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福島県いわき市から衣・食・住 日本の伝統文化を若い世代に伝えていく

さくマガ

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さくマガでは仕事のヒントを得るために、さまざまな方にインタビューをしています。本記事では、日本の伝統的な衣食住に関する事業を展開する株式会社K-
Life代表・小野久美子さんにお話をうかがいました。株式会社K-
Lifeのホームページは、さくらインターネットのサーバーをご利用いただいています。ぜひ、ご覧ください。

小野 久美子(おの くみこ)さん プロフィール
株式会社K-Life代表 1969年生まれ、福島県出身。
「衣食住」日本古来からの伝統などを発信し、生活に潤いと豊かさを提供したいと思い起業。
・着付け教室など着物全般
・数寄屋造り、古民家造りを中心にした住宅販売
・古民家造りのモデルハウス兼イベントスペースを使用したイベント企画運営
などをおこなっている。

日本の伝統を伝えたい

ーー最初に、事業内容について教えてください。
株式会社K-
Lifeは衣・食・住をコンセプトにしていて、すべて日本の伝統的なものをあつかっています。「衣」は着物、「食」は伝統食、「住」は昔ながらの在来工法といったかたちで、部門に合わせて事業を展開しています。
メインは着物のレンタルや着付け、ヘアメイクなどになりますが、そのほかに古民家を一棟貸ししてテレワークなどに使っていただいています。
会社は3年前に設立したのですが、もともとは経理関連のお仕事をしながら、趣味で着物の着付けを30年以上前からやっていました。
伝統の民族衣装である着物をもっと多くの方に伝承していきたい、守っていきたいという想いがあり、会社を起こしました。

ーー「食」に関する事業も展開されていますね。
はい。お料理教室を毎月おこなっていました。
先ほどもお話したとおり、当社は「衣・食・住」をコンセプトにしていて、昔ながらの数寄屋造りの住居を一棟貸しする事業もおこなっているのですが、その場所を使って開催していたんです。
ただ、コロナ禍をきっかけにお客さまに集まっていただくことがなかなか難しくなってきましたので、お料理教室やセミナーなどもオンラインでの開催を検討しています。
いわき市は海と山に囲まれているので、美味しいものがたくさんあるんですよ。水産物は”常磐もの”といわれていて、とくにおすすめです。ぜひ、いわき市に来ていただきたいですね。

着物をもっと身近に取り入れてもらいたい

(オンラインでお話しをうかがいました)
ーー「着物をもっと身近に取り入れてもらいたい」という想いがあるそうですが、その考えにいたった理由を教えてください。
私がこれから社会にでていくという20代の頃、コンプレックスがあったり、いろいろな悩みを抱えていました。そのとき、着付けを教えてもらっていた先生から一枚の着物を借りたんです。
その着物のおかげで、すごく自分に自信が持てるような気がしました。着物を着たことで、まわりの方が喜んでくれたことが、自信につながったのです。
伝統的な着物がどんどん風化していっているという現状があるなかで、私にとって自信につながった民族衣装のすばらしさを残していきたいと思いました。
私の先生はもう亡くなってしまったのですが、先生の遺志を継いで若い世代の方々に伝えていきたいです。
ーーたしかに、着物を着る機会は減ってきていると感じます。若い世代の方に伝えるためにどういったことが必要でしょうか。
コロナ禍で対面することが難しい状況になってきたなかで、インターネットを使ったコミュニケーションをとっていきたいです。実際に会わなくていいような仕組みが必要ですね。
コロナ禍の前にはおそらく戻らないということを想定しなければなりません。
これからは、ITをもっと活用していくことが重要です。Zoomなどを使ってオンライン販売をしたり、コーディネートを提案したり、着付け教室などについてもオンラインでやっていく必要があると思っています。
ーー対面ではなく、オンラインでも着付け教室は可能でしょうか。
そうですね。本当は対面がいちばんいいでしょうけれど、先ほども申し上げた通り、コロナ禍の前にはきっと戻らないだろうなと、ここ1年で実感しています。
そのためには、着付けを教える私たちも学んでいかなければなりません。このインタビューもZoomでしていただいていますが、このようにスムーズにやりとりできていますので、着付け教室も可能だと思います。これからは、やはりオンライン化を切り離すことはできないですね。

伝統は残しつつ時代に合わせて変化していけばいい

ーー着物の種類はどういったものがあるのでしょうか。
男性の紋付き羽織・袴、未婚女性の振袖、既婚女性の留め袖が第一礼装と呼ばれるものです。そこから、訪問着・付け下げ・色無地・小紋と、だんだんカジュアルになっていきます。
夏に着る浴衣も着物の一種なのですが、湯帷子(ゆかたびら)というものが起源といわれていて、平安時代、貴族が入浴するときなどに身体を見せないように羽織っていたものです。
江戸時代になると庶民が寝巻として着るようになっていきました。部屋着とか、家で着るものだったんですね。時代が変わって、現在にいたるまでお祭りなどで着られるようなカラフルで華やかな柄が増えてきました。
浴衣も着物の一種です。夏になると毎年浴衣を買い替えるという方もいらっしゃるぐらいで、本当に日本の文化として根付いているものですよね。
ただ、浴衣はお祭りなどのときにはとても素敵なのですが、格式の高い場所へのお出かけには訪問着や付け下げ、色無地を着ていくのがふさわしいです。

