動機は必ずしも性欲とはいえない?!4つに分類されるレイプ犯のタイプとは?【図解 犯罪心理学】
レイプ犯は性欲の発散が目的?【図解 犯罪心理学】
必ずしも性欲だけが動機ではない
レイプとは相手の同意なく強制的に性行為を行う犯罪で、大きく顔見知りによる「知人間レイプ」と、まったく面識のない人物による「ストレンジャーレイプ」があります。
こうしたレイプ犯罪については、長い間「性欲主導の犯罪」であると考えられてきました。つまり、性的な欲求がたまり、それが引き金となって犯行に及ぶという考え方です。しかし、レイプ犯の研究を進めていくと、必ずしも性欲だけが動機ではないことがわかってきました。
たとえば、アメリカのナイトとプレンツキーは、レイプ犯を「怒り報復型」「搾取型」「補償型」「サディスティック型」の4つのタイプに分類していますが、これを見ると性欲がおもな動機となっているのは「補償型」のみで、それ以外は性欲による犯罪というよりも、むしろ暴力犯罪の類型であると見ることができます。
また、加害者たちはレイプに先立って生活上のストレスや自尊心を傷つけられた体験をしていることが多いという研究もあり、レイプはそのストレスの発散、あるいは女性を支配することによる自尊心の回復のための行為という捉え方もされています。ただし、日本では暴力的なレイプ事件よりも、性的な動機が表面に出ているものが多く、アメリカのレイプ犯とは傾向が異なっている可能性があります。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』