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コーヒー豆を好みの焙煎度でオーダーできる、三条市の「焙煎工房style」。

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コーヒー豆を好みの焙煎度でオーダーできる、三条市の「焙煎工房style」。

スペシャルティコーヒーを扱う、三条市の「焙煎工房style」。こちらのお店で特徴的なのが「オーダー焙煎」のサービスです。コーヒー豆の鮮度には特にこだわっていて、店内に並ぶ15種類以上の生豆から好みの豆と好みの焙煎度合いを選ぶと、店主の佐藤さんがその場で焙煎してくれるんだとか。お店をオープンするまでの経緯や、コーヒーへのこだわりについてお話を聞いてきました。

焙煎工房style

佐藤 篤 Atsushi Sato

1975年三条市生まれ。木造建築の仕事に20年間携わる。勤めていた会社を退職後、2022年に三条市で「焙煎工房style」をオープン。

木造建築の世界から、コーヒーの世界に飛び込む。

——こちらのお店をはじめる前、佐藤さんはどんなお仕事をされていたんですか?

佐藤さん:コーヒーとはまったく違う、木造住宅の仕事をしていました。20年くらいその業界にいましたね。

——そこからどうしてコーヒーの世界へ?

佐藤さん:もともとコーヒー好きで、缶コーヒーをよく飲んでいたんです。あるとき、豆から淹れてみようと思ったんですよ。「自分で淹れるってどうなんだろう」って、最初は味とかじゃなくて仕草とか雰囲気に興味を持って。

——豆から挽いて淹れたコーヒーの味はどうでしたか?

佐藤さん:正直に言うとよく分かりませんでした(笑)。でも「これが本来の味なのかな」と思って飲んでいたら徐々に美味しくなっちゃって。缶コーヒーとかよりも、自分で豆から淹れたコーヒーのほうが美味しく感じるようになりました。

——前職の木造建築の仕事と、コーヒーの仕事とで共通しているところってあるんでしょうか?

佐藤さん:コーヒーは農作物なので豊作で出来がいい年もあれば、悪天候が続いて不作になる年もあってっていう、読めない世界なんですよね。

——お米や野菜と一緒ですね。

佐藤さん:一方で木造建築は木を扱うので、木目とかねじれとか反りがひとつひとつ違っていて。そういう自然のものを扱うっていうところで共通点もあって、そこに惹かれたんです。

——思い通りにいかないところも含めて面白さを感じていたんですね。

佐藤さん:「この木目はこういう場所なら生きるんじゃないかな」とか、木の種類によって適した使い方があるんです。コーヒーも、「この豆はこの焙煎度がいいな」とか「ここまで焙煎したらこの豆のポテンシャルが死んでしまうな」とか。かと思えば「意外とありかな」とか。そういうところが好きですね。

野菜や果物と同じように、コーヒーも鮮度を意識してほしい。

——お店をはじめることはいつから決めていたんですか?

佐藤さん:オープンの4、5ヶ月前くらいです。そのときにはもう仕事を辞めていて、何でもできる状態になったときに、ありきたりなんですけれど「人生一回きりだな」と思って。

——新しいことをはじめるいいタイミングだったわけですね。

佐藤さん:僕、今48歳なんですよ。70歳まで働くとしたらまだ20年以上あって。だいたい10年やっていれば飛び抜けないにしても、どんな世界でもある程度まで行けると思うんですよ。ってなったときに、また建築をやるのも面白味がないなと。だから今までとは違うことをはじめてみようと思いました。

——どういうお店にしようとイメージされていたんでしょう?

佐藤さん:これはあくまで僕の考えですけど、コーヒー豆は鮮度がとても大切だと思っていて。野菜って採れたてだとシャキシャキで美味しいですけど、採れて1ヶ月経ったら鮮度が落ちてあまり美味しくないと思うんです。

——1ヶ月も経ったら傷んじゃいますよね。

佐藤さん:コーヒー豆も同じなんです。嫌な酸味・風味・フレーバーが出るようになってしまう。ただコーヒー豆は焙煎すると黒くなるので、飲んでみないと違いが分からないんですよ。焙煎したての、鮮度がいいコーヒーを飲む機会ってほとんどないので、飲んだとしても「こういう味なんだ」で終わる。そこでオーダー焙煎をやろうと考えました。

——「オーダー焙煎」というのは?

