職場の人間関係で悩んだら、誰に相談する?「話せる人」の見つけ方
職場で悩むことで一番多いのが人間関係ではないでしょうか。
接する人を選べない職場では、性格が合わない人とのすれ違いや上司からの理不尽な扱いなど、いろいろなストレスを受けます。
「どうすればいいのだろう」と悩むときは、一人で考え込まずに誰かに打ち明けるのも解決の助け。
話す相手にはどんな人が良いのか、お伝えします。
人間関係について悩むのは普通のこと
自分の意思ではどうにもならないのが職場の人間関係
その会社を選んだのは自分であっても、集う人まで決めることはできません。
合わない人や嫌な振る舞いをする人など、ストレスを感じることがあっても自分ではどうにもならないのが現実です。
うまくいかない人間関係について、「自分のせいだ」「自分がちゃんとできないから」と悩む人は多いですが、そもそも自分の意思でコントロールできない部分なら過剰に自分を責めるのは間違い。
極端に言えば、「自分がどんなにがんばっても報われない」ことも職場では普通にあるので、「自分の意思に関係なくうまくいかないのは当たり前なのだ」と割り切るのも落ち込みすぎないためには大切です。
ストレスに振り回されるときは、一人で考えこまずに誰かに話すのも気持ちの整理を助けてくれます。
職場での人間関係で悩むとき、誰に打ち明けるのが良いのでしょうか。
「同じ職場の人」は相談した後のことを考える
ある特定の人についてストレスを感じるとき、同僚や先輩など同じ職場の人なら相手のおかしさを理解してくれるだろう、と思いますが、「こんな嫌な思いをしている」と打ち明けたことが後日ほかの人にまで広がってしまいさらに攻撃を受けるなど、いわゆる「二次被害」が起こる可能性があるので注意が必要です。
仲が良いとしても、口が軽い人や噂好きな人は避けるのが第一。
同じ職場の人に打ち明けるときは、「相談したことを誰にも漏らさない」のが前提と考えます。
仕事ぶりや部下への接し方が誠実だと感じられる上司や、周囲との付き合い方が上手で悪口や噂などを口にしない人など、「打ち明けても大丈夫」と信頼できる人をしっかりと見極めましょう。
話した後でネガティブな影響を及ぼさない人に打ち明けるのが、同じ職場の人の場合は肝心です。
同じ職場の人は、距離が近いぶん相手の状態やこちらの振る舞いについても客観的に見てくれます。
「プライベートの友人」は同じ環境の人を
仕事ではなくプライベートで親しい友人に悩みを打ち明けたいときは、同じように会社員をしている、パート勤務をしているなど環境が似ている人だと苦しんでいる部分について共感を得られやすくなります。
幅をきかせるお局さまや上下関係に厳しい上司など、同じ状態でなくても想像できることは多く、「わかる」と言ってもらえるだけで心が軽くなったりしますよね。
プライベートの友人なら、相談したことが職場に広がるような恐れもなく気軽に打ち明けられますが、気をつけたいのは「みんな我慢している」や「嫌なら辞めればいいのに」など、苦しみを無視したり無茶な選択肢を押し付けたり、こちらの気持ちを否定する人。
思いもしなかった意見は楽になれることもありますが、話したことで余計にストレスが溜まるのは本末転倒なので、職場の場合と同じく人間性を信頼できる人が最善です。
普段のお付き合いを思い出し、素直につらさを打ち明けられる友人に相談しましょう。
家族や恋人は「頼りすぎない」ことも大事
身近な存在の家族や恋人は、相談しやすいし親身になってくれるのもありがたいですね。
自分のことを近くでよく見てくれる人は、自信を回復させてくれる貴重な存在といえます。
身近な人を頼るときは、気持ちをきちんと話す姿勢が肝心。
近いからこそ、取り繕わずに本音を打ち明けることが相手にとっても信頼の証です。
対策や解決を一緒に考えてもらえるように、「察してくれるのが当たり前」のような姿は控えたいですね。
一方で、耳を傾けてもらえることに安心していると、「話は聞くしアドバイスもするけど、本人が一向に変わろうとしない」と思える状況が相手にとっては苦痛になり、いつしか愛想を尽かされることも。
ストレスの解消や問題の解決は、自分で動くのが前提です。
つらさや大変さを理解してくれることに感謝し、それに応えるためにも、相談で終わるのではなく「次」に意識を向けましょう。
パワハラやいじめは専門の機関を頼る
職場の人間関係の悩みでも、上司によるパワーハラスメントや同僚などからのいじめは、放置すると命に関わることもあるため早めの対策が必要です。
会社やプライベートで頼れる人がいない、身近な人に打ち明ける勇気がないときは、専門の機関を利用します。
以下は厚生労働省が用意している相談窓口です。
・ハラスメント悩み相談室
・総合労働相談コーナー
心身の不調については、以下のポータルサイトもあります。
・こころの耳
上記の窓口以外にも、各自治体で弁護士による無料の法律相談や法テラスの無料相談制度などがあるので、苦しみは我慢せずに打ち明けることが自分を救う第一歩です。
心が弱っていると「自分が悪いからだ」と思い込んでしまいがちですが、状況を客観的に判断してもらうためにも、第三者の意見に頼ることも考えてくださいね。
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職場の人間関係は、相手に変化を期待しても現実は変わらないことが多く、自分の意識をアップデートしていくほうが不要な摩擦を防げます。
そのためにどうすればいいか、悩むときは頼れる人がいると心強いですね。
安心して話せる人は、普段のお付き合いから信頼関係を築くのが重要です。
人とのつながりを疎かにしない意識は、いざというときに自分を助けてくれるものです。
(mimot.(ミモット)/弘田 香)