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妊婦はまわりに迷惑なの? 私が日常で感じた悲しい“マタニティハラスメント”

たまひよONLINE

現在4歳の長女と生後8ヶ月の長男の子育てに奮闘中のママライター、“はやしなお”です。現在は子育て中心の生活をしながら、在宅で学生の勉強のお手伝いなどをしています。私は29歳で長女、33歳で長男を出産しました。マタニティライフでは、ときに悲しい“マタニティハラスメント”を経験しました。

インターネットの情報で、不安になった妊婦生活


初めての妊娠。マタニティライフを楽しみにする気持ちがある一方、私には不安もありました。いざ自分が妊婦の立場になってみると、これまでは気にしなかったインターネットの記事などがやたら気になるようになったからです。

そこに書かれていたのは、「妊婦は病人じゃない」、「妊婦だからといって席を譲ってもらって当たり前と思うな」、「妊婦は目障り」などなど。

このような不安をあおる記事を目にしてからは、“マタニティマーク”をつけることすら躊躇するようになりました。妊婦だとアピールすることで、「万が一おなかの赤ちゃんを危険な状況にさらすことになったらどうしよう…」、そう思うと不安は増すばかりでした。

むしろ気づかれることのないように息を潜めていた方がいいのではとさえ考えてしまいました。どちらがいいのか答えがでないまま、1人目のマタニティライフは続きました。

妊婦は迷惑? 2人目は“マタニティマーク”を外す


そんなある日、“マタニティマーク”を見やすい位置につけ、優先席の前に立ったことがありました。電車やバスで長時間立っているのがつらくなったのです。息切れがするなど体調が悪かったこともあり、内心気づいて欲しい気持ちはありました。でも妊婦がえらいとか、席を譲るべきだなんて思っているわけではありませんでした。

しかし、前に座っていた人は、マークをちらっと見ると直後に寝たふりをしたり、迷惑そうな顔をして顔をそむけたり…。そんな経験は何度もありました。

妊娠していることはいけないことなのか、まわりにそんなに迷惑をかけているのかと気持ちが沈んだのを覚えています。マークを見て嫌な顔をされるくらいならいっそのこと外そうかと随分と悩みました。

このような経験から、2人目を妊娠しているときは、“マタニティマーク”をつけることも、優先席の前に立つこともありませんでした。2人目ということで少し余裕があったこともあると思います。でもそれ以上に、“マタニティマーク”をつけていることがきっかけで、自分が不快な気持ちになりたくないという思いが強かったからだと思います。

自分で、「自分と赤ちゃんの身は守る」という意識


妊娠期間中はまわりに対しての警戒心が強くなりました。妊娠前はあまり周りを気にすることはありませんでしたが、妊娠中は無意識に赤ちゃんを守ろうという意識が強くなったように思います。すれ違う人を気にしたり、電車に乗る際にもホームでは1番前に立たないように心がけていました。

こうやって出産前から赤ちゃんを守ろうという気持ちになり、だんだんと母になる準備をしていくのだなと感じる経験でした。

インターネットで見たネガティブな記事や、自分が“マタニティマーク”をつけて感じた悲しい思いから、敏感になった部分もあるかもしれません。しかし、根本は、「赤ちゃんをおなかにいるときから守りたい」という母としての気持ちがあったから、自分はそう行動したように思います。

“マタニティマーク”をつけていても、そうでなくても、やはり最終的には、自分で自分と赤ちゃんの命は守るという姿勢が大切なように感じました。

妊娠期間中は精神的にもナーバスになりやすく、ちょっとしたことで悲しくなったり、怖いと感じたりすることが多かったように思います。でも、もちろんそんなネガティブな経験ばかりではありません。優しく声をかけていただいたり、心配してくださる方がいたり、嬉しいと感じる経験もたくさんありました。妊娠中は、やはりまわりの方の力を必要とする場面もあります。そんなときには、妊婦が安心して助けを求められるような空気や理解があると私は嬉しいなと心から思いました。

[はやしなお*プロフィール]
子ども好きで、幼いころの夢は保育士さん。教員免許も取得し、塾講師や家庭教師といった仕事も経験しました。今は在宅で仕事をしながら、子育て第一に子供たちとの時間を大切に過ごしています。子どもたちが大きくなってから一緒に行きたい場所、やりたいことを思い描くのが今の楽しみです。

※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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