肥満や生活習慣病の予防に! 「快眠」のための就寝前の過ごし方【東洋医学のプロが伝授】
「毎日忙しく、自分のことには構っていられない」「病院に行くほどではないが、このまま大きな病気になったら怖い」...。そんな風に考えて、疲れや不調をずるずると引きずっている方は多いのではないでしょうか? 鍼灸師で国際中医専門員の田中友也さんによる書籍『不調ごとのセルフケア大全 おうち養生 きほんの100』(KADOKAWA)は、自分の体と心をいたわるためのヒントを教えてくれる本。おうち時間に簡単に取り入れられる、さまざまな不調に対応したセルフケア術が満載です。健やかな心と体のため、今日からできることを取り入れていきましょう。
※本記事は田中友也(著)、くぼあやこ(イラスト)の書籍『不調ごとのセルフケア大全 おうち養生 きほんの100』から一部抜粋・編集しました。
「睡眠の効能」
「若返りホルモン」とも呼ばれる「成長ホルモン」が最も分泌されるのが、睡眠中です。
睡眠によって分泌される成長ホルモンは、新陳代謝を促し、自然治癒力を高めてくれるもので、次のような効果があるとされています。
1 1日の活動で傷ついた体や頭の疲れをとる
2 内臓の機能を回復させる
3 皮膚や粘膜の修復を促す
4 免疫力を高める
5 ストレスやうつ症状の緩和
その他に、運動のパフォーマンスを上げ、肥満予防にも効果があり、生活習慣病の予防にもなるんだとか。
睡眠は、心身の健康を維持するための重要な要素の1つ。
実際、睡眠時間が減ると、成長ホルモンも十分に分泌されなくなり、免疫力、回復力は下がり、粘膜の修復もままならないことに。
少しでも健康に日々を過ごしたい人は、今日から5分でも早く寝ましょう!
不眠に加えて、睡眠時間が長くても、眠りが浅いときは疲れがとれません。
睡眠がうまくいかない状態が続くと、精神的にも辛く、いろんな不調を起こすきっかけにもなります。
忙しい人ほど「質の良い睡眠」を意識しましょう。
「快眠」にいい就寝前の過ごし方
適温で早めの入浴
体の筋肉をほぐし、適度に温めて眠りやすい状態にするために、入浴を就寝の1~2時間前までにすませよう。好きな香りのアロマなどを使うと、よりリラックス効果が上がる。
スマホやテレビから離れよう
夜のスマホやパソコン、テレビなどのブルーライトは、眠気を催すホルモンを抑制するので、睡眠の質を下げ、不眠の大きな要因にも。
なるべく就寝1時間前には電子機器の使用はやめよう。
NG
ベッド近くにスマホを持ち込まない。
近くにあると、ついSNSなどで睡眠時間を削ってしまいがちなので、控えよう。
就寝前にリラックスタイム
心地いい睡眠を誘うには、就寝前に神経をリラックスさせよう。
音楽を聴いたり、呼吸法や、眠りにいいツボマッサージなどで、自分を癒やす時間を持とう。
NG
寝る直前に犯罪シーンなどの悲惨なドラマやニュースを目に入れない。
寝入りばなに「今日の良いこと3つ」
お布団で目をつむって、「今日あった良かったこと、頑張ったこと」を3つ挙げてみよう。
「お茶がおいしかった」「夕焼けがきれいだった」など、良いことを探そう。それだけでストレスは減り、睡眠の質も良くなる。
NG
寝る前の「今日ダメだった」ことを思い返す反省会はやめよう。
熟睡時間を大事にして
夜は「静生陰」といって体を修復したり、ストレスから体を守ったり、体の潤いを補う時間。熟睡時間を作ろう。
注意事項
・不調の症状については、必ずその症状があらわれるとするものではありません。あくまで可能性の1つとしての症状と養生のヒントになります。
・養生の効果には個人差があります。すべての方に効果があるとは限りません。
・妊娠中の方、特定の疾患や何らかの治療を受けている方は、養生を行う前に医師や専門の医療機関へご相談ください。また、養生が体に合わない場合、心身に異常や不快を感じた場合は、ただちに中断してください。
・本書の情報は2020年8月時点のものです。それ以降に、新しい見地が発表される場合もあります。