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第2回ふれあいサロン(2024年1月28日開催)~ 手話で語り合いながら七宝焼作品を作ろう

倉敷とことこ

第2回ふれあいサロン(2024年1月28日開催)~ 手話で語り合いながら七宝焼作品を作ろう

2023年12月に関東から倉敷に移住してきた私には、聴覚障がいがあります。

仕事のことやプライベートなことで悩んだときに、やはり頼れるのは同じ当事者の仲間です。

仕事で手話通訳をしてもらったときに通訳者から、「倉敷市にも聴覚障害者協会があるよ」と教えてもらったので、第2回ふれあいサロンに行ってきました。

倉敷市内の聴覚障がい者とその支援者が集うサロン

第2回ふれあいサロンは、倉敷市聴覚障害者協会主催のイベントです。

倉敷市内に在住もしくは通学通勤している聴覚障がい者とその支援者(市に登録している手話通訳者と市に登録している手話サークルの会員)が集い、レクリエーションに参加しながら交流を深めており、以下のような意図をもって企画されています。

・聴覚障がいのある当事者にとっては、手話という自分の言語で交流や生涯学習ができる場
・支援者たちにとっては、実際に手話を自分の言語として使う当事者と交流ができる場

第2回ふれあいサロンは「七宝焼教室」

2024年(令和6年)1月28日(日)に開催された第2回ふれあいサロンは、「七宝焼(しっぽうやき)教室」でした。

七宝焼きは人がデザインできる宝石ともいわれ、カラフルな釉薬(ゆうやく)の色とキラキラした模様が特徴的な焼き物です。

開場の倉敷西公民館大ホールに入ると、受付で自分が七宝焼にしたいアクセサリーやカトラリーを選び、参加費を払います。

小学生から高齢のかたまで幅広い年齢層の参加者、約20人が久しぶりの再会を喜びながらそれぞれ作品にしたいアクセサリーやカトラリーを選びます。私は、ティースプーンの柄に七宝焼を施すことにしました。

自分にとって一番心地良い言語で参加できる場

講師の丸山晶子(まるやま しょうこ)先生は聴者(耳がきこえる人)ですが、隣には手話通訳者がいるため、手順などの説明は手話でも読み取れます。

また、一人ひとりに文字での手順表も配られたので、手順表に書いてある文字と手話通訳を見比べながら作業へのイメージを膨らませます。

さらに、盲ろう(視覚と聴覚両方に障がいのある人)の参加者には触手話(しょくしゅわ)の通訳も付いていました。

手話・文字・触手話など、自分にとって一番わかりやすい言語を選択して参加できる環境になっていました。

私自身普段から手話を使いますが、触手話で会話をするのは学生のとき以来。少し緊張しましたが、普段から通訳をされている支援者がそばにいたので助言を受けながら会話を楽しんできました。

いざ、七宝焼体験

まずは、好きな色を選んで釉薬を盛りつけます。

丸山さんが多くの釉薬を持ってきてくれたので、なかなか一つの色を選べません。

全体の印象を決めるので皆さん慎重に選んでいました。

次に、ガラスフリットを釉薬の上に載せます。ガラスフリットはビーズのようなもの。

これから熱い窯で焼くので、どのように溶けるのかわからないことが、七宝焼の楽しみなんだとか。

当日は、丸山さんが持ち運びのできる窯を持ってきてくれたので、その場で作品を焼いてもらいました。

聴覚障がいがあると、手作業の体験をするには通訳が必要ですが、観光地で「焼き物体験」などを見かけても「きこえないから難しいかも」と諦めてしまうこともあります。

そのため、手話ができる人たちのコミュニティで生涯学習ができることは、貴重な経験です。

焼く前と焼いた後の作品を見ながら、「こんなふうに変わるんだね」とみんな驚いていました。

倉敷に住む聴覚障がい者同士が集える場

焼き上がりまでの間は、参加者同士での歓談タイムです。

倉敷市内に在住する聴覚障がい者も、それぞれ家庭や仕事があるので、日常的に集まれる機会は限られています。

このため、倉敷市聴覚障害者協会のような当事者団体が主催するイベントは、当事者の仲間に会える大切な時間です。

私自身も、2023年12月に関東から倉敷市に引っ越してきたばかりなので、今回のイベントではじめて顔を合わせる聴覚障がい者が何人もいました。

これから倉敷で生活していくにあたり、手話という共通の言語を持つ倉敷の先輩がたにお世話になる機会がきっと多くあるだろうと思います。

ふれあいサロンをきっかけに、仲間に出会えて本当にありがたいと感じました。

おわりに

焼きあがった七宝焼は、参加者それぞれの個性が光る作品となりました。

どの参加者も「使うのがもったいない。飾っておきたい」と話していました。

私のスプーンも「とっておきのデザートを食べるときに使うぞ」と部屋に飾ったまま。どのような場面で使おうかと、想像を膨らませるだけで幸せになれる作品が作れて満足です。

また、今回のイベントは、聴覚障がいのある当事者団体が主催だったこともあり、常に手話での会話が飛び交っていたことが印象的でした。

2024年10月には、岡山県にて「全国ろうあ女性岡山大会」が開催されます。

倉敷市も会場のひとつになる予定なので、少しずつ手話のあることが当たり前の社会が広がっていったらうれしいです。

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