報じられている統一王者・井上尚弥(大橋)戦に向けて物足りなさの残る内容だった。
井上尚弥より約8センチ高い身長173センチのピカソは、ガードを固めながら亀田との距離をじわじわと詰めるが、いかんせん手数が少ない。井上戦を想定してディフェンシブに戦ったのか、大一番の前哨戦のため慎重になったのか分からないが、アグレッシブさがなかった。
結局、最後まで決め手を欠き、ダウンシーンのないまま終了。ジャッジ1人がドローと判定したことからも見栄えの悪い試合だったことが分かるだろう。
井上尚弥との力量差は明白
ピカソは自身のインスタグラムで白衣を着た写真をアップしており、神経解剖学を学ぶインテリの側面も併せ持つ。
良く言えば、ファイトスタイルもクレバーでスタイリッシュだが、荒々しさはなく相手からすれば怖さを感じない。攻め込まれると真っすぐ下がって防御一辺倒になるきらいがあり、攻撃と防御が分離しているため見切られやすいとも言える。
亀田京之介は今年2月、井上に倒されたルイス・ネリ(メキシコ)に7回TKO負けしており、その亀田を倒せなかったことからもピカソと井上の力量差は明白だ。
そもそも井上がラモン・カルデナス(アメリカ)と戦った5月4日に元々、予定されていた対戦相手がピカソ。勝ち目がないと判断して挑戦を辞退したと報じられ、真相は不明だが“敵前逃亡”の前科がある。
井上は9月14日に名古屋のIGアリーナで予定されるWBA暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との一戦をクリアすれば、12月にピカソと戦う計画。ビッグマネーが見込まれるサウジアラビアのリングには立つだろうが、常に強い相手を求める井上のモチベーションが下がらないか心配になる、この日の出来だった。
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記事:SPAIA編集部