スペインの至宝JUAN DE JUANが語る~鬼才SIROCOと共演する『舞台フラメンコ〜私の地アンダルシア』まもなく開幕 - Yahoo! JAPAN

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スペインの至宝JUAN DE JUANが語る~鬼才SIROCOと共演する『舞台フラメンコ〜私の地アンダルシア』まもなく開幕

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JUAN DE JUAN

現代フラメンコの最高峰のステージ、いや、その枠を超えた鮮烈な舞台がまもなく開幕する。2019年11月9日(土)、10日(日)東京国際フォーラム・ホールC、11月11日(月) 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されるSIROCO(シロコ)とJUAN DE JUAN(ファン・デ・ファン)による『舞台フラメンコ〜私の地アンダルシア』は要注目だ。SIROCOは2017年にスペインで行われた国際コンクールで日本人男性として初優勝を果たし、2018年7月、ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS製作著作/TBS系全国ネット)に登場した鬼才。JUAN DE JUANはフラメンコの貴公子と称される大物で、SIROCOの師であり盟友でもある。SPICEでは、公演を控えスペインから来日したJUAN DE JUANに緊急インタビューを行い、フラメンコへの思い、SIROCOとの絆、公演への意気込みを語ってもらった。

SIROCOとの劇的な出会い

JUAN DE JUANは1979年セビリア生まれ。16歳でアントニオ・カナーレス舞踊団に参加して数々の作品に出演し、2004年に自らの舞踊団を結成した。近年ではフラメンコと他の踊りや文化を溶け合わせた創作を行い、現代フラメンコの雄として先端を走る。

JUAN DE JUAN

最初に今回来日しての感想を聞くと、まず「日本の大ファンです!」とにこやかに応じる。「兄弟、家族みたい」と語るSIROCOと久々に日本で共演する喜びに満ちあふれていた。

彼は、SIROCOのことをスペインでの武者修行時代から知っているという。

「バルセロナのフェスティバルでSIROCOと知り合いました。彼は自分に『レッスンをしてほしい』と頼んできました。でも、現役で踊っていることもあって、それまで一度も個人レッスンをしたことがなかったので、その時は言葉を濁していました。ですが、セビリアに戻る時に空港で偶然彼に再会して家族みたいに感じ、純粋な気持ちが伝わってきたので、『習いに来たら?』と声をかけました」

1982年生まれのSIROCOとは年齢的にあまり変わらないが、師匠と弟子の関係になった。

「『生徒が現れ、教える立場になって自分が初めて先生になる』ということを感じました。毎回勉強になりました。SIROCOには学ぶ意欲があり、スポンジみたいにたくさんのことを吸収して自分のものにする力があります。それから踊り以外にもヴィジョンを持ち、企画力もあります」

シンプルなことが一番難しい

この度SIROCOと共に舞台を創り上げるにあたって二人は時間をかけて語らってきたという。

「フラメンコに対する純粋な気持ちであったり、愛情であったり、敬意であったりといったことを表したい。シンプルなことが一番難しいんです。彼は彼のことを表現するし、自分は自分のことを表現したい」

JUAN DE JUAN

若きレジェンドは何を聞いても気さくに答えてくれる。そこで、「あなたにとって、フラメンコはどんな存在ですか?」と直球で問うてみた。

「自分の中にある根本的な感情をメッセージとして伝えるために必要なものです。シンプルだけど凄く深く普遍的なのです」

そう答えたのに続いて「日本人とどうしてこんなに深く結びつくことができるんだろうかと自分でも不思議に思う」と話し、日本の文化を自分でも学んでいると語った。

「日本人はスペイン人よりもフラメンコに愛情があるかもしれません。遠く離れているのにスペインまで来ますし、日本にある教室の数はスペインやヨーロッパよりも多い。なぜ日本人にとってフラメンコが魅力的なのかを知るために勉強し、新しいこと知ることができましたので、日本には感謝しています。宮本武蔵の『五輪書』などたくさんの本を読み、日本についてのオマージュの本を書いています。日本人の精神論とフラメンコの精神は根本的に同じだと思います」

ふたりが結びつくために踊る

『舞台フラメンコ~私の地 アンダルシア』

『舞台フラメンコ~私の地 アンダルシア』は東京・大阪で計4回上演されるが、毎回、SIROCOと共に即興で踊る場面がある。

「沢山の時間をかけて準備してきました。どうやってコミュニケーションを計るかという問題になってくるので時間をかけて練習してきました。練習する時は何も考えず頭の中を空っぽに、知ったことを全て捨てて練習しています」

SIROCOも半年前から自身と対話し、共演に向けて備えてきた。ふたりが舞台で相まみえた時、何が起こるのだろうか。

「ポジティブな気持ちが全てをクリアにします。SIROCOはポジティブな気持ちを持っています。バトルではなく、ふたりが結びつくために助け合いながら踊るんです」

大好きな日本で、互いに敬愛するSIROCOや多彩なトップアーティストたちと創り出す大舞台を前にモチベーションは高い。「もう、ここにずっと居たいですね。動きたくない(笑)」と笑わせつつ「支えてくれている人に凄く感謝しています。SIROCOにも感謝を伝えたい。自分は何もしてあげられないけど彼の気持ちがありがたい」と優しい口調で話した。

JUAN DE JUAN

アントニオ・カナーレス舞踊団時代は若きスターとして脚光を浴び日本でも注目されたJUAN DE JUAN。当時を振り返り「忙しく、こなしていた感じもあった」と明かすが、今は作曲も手がけ多才ぶりを発揮する。SIROCOと共に熱く深いドラマを感じさせる舞台を創り上げるに違いない。

取材・文=高橋森彦 写真=オフィシャル提供

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