「うちの子の国語嫌いが直った……」 中学受験に効く〔早稲田アカデミー〕が推す
中学受験国語のテーマ別攻略に役立つ「青い鳥文庫」の4作品を厳選紹介。戦争・歴史・説明文などの苦手意識を解消し、登場人物の価値観や文脈を理解する読解力の育て方を、「早稲田アカデミー」国語科講師・本多弘篤先生に解説していただきました。
画像▶2027年「中学入試」受験国語を最速予想! 「児童書5選」本多 弘篤(ほんだ・ひろあつ)
早稲田アカデミー中学受験部上席専門職・国語科統括責任者。NN志望校別コース「桜蔭クラス」「女子学院クラス」国語科責任者を歴任。早稲田アカデミー本社でカリキュラム・教材作成や講師研修を担い、国語科を牽引するトップ講師。
『キリンの運びかた、教えます 電車と病院も!?』(作:岩貞るみこ 絵:たら子)
『キリンの運びかた、教えます 電車と病院も!?』作:岩貞るみこ 絵:たら子(講談社)
【説明的文章テーマ①】「困難と解決策」の構造をつかむ
説明文や論説文に苦手意識がある場合は、興味を持ちやすいテーマから文章構造に慣れていく方法がおすすめです。
岩貞るみこさんの『キリンの運びかた、教えます電車と病院も!?』は、「キリン」「鉄道車両」「病院」といった、およそ「運ぶ」ということとは結び付かない大きなものを運ばなければならない状況に置かれた人々の奮闘が描かれた作品です。説明的文章に苦手意識のあるお子様でも楽しみながら読み通すことができるでしょう。
読む際には、特殊なプロジェクトに挑む人々の前に、どのような「困難」が立ちはだかり、それをどのような「工夫・解決策」によって乗り越えていったのかをおさえることを意識すると良いでしょう。
『ガリガリ君ができるまで』(作:岩貞るみこ/絵:黒須高嶺)
『ガリガリ君ができるまで』作:岩貞るみこ/絵:黒須高嶺(講談社)
【説明的文章テーマ②】「困難と解決策」の構造をつかむ
同じく岩貞るみこさんの『ガリガリ君ができるまで』は、国民的アイス「ガリガリ君」の開発から販売までの工程を、製造元の赤城乳業に入社した新入社員の視点から小説風に描いた作品です。
新たなフレーバーを生み出す商品開発部、材料を調達する購買部、商品の安全性を守る品質保証部、消費者の購買意欲をかき立てるパッケージを作るデザイナーなど、一つの商品が店頭に並ぶまでにかかわるさまざまな人々の「役割」と、それに応じた「こだわり・信念」をおさえながら読み進めると良いでしょう。
岩貞さんの『~ができるまで』シリーズには、他にも「お米」「未来のクルマ」「青い鳥文庫」ができるまでの行程が詳しく書かれた作品もあります。説明的文章に読み慣れていく入門書としてオススメです。
『渋沢栄一 日本資本主義の父』(作:小沢章友)
『渋沢栄一 日本資本主義の父』作:小沢章友/絵:十々夜(講談社)
【歴史・人物テーマ】時代の転換期をリアルに理解する
幕末から明治維新にかけて、武士の時代から近代化の時代へと日本が大きく転換していく時期は、社会の歴史分野としても「よくわからない」という受験生が少なくありません。
渋沢栄一を描いた小野章友さんの『渋沢栄一 日本資本主義の父』には、彼とかかわりのあった徳川慶喜、大隈重信といった歴史上の有名な人物たちが多数登場します。
彼らが残した功績や歴史上の有名な出来事の背景にある、「社会状況」と「各人物の価値観・信念」を知ることで、激動の時代をよりリアルにイメージできるようになるでしょう。
また、本作品が含まれる「青い鳥文庫・歴史人物ドラマシリーズ」では、2028年の大河ドラマとなることが発表されている「ジョン万次郎」を描いた『ジョン万次郎 民主主義を伝えた男』も出版されています。
今後、中学入試での出題が増えることが予想される注目人物ですから、彼を知る入り口として手に取ってみてはいかがでしょうか。
『ほんとうにあった戦争と平和の話』(監修:野上暁)
『ほんとうにあった戦争と平和の話』監修:野上暁(講談社)
【戦争・平和テーマ】難解な背景をイメージ化する
「戦争」は中学入試頻出テーマの一つですが、小学生のお子様にとってはイメージしづらいために苦手意識が生まれがちです。
野上暁さんの『ほんとうにあった戦争と平和の話』は、中学入試でも登場する「第二次世界大戦」での「原爆」、「ユダヤ人の大量虐殺」といった出来事だけでなく、世界各地で今もなお起きているさまざまな争いを扱っています。
こうした読書体験を通じて、戦争の背景にある「領土・資源の奪い合い」や「宗教・民族の違い」といった事情を理解することや、兵士・一般市民といった「立場の違いに応じた苦しみ」を知ることは、「戦争」にかかわる作品を読む際の大きな助けとなるでしょう。
なお、青い鳥文庫で「戦争」がかかわる作品といえば、黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』も外せません。徐々に戦争へと向かっていく時代の雰囲気をつかむためにも、一読しておきたいものです。
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中学受験の対策としてはもちろん、歴史や社会を知る読書として、まずは気になった1冊からぜひ手に取ってみてくださいね。
親子で読んで、感想を言い合うのも視点が変わっておもしろいかもしれません。
文/本多弘篤