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安心できる環境と保護者を支える!支援が大切な理由を解説【発達が気になる子の感覚統合遊び】

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安心できる環境と保護者を支える!支援が大切な理由を解説【発達が気になる子の感覚統合遊び】

理論5:チームで子どもを支える(ケーススタディーと保護者支援)②

○理論解説のポイント!

感覚過敏は長い目で見ることが大切社会性の発達を支える配慮と環境の支援が重要保護者支援とチームづくりが求められる

【理論解説】安心できる環境で感覚統合を支える

第1章をここまで読んでくれた人は、安心して周りの世界にアクセスして識別を育てられるような環境や、体を自然に動かす環境を、子どもに提供することの重要性を感じてもらえるかと思います。そのような低刺激で、わかりやすい環境をどうつくるかがポイントとなります。

このときに参考になるメソッドが「TEACCH プログラム」の構造化と呼ばれるものです。

このプログラムでは、①物理的構造化、②時間の構造化、③活動の構造化、④視覚的手掛かり、の 4 つの視点から環境を見直します。

①物理的構造化~場所の視覚化

場所・活動を 1 対1で構成します。各空間を物理的に区切ることで、各空間や場面で何をすればよいかを視覚的にわかりやすくすることをいいます。

また、刺激を調整することも目指します。そのため、パーテーションや棚で場所を区切ったり、休憩できるスペースを設定したりするなどの配慮をします。

②時間の構造化~時系列での視覚化

スケジュールなどの可視化です。いつ、どこで、何をするかを見てわかるようにします。子ども本人が落ち着いて、主体的に活動できるようにするためにも重要です。「はじめ」と「おわり」を明確にするのがポイントです。

③活動の構造化~活動そのものの視覚化

活動の構造化は、時間の構造化の一部と考えてもよいかもしれませんが、各活動のひとつひとつを要素に分解し、活動の手順を示します。

たとえば、折り紙の折り方や手洗いの手順などがそれに当たります。

④視覚的手掛かり

一目見てわかる、忘れても思い出せるようなものです。言葉では伝わりにくいこと、伝えきれないことを視覚化し、子どもにもわかりやすく理解できるようにします。

たとえば写真やイラストを使ったり、色分けしたりするなどして子どもが視覚的に物事を把握できるように工夫します。

感覚統合遊びでは、どんな場所で(物理的構造化)、いつ(時間の構造化)、どんな手順で(活動の構造化)、どんな運動をどんな動きで(視覚的手掛かり)という視点で考えます。

【知識・学習】保護者を支える

感覚統合的視点は、保護者にとっても大切です。保護者の方にも感覚統合的視点で、子どもへの理解を深めてもらいたいと思っています。子どもの行動の意味がわからずに、不安の中にいる保護者も少なくありません。特に「落ち着かない」「多動」で目が離せないタイプは、「感覚」の鈍感さに原因があるかもしれない、ということをほとんどの人は知りません。また、感覚の敏感な子どもに、慣れさせようとして無理にがんばらせ、状態が悪化してしまうこともよくあることです。

保護者の皆さんに、第1章で紹介した「固有感覚」「前庭覚」「感覚過敏」の解説をすると、「目からうろこが落ちました」「なるほど、それでは叱ってもよくならないですね」「無理にがんばらせるのは逆効果ですね」と理解をされ、子どもへのかかわりが劇的に変わります。

保護者の方は子どものためにという思いで、間違った方法をとってしまう場合もあります。誰も悪くありません。ただ、知らないだけなのです。ですから、まずは知ってもらうことが大切です。保護者の方にも感覚統合の視点を知ってもらうことで、子どもへの適切な対応が可能になります。また、子どもの発達を承認することにつながり、親子の温かい関係も保たれます。

【アイデア・ 提案】大切なのは通訳とコーチング

まずは、子どもの行動の意味を「通訳」しましょう。このとき、感覚統合の知識が役立ちます。その上で、どうしたらうまくいくかを一緒に考えて、子どもと伴走しましょう。

保護者が子どもを無理なく支援できる方法や遊びを考えることが大切です。ティーチング(考える)ではなく、コーチング(ともに考えて勇気づける)ことが大切です。失敗しても大丈夫。失敗から学ぶことで、保護者と子どもに合った支援方法や継続できる遊びが見つかるはずです。

【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美

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