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スバル 新型「レヴォーグ」サーキットでわかった! グレードごとの走りの違い

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スバル 新型「レヴォーグ」サーキットでわかった! グレードごとの走りの違い

2020年10月15日にいよいよ正式発表される、スバルの新型「レヴォーグ」。新型レヴォーグは、最先端の運転支援機能が搭載されていることや、さまざまなチューニングによってこれまでよりもスポーティーな走りが期待できることなどから、気になっている方も多いのではないだろうか。

前回の記事では、新型レヴォーグの低~中速度域での挙動や、「アイサイトX」など先進機能の詳細、スペックやグレード、価格などについて解説したが、今回はサーキットにおいて全開走行を試すことができたこと、さらに、進化したアイサイトの「衝突被害軽減ブレーキ」を体感することができたので、走りと安全性能を中心にレビューしよう。

・新型レヴォーグの価格やスペックなどの詳細記事についてはこちら

今回、試乗したサーキット場は、千葉県にある「袖ケ浦フォレストレースウェイ」。このサーキット場は比較的直線が少なく、大小さまざまなカーブで構成されているため、走行性能を試すにはちょうどいいだろう。なお、試乗したグレードは、最上級の「STI Sport」と中間グレードの「GT-H」の2車種だ。

まず、コースインしてホームストレートを過ぎると、ほぼ直角に右へ曲がる40Rのコーナーが現れる。運転の仕方を間違えれば、旋回軌跡が拡大してカーブの外側にふくらんでしまうが、新型レヴォーグはSTI Sport、GT-Hともに操舵した通りに確実に曲がってくれる。ここで、SUVやミニバンなどとは異なる、重心の低いワゴンならではのメリットがすぐに実感できた。

そして、ストレートで加速を始めると、新開発の1.8L BOXER 直噴ターボエンジンはNAエンジンの3Lに匹敵する駆動力を発揮する。かなりパワフルだった先代レヴォーグの2Lターボエンジンほどではないのだが、売れ筋の先代1.6Lターボエンジンで感じたような物足りなさは解消されていて、サーキット走行でもパワー不足は感じない。

だが、少し気になったのは、新型レヴォーグのターボの特性が、今日のクルマとしては比較的顕著に感じられたことだ。徐々に加速していくような場面では、ターボの特性からアクセルペダルの踏み込み以上に速度が高まることがたびたびあった。ターボエンジンを積極的に楽しみたいドライバーにとっては適しているのだが、たとえば欧州車のようなNAエンジンに近いフラットな特性のターボに慣れている場合には、少し違和感が生じるかもしれない。もし、購入検討されている方がおられたら、2020年11月下旬以降に販売店に配車されるであろう試乗車を運転した際に、アクセルペダルを軽く踏みつつ加速してみるといい。そして、坂道に差しかかったときにアクセルペダルを少し踏み増してみる。こういった運転をしたときに、エンジンが思った以上に過敏に反応しないかどうかを確認してほしい。

その後、60Rや55Rなどの深めのカーブでは、STI SportとGT-Hのコーナーリング特性の違いが体感できた。ステアリングホイールを内側へ少し深めに切り込みながら曲がると、STI Sportのほうが積極的に車両の向きが変わっていく。さらに、カーブを曲がっている最中に故意にアクセルペダルを戻すと、STI Sportはやや後輪の横滑りを誘発する。STI Sportはよく曲がって旋回速度が高まるので、アクセルペダルを戻した際の挙動変化が、GT-Hよりも明確に現れやすい。だが、そんな不安定な運転をしても後輪はしっかりと接地していて、不安を感じることがない。また、万が一ここで挙動が大きく乱れそうになっても、横滑り防止装置が作動してくれる。STI Sportは、安全を損ねない範囲内で、積極的に運転する楽しさを味わえるスポーティーなモデルだ。

対するGT-Hは、STI Sportよりも安定指向が強い。STI Sportのようにグイグイとは曲がらないのだが、その代わり、旋回中にアクセル開度を変えても、挙動が変化しにくいのだ。GT-HとSTI Sportでは、運転する楽しさや安定性の配分が少し異なる。GT-Hは安定性を重視していて、STI Sportではより運転の楽しさが味わえるセッティングが施されている。

