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Li-sa-X×猪居亜美 新たなスタイルのライブイベント『No Guitar, No Life』共演を前に対談実現、プロの奏者だからこそ知るギターの魅力とは?

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リビングルーム・ライブ No Guitar, No Life.

9月18日(土)にeplus LIVING ROOM CAFE & DININGで開催される『リビングルーム・ライブ「 No Guitar No Life 」』は、世界的なスーパーギタリストのマーティ・フリードマン、超絶テクで注目を集める若き天才Li-sa-X、数々のコンクールでの受賞を重ねている人気クラシックギタリストの猪居亜美が出演する。
鮎貝健の司会進行によってギターの魅力が様々な形で浮き彫りにされるこのライブは、ネット配信にもぜひ注目していただきたい。日本コロムビアの敏腕エンジニアが担当するサウンド、カナダ出身の映画監督タナイ・ゲンジョ・ウルゲン(TANAY GENCO ULGEN)が手掛ける映像の融合は、会場で演奏を鑑賞するのとはまた別の形の感動を届けてくれるはずだ。通常のライブ配信とは一味異なる物語性と臨場感に溢れた映像作品を自宅で寛ぎながら鑑賞するのは、とても贅沢なひと時となるに違いない。
新しいスタイルによるこのライブへの期待、共演によって得られている刺激、プロの奏者だからこそ知っているギターの魅力について、Li-sa-Xと猪居亜美に語り合ってもらった。

――リハーサルの感触はいかがですか?

猪居:私はLi-sa-Xさんとマーティ・フリードマンさんと、最初のリハーサルで初めてお会いしたんです。Li-sa-Xさんはお若いですけど、ギターを弾くとぱっ!と表情が変わるんですよね。素晴らしいプレイで、演奏は大人だなと感じました。

――エレキギターのプレイヤーとの共演の機会は、今までにあったんですか?

猪居:お仕事で共演するのは今回が初めてです。昔、バンド仲間とプレイしたことはあったんですけど、こういうのは初めてなので緊張と楽しさの両方がありますね。

――Li-sa-Xさんはリハーサルをしてみて、いかがでした?

Li-sa-X:私はマーティさんに一度お会いしたことがあったんですけど、猪居さんにお会いするのは初めてだったんです。私が普段弾いているのとは全然違うジャンルのギターを聴かせていただいて、すごく刺激になりました。クラシックギターにも興味があるので、とても素敵な体験になっています。

猪居亜美

――お互いにじっくりお話をするのはこの取材が初めてだと思うので、改めて自己紹介をしていただけますか?

猪居:はい。では、私から。クラシックギターは4歳から弾いていて、2015年にデビューしました。クラシックギタリストとしてずっと活動をしているんですけど、高校時代は軽音楽部でエレキギターをちょっと弾いていて、今もロックバンドの音楽をよく聴くんです。だから、そういう分野の方々と交流したいなと思っていたんですよね。ちょっとずつジャンルの壁を越えて活動していきたいなと思っている最近です。

Li-sa-X:私は5歳の時にお父さんの影響でギターを始めて、ずっとエレキギターをやっています。お父さんが弾いているのがとても楽しそうに見えて、“私もやってみたいな”と思って、アンパンマンのおもちゃのギターを買ってもらったのが最初です。そのうち、お父さんからエレキギターを貸してもらうようになって、少しずつ本格的にやり始めました。

猪居:私は始めた瞬間の記憶がないんですよ。父がクラシックギタリストで、6歳上の兄は私がギターを始めた頃にはジュニアのコンクールとかで賞をいろいろ獲っていたので、おそらくそういう影響を受けながら始めたんだと思います。

Li-sa-X:私は途中からポール・ギルバートさんのオンラインレッスンを受けさせていただくようになったんですけど、基本的にはずっとお父さんに教えてもらっています。7歳の頃から練習した曲をYouTubeにアップするようになりました。

――YouTubeに投稿するようになったきっかけは?

