「さつまいも」皮ごと食べないと損!腸内環境を整えるだけじゃない“意外な栄養素”
子どもにも大人にも人気の「さつまいも」。繊維質が豊富なことはよく知られていますが、その他の栄養素や体へのメリットについてはよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。老舗の青果仲卸業「小林青果株式会社」さんによると、さつまいもには美容や健康に役立つ栄養素がたくさん含まれているのだそう。そこで今回は、「さつまいもの栄養素」や「栄養を逃さない調理法」について詳しくうかがいます。
教えてくれたのは……小林青果株式会社さん
創業以来70年以上にわたり、北九州中央卸市場にて青果の生産者と小売店舗のバイヤーを結ぶ仲卸業を営む小林青果株式会社。九州各県だけでなく、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届けしている。安全で安心できる食品の提供はもちろん、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼を大切にしている。
さつまいもに含まれる“主な栄養素”
◆さつまいもの可食部100gあたりには、以下のような栄養素が含まれています。
・炭水化物:31.9g
・食物繊維:2.2g
・カリウム:480mg
・カルシウム:36mg
・マグネシウム:24mg
・リン:47mg
・ビタミンA:28μg(β-カロテンとして)
・葉酸:49μg
・ビタミンC:29mg
これらの栄養素は、私たちの体にとって非常に重要な役割を果たします。
たとえば、炭水化物はエネルギー源として、食物繊維は腸内環境を整える効果があります。
また、カリウムはむくみの予防や血圧を下げる効果が知られており、ビタミンCは抗酸化作用やコラーゲンの合成を助けるなど、美容と健康の両面で貢献しています。
さつまいもの「皮」にも注目
さつまいもの皮にも栄養が豊富に含まれており、皮ごと食べることで栄養を余すことなく摂取することができます。皮には食物繊維やカルシウムだけでなく、アントシアニンやクロロゲン酸といったポリフェノールも含まれています。これらの成分は抗酸化作用があり、目の健康をサポートしたり、糖尿病や脂肪肝の予防に役立つとされています。
「ダイエット」にも最適
さつまいもはダイエットにも適しています。消化がゆっくりでお腹にたまりやすく、食物繊維が含まれているため整腸作用が期待できます。さらに、ビタミンCが含まれているため、ダイエット中でも肌荒れの心配が少ないのです。
さつまいもの“栄養素を逃さない”調理方法
さつまいもの栄養を逃さずに摂取するためには、調理法にも注意が必要です。
ポイントは、
・皮つきのまま調理すること
・煮ること
・適切な保存方法を守ること
です。特にビタミンCは水溶性で熱に弱いため、煮込み料理やスープなどで摂取すると良いでしょう。また、保存は冷暗所が適しており、冷蔵庫での保存は避けるべきです。
さつまいもと好相性の食材でつくる“簡単レシピ”
さつまいものシンプル焼き
さつまいもを輪切りにして、サラダ油と塩を振りかけ、フライパンでじっくりと焼き上げるだけのシンプルなレシピです。外はカリッと、中はホクホクの食感を楽しめます。忙しい日の副菜や、おやつにも最適です。
豚肉とさつまいもの黒酢炒め
豚肉とさつまいもを使った、黒酢が効いた一品です。黒酢の酸味がさつまいもの甘さを引き立て、ご飯がすすむこと間違いなし。お弁当のおかずにもおすすめです。
さつまいものレモンサラダ
さつまいもを蒸して冷まし、レモン汁とオリーブオイル、塩で和えるだけの簡単サラダです。さつまいもの甘さとレモンの酸味が爽やかにマッチし、食卓に彩りを加えます。
さつまいもと落とし卵のみそ汁
さつまいもを入れたみそ汁は、一風変わった味わいを楽しめます。さつまいもの甘さがみそ汁の味を深め、落とし卵が優しい口当たりをプラスします。
意外と知らない「さつまいもの栄養素」と「栄養を逃さない調理法」をご紹介しました。
美容と健康に役立つ栄養をしっかり体に取り込むために、ぜひ大切なポイントを抑えて調理してみてくださいね。
鈴木杏/ライター