佐藤さん:お客様に豆と焙煎度をオーダーしていただいて、その場で焙煎をしてご提供するというものです。でもこれを実際にやろうとすると難しくて。焙煎機が1台しかないので、ご提供にお時間がかかってしまい、これはまずいぞと。

——提供が追いつかなくなってしまいますもんね。

佐藤さん:なので、豆の情報を書いているパネルにシールを貼っているものは、焙煎日より1週間以内の豆を200gでご用意しています。基本的に200gからのご提供ですが、お時間をいただければ100gから焙煎させていただいております。お電話でのご注文も承っています。

——いろんな色の豆が一列に並んでいますけど、「フルシティロースト」や「ミディアムロースト」というのは焙煎の種類ですか?

佐藤さん:そうです。他のお店だと「シティロースト」と「フルシティロースト」の2種類で焙煎して販売しているところが多いんですよ。焙煎の黄金ラインというか。でも同じ豆でも別な焙煎度のものが欲しいっていう人もいるじゃないですか。そうなったときにオーダーしていただいたら、その場で焙煎しています。

——特にこだわりがなくて、佐藤さんのおすすめを頼みたいっていう方はどういうふうに頼んだらいいんでしょうか?

佐藤さん:そういう方のために、おすすめの焙煎度を書いたパネルを置いています。「僕はこの焙煎がいちばんだと思うけど、自由がききますよ」っていう。決めるのは飲まれるお客様それぞれなので、飲みたいものを飲める環境がいちばんだと思っています。それで店名が「style」なんですよ。それぞれのスタイルで、淹れ方も含めて楽しんでもらいたいです。

スペシャルティコーヒーにこだわる理由。

——コーヒー豆のラインナップは常時何種類あるんでしょう?

佐藤さん:15種類ぐらいあって、すべてスペシャルティーコーヒーです。1580円~1780円の価格帯で置いていて、定番のものもあればちょっと面白いものもあって、定期的に入れ替えています。

——スペシャルティコーヒーにこだわっているのはどうしてなんですか?

佐藤さん:コーヒー豆って主に赤道付近の国で生産されていて、発展途上の国が多いんですよ。そういったところで作られた豆を先進国が買うんですけど、安い値段で叩いて買っていた時代があったそうなんです。そうなると張り合いがなくなってきて、コーヒー豆の質がどんどん落ちてしまいます。

——生産する側も、質より量になっちゃうわけですね。

佐藤さん:そこで、美味しい豆を作っている方にはそれなりの対価を払いましょう、そういった方の作る豆を広めていこうっていう。スペシャルティコーヒー協会のそういう考え方が好きなんです。あとは三条であまり知られていなかったことと、人それぞれの好みを見つけてもらえるのかなと思いました。

——佐藤さんがお店を続ける活力になっているのはどんなところですか?

佐藤さん:「ありがとう」って言ってもらえることですね。人間、誰しも必要とされたい生き物だと思うんです。「あなたのコーヒーで幸せな時間を過ごせました」「コーヒーで癒やされる」とか、そういう言葉を聞くと幸せを感じます。

——毎日楽しんで営業されているんですね。

佐藤さん:毎日いろいろなお客様と出会えることがすごく幸せです。建築をやっていたときも、プライベートのときも、出会いをとても大切にしています。あとは、好きなことをさせていただいているので、仕事をしているという感覚がなくて。日々、いろいろなことがあるんですけど、すべて楽しんでやっています。

焙煎工房style

三条市西大崎1-17-31

営業時間 月金13:00-18:30/土日祝11:00-18:00

火水木定休

P有り

TEL:080-1058-4121

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