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知っておきたい更年期症状。運動器・血管・メンタルまで、閉経後に起こる一気に押し寄せる不調のセルフチェック【眠れなくなるほど面白い 図解 更年期の話】

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知っておきたい更年期症状。運動器・血管・メンタルまで、閉経後に起こる一気に押し寄せる不調のセルフチェック【眠れなくなるほど面白い 図解 更年期の話】

\更年期の症状と救世主エクオール/

閉経後にみられる主な症状

周閉経期に一気に症状が押し寄せる

 更年期とは、閉経の前後約5年間、合わせて10年間程度を指します。ただし、近年は更年期という言葉は国際的には使われず、閉経前の「周閉経期(または閉経移行期)」と「閉経後」に分けて考えるほうが主流になってきています。

 周閉経期の始まりのサインとしては月経不順が最も把握しやすい変化です。順調だった月経周期が不規則になるのを皮切りに、様々な不調が嵐のように襲ってくるこの時期。運動機能や血管、消化器、泌尿器、メンタルまで多種多様な変化を経験する可能性があります

 例えば、肩こり、腰痛、ぎっくり腰などの運動器系症状。エストロゲンの減少によってコラーゲンの生成や骨密度が低下し、関節痛も出やすくなります。手指の関節に痛みや変形が生じる「へバーデン結節」や「ブシャール結節」はよく知られている更年期障害の1つです。

 また、自律神経の乱れからくる血管運動神経症状も代表的です。自律神経は血管を収縮または弛緩させることで体温を調節しています。そのため、バランスが乱れるとホットフラッシュと呼ばれる、異常な体のほてりや発汗に突然襲われます。そのほか、口の渇きやドライアイなどの皮膚・分泌系症状、胃もたれや便秘といった消化器系症状、腟の乾燥や尿もれなどの生殖器系症状なども更年期によく見られる症状です。

運動器系症状

 エストロゲンが産生を促すコラーゲンは関節軟骨の主成分で、関節の動きを滑らかにする作用が。そのためエストロゲンが減少すると、肩、腰、ひざの関節が動きにくくなり痛みが出ます。

 さらにエストロゲンは関節や腱を覆う「滑膜」に働きかける作用もあり、閉経前後は滑膜に炎症や腫れが生じて手指のこわばりを感じることも。同時に骨密度も低下していくので、骨がもろくなり痛みや変形が起こります。

 これが指の第一関節に起こるのが「へバーデン結節」、第二関節に起こるのが「ブシャール結節」で、更年期以降の女性に多いとされています。

血管運動神経系症状

 女性ホルモンの分泌量が急激なアップダウンを繰り返す更年期には自律神経も乱れがちに。自律神経は無意識のうちに発汗をうながし、血管を収縮・弛緩させたりすることで体温の調節をしています。その自律神経のバランスが崩れ、体温調節できずに起こるのが「ホットフラッシュ」。異常な発汗やほてりに襲われるという更年期の代表的な症状です。

 血管が収縮しすぎて起きる手足の冷え、急に胸が苦しくなったり鼓動が速くなったりする動悸や息切れなどの原因は自律神経の乱れです。

精神神経系症状

 良質な睡眠をもたらす「メラトニン」も、エストロゲンの減少とともに産生量が低下。加えてホットフラッシュが夜間に起きる場合もあり、睡眠の質が低下し、不眠の症状が現われやすくなります。

 また、自律神経の乱れや意欲や幸福感をもたらす「セロトニン」の産生が低下し、うつ状態になるケースも。

 そのほか、物忘れや記憶力低下もよくある症状。これは、脳を活性化する神経伝達物質「アセチルコリン」の量がエストロゲンの減少で低下することが一因。

 同様にエストロゲン減少によって耳の中の耳石(カルシウムの結晶)がはがれると、めまいの原因になります。

消化器系症状

 自律神経は腸のぜん動運動や消化液の分泌といった消化管の働きも調整しています。したがって、卵巣機能が不安定になり、自律神経が乱れると、さまざまな消化器系の症状が現れます。

 例えば、胃もたれや食欲不振、胃痛といった胃の不調、下痢や便秘、腹部膨満感などの腸の不調など。消化管はストレスの影響も受けやすく、更年期特有の心身のゆらぎによって症状が悪化することも。

 ただし、加齢によっても消化管の機能は徐々に低下していくため、原因は更年期の不調だけに限らない点も注意しましょう。

泌尿器・生殖器系症状

 閉経前後はエストロゲンの減少によって腟の粘膜の自浄作用が低下。腟や外陰部に細菌が繁殖しやすくなり、かゆみが生じやすくなります。

 また、膀胱や子宮を下から支える「骨盤底筋」が衰え、尿もれにつながることも。さらに骨盤内の臓器が腟の外に出てしまう「骨盤臓器脱」も増加します。

 そのほか、ホルモンバランスが乱れることで、月経時以外に生じる不正出血も見られるように。多くは卵巣機能の低下が原因ですが、下腹部痛や大量の出血、排尿障害などがある場合は婦人科の受診を。これらを閉経関連尿路性器症候群(GSM)といいます。

皮膚・分泌系症状

 皮膚や粘膜にうるおいや弾力をもたらすコラーゲンも、エストロゲンの減少で少なくなります。すると全身が乾燥しやすくなり、皮膚のかゆみや湿疹、ドライアイなどを経験しやすくなります。

 両ほおにできる「肝斑」と呼ばれるシミも女性ホルモンの変動が原因。ホルモンバランスが一定に落ち着く閉経後には、薄くなったり消えたりします。

 また、唾液の分泌量が低下。のどの渇きを感じたり、ものが飲み込みにくくなったりします。まれですが、難病の「シェーグレン症候群」も似たサインを出すので、気になる場合は医療機関へ。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 更年期の話』著:高尾 美穂

【著者紹介】
高尾美穂(たかお・みほ)
医学博士・産婦人科専門医。東京慈恵会医科大学大学院修了。同大学附属病院産婦人科助教、東京労災病院女性総合外来などを経て、女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道の副院長に就任。日本スポーツ協会公認スポーツドクターで、ヨガ指導者でもある。「すべての女性に、よりよい未来を」をモットーに、医療、ヨガ、スポーツの3つの活動を通じ、専門的な知識をわかりやすく伝える啓発活動にも積極的に取り組み、テレビなどのメディア出演、講演活動、stand.fm「高尾美穂からのリアルボイス」でメッセージを発信するなど、多方面で活躍中。『今日も一日ご機嫌で 高尾美穂流生き方ガイド 体も心もいい感じ』(清流出版)『高尾美穂のオトナ世代のこころとからだ相談室』(扶桑社)など著書多数。

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