ーー着物と聞くと、高価なイメージで手が届かない印象あります。最近の着物はいかがでしょう?
そうですね。着物をつくるには多くの工程があります。たとえば、糸をつむぐ人、糸を染める人、糸を織る人、意匠を決める人……といった感じで、昔はそれぞれの職人が分業で手間暇をかけてつくっていたので、とても高価でした。
ただ、いまはプリントでつくられるものもあるので、お手頃な価格のものもあります。
とはいえ、昔ながらの技術でつくられているいいものは残していきたいですね。粗末にせずに、代々受け継いで着ていけたらいいと思います。

ーー着付けだけなく、ヘアメイクもされているんですね。
はい。出張で着付けやヘアメイクをさせていただいています。
着付けの資格はもっていますが、時代によって着方も少しずつ変わっていくでしょうし、流行もありますので、日々勉強が必要です。いろいろな教室にいったり、流行っているもの、色合いなどについてもつねに学んでいますね。お客さまに選んでいただけるような努力が必要です。

インターネットを通じて実現できたこと

ーー小野さんがインターネットを通じて実現できたことを教えてください。
インターネットを通じて、場所を問わずさまざまな方に向けて情報を発信することができています。情報を発信する方法について、まだまだ模索中ではあるのですが……。
オンラインショップで着物を販売しているのですが、いまは一方的に情報を出しているだけなので、お客さまとお話しながらコーディネートの提案をさせていただきつつ販売するサービスもやりたいですね。そうすれば、わざわざ来店しなくてもお買い物を楽しんでいただけるのではないかと思います。もしかしたら、海外のお客さまにもお伝えすることができるかもしれません。
海外の方のほうが着物の魅力を理解してくださっているという側面もあります。たとえば、インテリアとして利用される方もいれば、コートやジャケットのように羽織るなど、いろいろな着方を楽しんでいらっしゃる方がいます。

ーーホームページを見ると、若い世代への発信を意識されているように感じられました。

(K-Life ホームページより)
そうなんです。私たちが若いころにご年配の方々に教えていただいたように、私たちの世代から若い世代に託したいという想いはあります。若い世代の方々に伝えることで、伝統を残してくことが私たち世代の役目です。
弊社のSNSなどに掲載しているモデルも若い方々を起用しています。
Instagramアカウント>>
着物は普段着として日常的に着てもいいんですよ、ということを発信していければ、形は変わっても伝統として残していけるのではないかと考えています。
たとえば、最近だとアウトドアブランドでデニム地の着物が販売されたりもしましたよね。大事なところは残しつつ、着物も時代に合わせて新しく変わっていけばいいのではないかと思います。

コロナ禍のコミュニケーション

ーーコロナ禍において、お客さんとのコミュニケーションは変わりましたか。
TwitterやInstagramなどのDM(ダイレクトメッセージ)でやりとりをすることが多くなりました。あとはZoomも使っています。
Zoomは、コロナ禍前はほとんど使ったことがありませんでした。使い始めたときはどうしたらいいかわからなかったのですが、慣れれば違和感はないですね。
ーー社員同士のコミュニケーションはいかがですか。
メールやLINEを使ってテキストでやりとりすることが増えました。在宅勤務などもしていて直接会う機会が減りましたからね。
以前はそれぞれ忙しくて話せるタイミングが無いこともありましたが、テキストベースのやりとりをするようになり、情報共有はいままでよりもうまくいっているような気がします。
顔を合わせられるときは、「言わなくてもわかるだろう。雰囲気で伝わるだろう」と考えてしまうこともありますが、会えないとお互いにきちんと伝えなければという意識になりますね。コロナ禍で不安な中ですが、だからこそ「もっとこうしていこう」など、ポジティブにいろいろなことを本音で話し合えるようになったと思います。

今後やりたいこと

ーーさくマガのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、事業を通じてやりたいことはなんでしょうか?
また、それをできるに変えるための取り組みを教えてください。
伝統文化を伝えるためにも、もっと発信力を高めて、当社のことをいろいろな方に知ってほしいです。インターネットの力を使えば、場所を問わずいろいろな方に伝えられるということがわかってきたので、どんどん発信していきたいと思います。
あと、いまは対面で販売することが難しいので、オンラインで販売をしたいです。予算がわかりやすいようなお買い物の方法を考えています。
じつは、”着物系YouTuber”も結構いらっしゃって、着付けをする動画は多いですね。
私たちがYouTubeをやるなら、なにか付加価値をつけないといけません。一方的な発信ではなく参加型のものなど、お客さまを巻き込んでいけるようなものができるといいですね。
そのために、SNSやマーケティングの知識などをつけたいです。世の中のことを知ることは重要なので、つねにアンテナは張っていますね。
ーーお話いただきありがとうございました!
執筆

武田 伸子
さくらインターネット社員。1児の母。主に「さくらのユーザ通信」(メルマガ)を担当しつつ、さくマガの記事執筆や編集に関わっている。

編集

川崎 博則
1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

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