オオクニヌシ(大国主神)の正体とは?因幡の白ウサギから始まる『地上の王』への逆転神話
「因幡の白ウサギ」の神話にででくるオオクニヌシ
オオクニヌシ
オオクニヌシは多くの名前をもつ神様としても知られています。代表的なものをあげると、大国主神(大いなる国の主の神)・大穴牟遅神(多くの功名をたてた神)・葦原色許男神(地上の勇者神)・八千矛神(多くの武力をもつ神)・宇都志国玉神(大地の神霊たる神)などがあります*。カッコのなかに示した意味からわかるように、これらの名前はオオクニヌシの偉大さを表す称号です。いかにオオクニヌシが崇敬されていたかがわかります。しかし、最初からそのように強い神ではありませんでした。
オオクニヌシの神話では「因幡の白ウサギ」の話が有名ですが、この時のオオクニヌシは稲葉(因幡)のヤガミヒメ(八上比売)に求婚しに行く八十神と呼ばれる兄たちの荷物もちをさせられていました。ところが、白ウサギを助けた知恵と優しさから、ヤガミヒメの結婚相手に選ばれました。逆恨みした八十神たちはオオクニヌシに迫害を加え、2度も死に至らしめます。母神の献身で復活は遂げましたが、さらなる迫害を恐れて根の国のスサノオのもとに逃げることにしました。
スサノオはいくつもの試練を与えますが、オオクニヌシはそれを乗り切り、スサノオの娘のスセリビメ(須勢理毘売命)と宝物をもって地上に戻ります。そして、八十神を討って地上の王になりました。その後、オオクニヌシはスクナビコナやオオモノヌシの力を借りて地上の開発に努めます。ところが、アマテラスが地上の統治は自分の子孫がすべきだと考え、国を譲るよう使者を送ってきたのです(以下、第36項参照)。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 神社の話』著: 渋谷申博