なぜ『バビロン』は失敗したのか?マーゴット・ロビー「今でも理解できない」 ─ 「私は大好きな映画」と再評価のぞむ
『セッション』(2014)『ラ・ラ・ランド』(2016)のデイミアン・チャゼル監督が、1920年代の激動するハリウッドを描いた野心作『バビロン』(2022)。ブラッド・ピットをはじめとする豪華キャストが集結し、大いなるビジョンを掲げながらも、広く受け入れられたとは言いがたい不遇の一作だ。
製作費8,000万ドルに対し、全世界興行収入は6,356万ドル。Rotten Tomatoesでは批評家スコア57%・観客スコア52%という結果となったが、本作でトップスターを目指す女優ネリー・ラロイ役を演じたマーゴット・ロビーは、この映画が“失敗作”とみなされることに疑問を抱いている。
ポッドキャスト「」に出演したロビーは、『バビロン』について「今でも私は大好きな映画だと言っているんですよ!」と力を込めた。ホストのベン・マンキーウィッツが「“この映画はなぜ嫌われているんだろう?”と思った」と言うと、「私にも理解できなくて」と口にしている。
「私はこのプロジェクトにとても近いし、この映画を信頼しているので、バイアスがかかっているとは思いますが、それでも、なぜ嫌われたのかが今でもわからないんです。だから、20年後に“えっ、『バビロン』は当時うまくいかなかったんだ”と思ってもらえるかなと想像します。『ショーシャンクの空に』が当時は失敗作だったと聞いて、“そんなことがありえるの?”と思うように。」
チャゼルとの仕事について、ロビーは「デイミアンはとにかく徹底的」だったと振り返り、ポジティブな思い出しかないと強調する。「すごく気に入ったのは、誰も全力を出していないように感じられるなかで、彼が常に全力を求めていたこと。いつでも“もっとやってくれ”と求めていたんです。準備の段階からそうでした」
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『バビロン』でチャゼルが試みたのは、1920年代、サイレント映画からトーキー映画へと移り変わる黄金時代のハリウッドの狂乱と衰退を描くことだった。富と名声、野心と欲望に彩られた世界で夢を叶えようとする人々の姿を通じて、チャゼルなりの方法で私見の映画史を紡ぎ出したのだ。
2023年6月、作品の賛否両論について、チャゼル自身は米にて「そこまで気にしていません」と語っていた。
「監督が映画を完成させると、作品は批評家を含めた観客のものになる。誰もが異なる見方をするし、そのすべてが正当だと思います。ある意味、世界の映画になるということです。[中略](映画が)会話や議論を刺激し、賛否の双方から激しい意見が出るのはいいこと。この映画に苛立ち、怒る人が出ることはわかっていたので、それはいいんです。もっと多くの映画がそうあるべきだと思います。」
その後、本作の興行成績がふるわなかったため、一時は次回作への不安をチャゼルだが、現在は再び『バビロン』のパラマウント・ピクチャーズとタッグを組んで新作映画を。2025年の公開を目指して準備が進められている。
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