Yahoo! JAPAN

92歳の現代美術作家・三島喜美代の東京での初の個展が練馬区立美術館で開催! ハイライトは約1万個の耐火レンガ・ブロックを使った《20世紀の記憶》

コモレバWEB

92歳の現代美術作家・三島喜美代の東京での初の個展が練馬区立美術館で開催! ハイライトは約1万個の耐火レンガ・ブロックを使った《20世紀の記憶》

 今年92歳になる三島喜美代の東京の美術館では初めてとなる個展が、5月19日(日)~7月7日(日)、練馬区立美術館で開催される。三島は、1960年代に印刷物などをコラージュした油彩画を制作し、70年代に入るとシルクスクリーンで印刷物を陶に転写して焼成する立体作品に取り組んできた。その後情報からゴミへと問題意識が移行すると、陶による空き缶をや段ボールを模した作品や産業廃棄物を高温で処理した溶融スラグを素材とした作品に取り組み、近年では、自ら集めた鉄くずや廃材を取り込んだ制作も行っている。

 本展は、70年にわたる三島の創作活動をたどるもので、初期の絵画から多様な陶による作品、環境に配慮した近作までの主要作品が並ぶ。本展のハイライトは、三島の代表作であり最大規模のインスタレーション作品《20世紀の記憶》。床に大量の耐火レンガ・ブロックをぎっしりと敷き詰め、その表面に20世紀の100年間から抜き出した新聞記事を転写した作品だ。
 長年美術展の作品の搬入を手がける運送会社も、三島の作品のあるART FACTORY 城南島から会場まで運ぶと聞いたときは、驚いたという。約1万個のレンガの梱包に5日間40名、輸送では4tトラック20台を見積もり、「パレット」と呼ばれるバース台を使用して展示会場まで運ぶことを想定した。
 近年国内外で三島作品は高い評価がされている。三島が社会の現実を見つめながら、情報とゴミをテーマに追い求めてきた作品の全貌がここに明らかにされる。
 展示される《20世紀の記憶》には、時代に向き合った三島自身の記憶も刻まれている。

《20世紀の記憶》(部分)1984-2013年 耐火レンガに印刷 個人蔵 写真撮影:小川重雄 写真提供:美術資料センター株式会社

《ヴィーナスの変貌Ⅴ》1967年 アクリル絵具、コラージュ、シルクスクリーン、合板 個人蔵

「三島喜美代 未来への記憶」は、会期:5月19日(日)~7 月7日(日) 会場:練馬区立美術館(練馬区貫井1-36-16)開館時間:10:00~18:00 休館日:月曜日
展覧会関連イベントとして、6月1日(土)には、講師 建畠哲(埼玉県立近代美術館館長、草間彌生美術館館長)による「三島喜美代─その人と作品を巡って」の講演会や、6月15日(土)段ボールアーティストの島津冬樹による美術講座「段ボールで財布を作ろう!」、その他に館長トークやギャラリートーク、ワークショップなどが予定されている。詳細はHP(https://www.neribun.or.jp/museum.html)にて随時公開される。

【関連記事】

おすすめの記事