【7月15日より・世界遺産二条城】非公開の香雲亭でゆったりと特別朝食「京のゆば粥御膳」を楽しむ(京都市中京区)
街中のそこかしこで響く「コンチキチン」という祗園祭のお囃子の音を聞いて、夏が来たな~と実感しているデジスタイル京都スタッフのミズノです。
今回は、夏の京都を楽しむ素敵なイベント、世界遺産・元離宮二条城(京都市中京区二条通堀川西入)でいただく特別朝食「京のゆば粥御膳」をご紹介します。
何が特別かというと、普段は非公開の「香雲亭」で京都の旬の食材による逸品料理やゆば粥を頂けるのですよ。
平成29年から耐震補強工事を実施していた本丸御殿が、9月1日から18年ぶりにいよいよ一般公開されるとのことで、江戸時代から近代の宮家の御殿であるこの本丸御殿にちなんで、今回の御膳は「朝廷と徳川家と料理」の関係に注目した献立となっています。
朝廷に献上された京都の夏の風物詩である鱧や加茂茄子、鮎。京都の名物である「ゆば」が日光に伝わった所以や、徳川家康が出陣の際に好んだ食材など、歴史に想いを馳せつつ、清流園の瑞々しい景色を眺めながら美味しい京料理を堪能できますよ。
特別朝食「京のゆば粥御膳」
今回頂ける特別朝食の概要は以下の通りです。
京のゆば粥御膳
【献立】
・蓋付籠盛 ゆばサラダ ゆば冷やしあん 梅
・青竹盛り ゆば揚げ浸し 小芋香煎揚げ 茄子うす衣揚げ 恵比寿素揚げ 茗荷甘酢漬け
出し巻き玉子 海老旨煮 笹麩 湯葉真丈 小巻ゆば 菊南瓜 楓麩
・季節の逸品 鱧おとし
・ゆば粥
・香物 昆布山椒煮
※季節の逸品やその他の献立は時期ごとに内容がかわります。【期間】7月15日(月・祝)~9月30日(月)
【時間】9:15~10:15 ※当日は9:10までに香雲亭へ
【料金】おひとり様4200円(税込) 1日限定40名様
【予約】075-551-1203 京料理いそべ内 ※受付時間10:00~15:00※アレルギー等がある方は予約時にお知らせください。
※別途入城料が必要です。
※現金のみのお支払いとなります。
※前日15時までの完全予約制です。
※キャンセルは3日前までにお申し出ください。
お料理は円山公園に本店を構える「京料理いそべ」さんが担当されています。
「京料理いそべ」さんの自社工房で作られる自家製の京生ゆば「くみあげ湯葉」を中心に、「鱧おとし」といった京都の旬の食材を活かした季節の逸品を味わえる御膳になっていますよ。
初夏らしく蓋付の籠や青竹に盛り付けられ、洗練されたお料理が目も楽しませてくれますね。
まずは温かいうちにゆば粥から頂きましょう。
最初の一口はぜひそのまま。ほんのりとした甘味が優しく、じわりと胃に染み込んでいくような味わいです。
付け合わせの昆布山椒煮と一緒に頂くと、ピリッと山椒が効いた昆布の塩気がゆば粥によく合います。
蓋付籠盛には、ゆばサラダやゆば冷やしあんといった、さっぱりといただけるゆば料理が可愛らしく盛り付けられています。中でもゆばを何層にも重ねたゆば冷やしあんは、お出汁が染み込んだもっちりツルリとした食感。何個でも頂けそうな、この季節にぴったりのゆば料理です。
ひとくちに「ゆば」といっても、色々な味わいを楽しめるのが良いですね。
美しい青竹に盛り付けられ、蓋を開ける瞬間に期待感が高まるこちら。
見た目も華やかで、食べる前からもう美味しいです。
ゆば揚げ浸しや小芋香煎揚げ、菊南瓜など、異なる食材が多彩な調理法で提供され、一つひとつ異なる丁寧な味わいに舌鼓。思わず「美味しい」のつぶやきが止まらなくなります。
そして、京都の初夏の旬の食材といえば鱧ですよね。祇園祭は別名「はも祭り」とも呼ばれ、今がまさに旬なのです。程よく脂ののった鱧を湯引きした鱧おとしを梅醤油でいただきますよ。
時期で異なる季節の逸品で、旬の食材や歴史までも味わう
季節の逸品は、時期ごとに旬の食材に内容が変わるという点も嬉しいポイントですね。
味わいの異なる逸品のお料理は全部で5つ。8月以降の4つの逸品も、歴史的なエピソードを交えながらご紹介しますね。
加茂茄子しぎ焼きは、素揚げにした加茂茄子に紅白の「しぎ味噌」をのせ、京野菜の伏見唐辛子を添えた逸品。
肉厚の加茂茄子はお箸でスッと切れるほど柔らかく、口にするとトロトロにほどけてとてもジューシーです。
「しぎ焼き」の元となった「しぎ壺」という料理は、「二条城行幸御献立絵図」という絵巻物にも伝えられているそうですよ。
次の逸品は、鮎を背開きにして紫蘇の葉をしのばせ竜田揚げにし、中骨をカリカリの煎餅仕立てにした鮎の竜田揚げ。
その昔、京の都は海産物が手に入りにくいこともあり、川魚が重要なたんぱく源でした。桂川や鴨川を遡上して苔を食み大きく育った鮎は清流の女王と称され、朝廷に献上されていたそうです。
日本料理では、玉子豆腐に小豆と枝豆や銀杏を萩の花と葉に見立てた料理を萩豆腐といいます。萩豆腐と鱧の吸物は、満月を連想させる玉子豆腐に小豆と枝豆をあしらって萩豆腐とし、葛打ちした鱧とお吸い物仕立てになっています。
鱧のお吸い物は、大正天皇即位「饗宴の儀」の1日目の昼の献立にも登場したお料理だそうですよ。
最後の逸品料理は、鮑と勝栗の茶碗蒸し。
二条城を築城したことでも知られる徳川家康は、戦への出陣の際に「敵を打ち、勝ち、喜ぶべし」として「打ち鮑、勝栗、昆布」を食べ、お酒を飲んだ後、敵を木っ端みじんに打ち取るとばかりに盃を威勢よく叩き割ったそうです。
◇◇◇
気になる食材、エピソードはありましたか?
また、時期をずらして異なる食材を食べ比べるのも良いかもしれませんね。
伺った当日は生憎の雨でしたが、しっとり濡れて生き生きとした苔や木々を眺めつつ、静かに響く雨音に耳を傾けながら美味しい料理を味わう、とても贅沢な時間を過ごすことができました。
どこも混みあっている京都ですが、ここ二条城・香雲亭では、日常を離れてゆったりとした時間を過ごすことができますよ。
旬の食材から季節感、歴史までも味わいに、ぜひ訪れてみてくださいね。
■スポット情報
店舗名:元離宮二条城 清流園・香雲亭
住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
電話番号:075-551-1203 京料理いそべ宛 ※受付時間10:00~15:00
営業時間:開城時間:8:45~16:00(閉城 17:00)
特別朝食:9:15~10:15 ※当日は9:10までに香雲亭へ
交通:京都市営地下鉄「二条城前駅下」下車すぐ
JR「二条駅」下車徒歩17分
市バス9・12・50系統「二条城前」下車すぐ