夏服をしまう前にクエン酸を入れて黄ばみ対策
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
10月に入って朝晩が少し冷え込むようになりました。街中でも長袖や羽織ものを身につけている方を見かけるようになり、ようやく秋の到来といっていいのではないでしょうか。そして、この時期になると、そろそろ始めなきゃならないのが「夏服の衣替え」です。夏の間お世話になったTシャツやサンダル、薄手のワンピースなどをしっかりお手入れして、また来年まで気持ちよく休ませてあげる。そう衣替えは単なる衣類の移動ではなく大切な洋服を長く愛用するための重要な手入れです。
そこで今回は“洗濯ハカセ”こと神崎健輔さんに夏服を「しまう前」にやっておいた方がいいことや「しまう際」のポイントなどを伺いました。
夏服を「しまう前」のポイント~Tシャツの正しい洗い方
Tシャツ含めてどんな衣類もそうですが、しまう前には一度でも着たら必ず洗ってからしまいましょう。特にTシャツは肌に触れているところが多いので、いつもよりしっかりめに洗って皮脂とかが残らない状態で洗いきっていただくのが重要です。例えば襟周り、脇周りなどに関しては、皮脂とか脂分が残ってしまっている方が多くて、汚れが落ちていないと次のシーズンに酸化して黄ばみの原因になります。動くと強く肌が擦っているような場所は洗剤を直接塗布して洗ってもらうなりして、しっかり洗いきってしまいましょう。できれば洗剤の成分も黄ばみの原因になってしまいますので、「すすぎ」のタイミングでクエン酸を入れて洗剤の成分を中和させましょう。
ポイント
襟回りや脇の下など、皮脂や油分が残りやすい部分には洗剤を直接塗布して洗う
洗い残しも黄ばみの原因になるため、しっかりすすぐ
すすぎの際にクエン酸を使用すると洗剤成分を中和でき、黄ばみ防止に効果的
夏によく被った「帽子」について
野球帽みたいなキャップに関しては基本的に洗えることが多いので、洗ってしまった方がいいです。ただ洗濯機だと強すぎて型崩れの原因になったりするので、基本的には手洗い推奨です。おでこが当たる部分に関しては、皮脂汚れなどが付いていることが多いので、これも直接洗剤を塗布してもらって、柔らかいスポンジや歯ブラシなどでゴシゴシと擦ってから、手洗いしていただくのがおすすめです。すすいだあとはタオルなどでしっかり水気を取ってもらい干してください。形を整えるタイミングですが、半乾きの状態で丸めたタオルなどを頭の部分に詰めると張ることができるので、その状態で乾燥しきっていただくと、しっかりとした綺麗な形を整えやすいくなります。麦わら帽子に関しては水気を嫌うものも多いので、洗うことはおすすめではないです。固く絞った布などを使ってしっかり拭き上げてもらうっていうのが最適。その後、陰干しして保管するという形が望ましいです。
キャップのお手入れ方法
1. 基本的に洗濯機は使わず手洗いが推奨
2. 特におでこが当たる部分は皮脂汚れがつきやすいので、洗剤を直接塗布して柔らかいスポンジや歯ブラシで優しくこする
3. すすいだ後はタオルでしっかり水気を取る
4. 半乾きの状態で丸めたタオルを帽子の頭部分に詰め、形を整えながら乾燥させる
麦わら帽子の場合
水気を嫌うものが多いため、洗うよりも固く絞った布で拭き上げるのが適切
その後陰干ししてから保管する
レザー製品のケア
レザーの製品についても基本的には固く絞った布で汚れを落とすか、レザー専用の汚れ落としを使う
その後、保湿クリームを塗って保管する。
日傘のお手入れ
夏の強い日差しから守ってくれた日傘も適切なケアを。
撥水加工されているものが多いため、基本的に洗わない
固く絞った布で拭き上げ、埃や汚れを落としてから保管する
サンダルもレザーでなければ指が接地しているところの皮脂汚れを落とすため、デリケート用の液体洗剤などで洗えば大丈夫とのことでした。
洗ったあとの「しまい方」
やっぱり湿気を嫌いますので、詰め込みすぎないようにするのがポイントです。湿気があると臭いを吸着してしまったりとか、カビなんかも入りやすくなります。湿気がない状態にするということを意識するっていうことと、通気性も確保できるようにした方がいいと思います。
プラスチックの衣装ケースで保存される方もいらっしゃると思いますが、できれば空気が回るように、底に「すのこ」を敷いて、かさ上げしてからやったり、近くに湿気取り用の材料を置いてもらうなどして、湿気を取り除いて、通気性を良くして保管してもらうのが理想です。衣類を詰め込むときも、「どのくらいの容量ですか」とよく聞かれますが、8割ぐらいでちょうどいいかなと思います。圧縮袋で保管している人も綿素材であればシワになっても後で戻せるので大丈夫です。ハンガーにかける場合は壁際にぴったりくっつけると湿気やすいので、少し壁から離してください。また直射日光が当たる場所は紫外線で退色する恐れがあるため、不織布のカバーをかけてください。
衣類のしまいい方
湿気があると臭いが吸着したり、カビが生えやすくなるので湿気対策と通気性が最重要
詰め込み過ぎない。衣装ケースは8割程度の量が理想
プラスチックの衣装ケースを使う場合は、底に角材を敷いてかさ上げするか、湿気取り用の材料を近くに置く
綿素材は圧縮袋での保管もOK
防虫剤の正しい使い方
ハンガーに下げるタイプも含めて共通して言えるのは「衣類の上に置く」ということ。防虫剤からガスが発生させ、虫の食欲をなくすっていうことを実現していますが、ガスは空気より重たいので下に沈んでしまいます。ですので衣装の下に置いてしまうと上の方が守られないということになりますので、基本的には防虫剤は上に置くことを意識してください。
衣装ケースに入れるとき平積みすると思いますが、Tシャツなどに関してはコンパクトにたたんでもらって、立てて保存してもらうと、立てた隙間にもガスは入り込んでいきますのでより効果的です。圧縮袋の場合はほとんどが外界と遮断しているような状態になるので、隙間なく圧縮できているのであれば、圧縮袋の中に防虫剤はいらないと思います。
防虫剤のポイント
防虫剤は必ず衣類の上に置く(ガスは空気より重いため下に沈む)
衣装ケースに立てて収納する場合は、コンパクトに畳んで立てることで隙間にもガスが行き渡る
圧縮袋の場合は、しっかり圧縮できていれば内部に防虫剤は不要
今年の夏の思い出が詰まった洋服たち。しまう前にひと手間かけて、また来シーズン気持ちよく袖を通しましょう。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)