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札幌で広まったのは必然だった?「魔法の一皿」スープカレーのルーツは家族への愛

Sitakke

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今や外国人にも人気な札幌名物スープカレーですが、その意外と知られていないルーツをたどってみました。

1月には、札幌の人気店「SOUP CURRY KING」が京都にオープン。沖縄や広島、さらに台湾まで拡大し、反響を呼んでいます。
一方、札幌の店でも行列ができることがめずらしくありません。

「Suage(スアゲ)」は、北海道外7店舗、海外11店舗に出店。
いまや札幌名物の「スープカレー」は世界的に大人気になっています。

始まりは家族への思い

そんなスープカレーは一体、いつ、どのように生まれたのでしょうか。
街の人に聞いてみても「わからない」「インドじゃないんですか?」といった声が。

そこで向かったのは、札幌でも長い歴史を持つ「アジャンタ インドカリ店」の伝統を受け継ぐ店。

「自分の身内に体を壊した人がいて、その人の体を治すために、この薬膳スープを作った。店で出したら評判が良かったのでメニューになった」

発祥の経緯を話すのはアジャンタ インドカリ店の千葉健太郎さんです。

2001年

創業店を取材した2001年の貴重な映像です。創業者の故・辰尻宗男さんが、1971年に、病に伏した父親を元気にするため頼ったのが、30種類のスパイスと15種類の漢方でした。

辰尻さんは2001年の取材時、「200年前から続いた家伝の養生食がベース」だと語っていました。

当時は具のない「薬膳カリィ」というスープでしたが、1975年頃に転機を迎えます。

千葉さんによると、「当時は鶏を全部捨てていた。常連客が『捨てるなら食べたい』と言って、今の形になった」といいます。

2001年

ダシ殻だった骨付き肉や野菜が主役に躍り出る。
これがスープカレーの「原型」になったというのです。

辰尻さんは当時、「きっとカレーもこうやって進化していくんだろうな」と話していました。
ですが、この原型のスープカレーも、私たちが今目にしているスープカレーとどこか違います。
そう、皿に盛り付けられたゴロゴロの野菜は、揚げられていないのです。

「素揚げ野菜」を取り入れたのは

1985年、今や当たり前となった「野菜の素揚げ」を初めて入れたのが、当時オープンしたばかりの『スープカリー木多郎』でした。

店主の木下雅夫さんは、「素揚げという調理は『脱水』。瞬間的に野菜の旨味を封じ込めて、食感もそのまま生かすんです」と、そのこだわりを明かします。

このスタイルを確立したことで、薬膳スープは野菜をおいしく食べる料理へと進化したのです。

そしてついに「スープカレー」という呼び名が

しかし、まだ完成はしていませんでした。この料理に名前がなかったのです。
そのとき、この料理は店名で呼ばれ、決まった呼び名が存在していませんでした。

名付け親となったのは、『マジックスパイス』店主の下村泰山さんです。マジックスパイスの「ママ」こと下村恵子さんは、「辛いからカレーでしょ。スープ状だし、よしスープカレーと名付けたのが最初」と当時を振り返ります。

1993年、東南アジアを旅していた下村さんが、インドネシアの「ソトアヤム」という料理に出会い、日本人向けにアレンジした料理に「スープカレー」と名づけました。


ラーメン文化が後押し?一皿で楽しめる魔法

では、なぜスープカレーが札幌名物として独自の発展を遂げたのでしょうか。
『北海道スープカレー読本』の作者で精神科医の樺沢紫苑さんは、札幌に根付いていた「ある食文化」が関係していると指摘します。

「当時はラーメン文化。観光客も札幌ラーメンだし、札幌の人もラーメン文化があった。そのスープ文化が関係していると思う」

日常的にスープに親しむ文化があったからこそ、すんなりと受け入れられたのだと分析します。

さらに、独自の発展を加速させた最大の要因が「自由度」だといいます。

「B級グルメだと定義とか作るじゃないですか。それがないんです」

自由度が高いので、個性を出しやすく、「北海道の食材を、一つのお皿で全部楽しめる」という魅力もあって、札幌の名物になったと考察しています。

さらに、日本スープカレー協会の井手さんは、「皆さんがいろいろなカレー本などを見て回り始めたというのが広がっていった要因だと思います」と、さらなる普及の背景を語ります。

「札幌らっきょ」のオーナーでもある井手さんの言葉通り、スープカレーは北海道を代表する食文化へと定着していったのです。

100年続く日本の食文化に!

そして札幌名物となったスープカレーにはうれしいニュースも。2月27日に文化庁が定める「100年フード」に認定されたのです。

「100年フード」は、地域で世代を超えて愛され、未来へ受け継いでいきたい日本の多様な食文化を国が認定する制度。
北海道からはジンギスカンや石狩鍋、豚丼などが認定されています。

誕生から半世紀、独自の進化を遂げてきたスープカレーが、ついに国から「100年続く日本の食文化」として認められたことになります。

現在のスープカレーの原型は、1971年に誕生した「薬膳スープ」だと分かりました。
北海道の野菜のおいしさもスープカレーの人気に火を付けた要因の一つのようです。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あま
※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年2月13日)の情報に基づきます。

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