このような使い分けができるのは、新型レヴォーグがプラットフォームやサスペンションの基本設計を入念に煮詰めたからだ。基本設計が甘いと、GT-Hではカーブを曲がりにくく感じたり、STI Sportでは逆に横滑りを誘発しやすくなってしまう。基本設計がしっかりしているからこそ、十分な安心感のうえでグレードごとの個性が表現できているのだ。

また、STI Sportには「ドライブモードセレクト」が搭載されている。走行モードを「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツプラス」の4段階に設定することができ、「ZF製電子制御式ショックアブソーバー」が走行モードによって減衰力を変更する。さらに、ドライブモードの選択によってパワーステアリングの操舵力、4WDシステムで前後輪に駆動力を配分する多板クラッチの締結力、エンジン制御なども変化する。なお、ドライブモードセレクトでは、走行状況に合わせた自動的な調節も行われる。したがって、あえてコンフォートモードでサーキットを走ってみたのが、やわらかすぎて不安を感じることはなかった。コンフォートモードでも、高い速度域でカーブに差しかかるような場面では、減衰力が硬めに設定されるからだ。

新型レヴォーグに装着されるタイヤは、STI Sport、GT-Hともにサイズを含めて共通だ。試乗車には、18インチ(225/45R18)のヨコハマ「ブルーアースGT」が装着されていた。ヨコハマタイヤの開発者によると「装着タイヤは、ブルーアースGTをベースにレヴォーグ専用に作り込んだ。先代レヴォーグのダンロップ「SPスポーツマックス050」に比べてグリップ性能では不利だ。だが、燃費や乗り心地を含めて、総合的な性能はすぐれている」と言う。タイヤの緻密な開発もあって、新型レヴォーグの走行性能、特に安定性や操舵感は良好だ。

STI SportとGT-HのWLTCモード燃費は、両グレードともに13.6km/L(JC08モード燃費は16.5km/L)だ。動力性能は3L並みだが、燃費は2LのSUVと同等の値に抑えられている。走行性能の割に、燃費がいい。

今回は、新型レヴォーグで新たに追加された「衝突被害軽減ブレーキ」機能も体験することもできた。まず、「前側方警戒アシスト」「前側方プリクラッシュブレーキ」は、出合い頭の衝突事故をふせぐ機能だ。フロント左右にミリ波レーダーが装着されており、前側方からの衝突する可能性がある接近車を検知すると、警報音を発する。それでも自車が止まらない場合には自動でブレーキを作動させることで、衝突回避をサポートしてくれる。

試乗会では、細い枝道から大通りに出るようなシチュエーションでの体験テストが行われた。左から車両が来るのはわかっているのだが、建物がじゃまをして接近してくる車両を目視することができない。そのままゆっくりと前進していくと警報音が鳴り、左から車両が突っ込んでくるのが見えるのと同時に自動ブレーキが働いて緊急停止した。建物などに遮られて、運転席から左右を見通せないシチュエーションは多くあるが、これなら出会い頭の事故を減らすことができるだろう。なお、ボディ先端に装着された「デジタルマルチビューモニター」のカメラでも、ある程度左右を確認することができるのも便利だ。

新型レヴォーグでは、ステレオカメラを使った衝突被害軽減ブレーキも進化している。右折時に接近してくる対向車や、右左折時に歩道を渡る歩行者、自車を横切る自転車などを検知して、自動ブレーキを作動させてくれる。試乗会では、右折時に歩道を渡っている歩行者に気づかず、自動ブレーキが作動するというシチュエーションで行われた。

右にハンドルを切りながら、歩行者を模した人形に突っ込んでいくと、警報音が鳴った直後にドカン!という衝撃とともに自動ブレーキが働いた。さらに、新型レヴォーグではボンネットに歩行者保護エアバッグも装着されているなど、歩行者に対する配慮は手厚い。

新型レヴォーグは、先代に比べて走行性能、安全性ともに大幅に高められている。とくに先代レヴォーグの1.6Lエンジンに非力さを感じていて、逆に2Lではパワフルすぎると購入を悩んでいたような方にとっては、新型レヴォーグの1.8Lエンジンはベストな選択肢になることだろう。

いまや数少ないステーションワゴンで、運転の楽しさや快適な居住性、荷室の使い勝手のよさ、先進の運転支援機能などを高い次元でバランスさせているクルマは少ない。いまはSUVがブームになっているが、ステーションワゴンの魅力に改めて気づかされた。ぜひ、みなさんも一度、新型レヴォーグに試乗してみてほしい。

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