Li-sa-X:弟が私より先にYouTubeに歌って踊る動画を上げていて、それが楽しそうだったので、私もギターを弾いている動画を上げたくなったんです。それでお母さんに相談して、なんとなく上げ始めたら、びっくりするくらいいろんな方々が観てくださるようになって、どんどん楽しくなっていきました。8歳の時にレーサーX(RACER X)の楽曲「Scarified」のカバーを上げたらポールさん本人からビデオメッセージが届いてびっくりしました。

猪居:今はYouTubeがきっかけで活躍するようになる方々がたくさん現れてきていますよね。YouTubeは私が10代の後半くらいに広まって、私も動画を上げるようになりました。演奏会に来ていただくまでには何段階かハードルがありますけど、YouTubeは世界中のみなさんに気軽に観ていただけるので、チャンスの幅がここ数年で一気に広がったのを感じています。

――クラシックの演奏家の間でも、YouTubeに動画を上げる人が増えてきていますよね?

猪居:そうですね。でも、クラシックギターという枠だと、日本ではまだあんまりいないんです。私も“あいつユーチューバーやってるよ”って言われる感じがあって(笑)。でも、今は演奏会がなかなか開けない状況下なので、やる人が出てきていますね。

Li-sa-X

――Li-sa-Xさんが物心ついた時には、YouTubeは身近な存在になっていましたよね?

Li-sa-X:はい。中学校に上がって携帯を持つようになった頃には周りのお友達もインスタとかを使って自分の情報を発信するようになっていました。

猪居:私はYouTubeを観ながら、“この方の登録者はなぜ伸びているのか?”とか、自分なりに分析することがあります。自分のYouTubeをクラシックギターに触れてこなかったみなさんにぜひ観ていただきたいので、他のみなさんの動画を観るのは参考になりますね。

――Li-sa-Xさんは、動画をたくさんの方々に観ていただくために何か工夫しています?

Li-sa-X:YouTubeだけじゃなくて、Facebook、Twitter、Instagramとか、いろいろなところで発信していくのを心がけています。

――SNSは演奏が上手い同世代の人たちを知るきっかけにもなっているんじゃないですか?

Li-sa-X:そうですね。ちょっと前も世界中の5人くらいの同世代のギタリストで1つの曲をカバーする動画を撮りました。そういうのは刺激になるし、勉強になります。

――猪居さんは、エレキギターを演奏する動画もYouTubeに上げていますよね。先ほどのお話によると、ロックも聴くそうですが。

猪居:はい。音楽はジャンルは関係なくいろいろ聴くんですけど、10年以上ずっと好きなバンドはMUCCで、ライブによく行っています。X JAPANも中学の時に初めて聴いて、すごく好きになりました。

――Li-sa-Xさんはポール・ギルバートさんが師匠でミスター・ビッグ(MR. BIG)やレーサーXはもちろんお好きだと思うんですけど、他にはどういう音楽を聴くんですか?

Li-sa-X:ギタリストですと、ガスリー・ゴーヴァン(Guthrie Govan)さんです。バンドはペリフェリー(Periphery)、ダーティ・ループス(Dirty Loops)とか。洋楽を聴くことが多いですね。ギタリストがいないダーティ・ループスのような編成でも魅力的なバンドがたくさんあるので、いろいろ幅広く聴いています。

猪居亜美

――猪居さんは高校時代の軽音楽部で、どのような曲を弾いていたんですか?

猪居:スタートはBUMP OF CHICKENのコピーバンドです。エレキギターを買って最初にコピーしたのは「天体観測」だったと思います。

――Li-sa-Xさんはギターを始めた頃、どのような曲を練習していました?

Li-sa-X:ミスター・ビッグの「Green-Tinted Sixties Mind」が最初だった気がします。ポール先生の演奏がかっこよ過ぎて、難易度のこととか全然わからないまま、“これやりたい!”ってお父さんに言って教えてもらった感じだったと思います。

――ポール先生はドリル奏法(電動ドリルを使ってギターを弾く奏法)も有名ですが、あれを見た時はどんな印象でした?

Li-sa-X:ライブ映像で観て、すごく面白いなと思っていました。私はさすがにドリルは持っていないんですけど(笑)。でも、インスタで上げた動画で超速くフルピッキングして、ドリル奏法を真似したことがあります。

――Li-sa-Xさんが感じている“エレキギターの魅力はここです!”というのは、どんなところでしょう?

Li-sa-X:ピアノではなかなか出しにくいベンディング(ギターの弦を指で押し上げて音程を上げる奏法。チョーキングとも呼ばれている)のニュアンスを表現できたり、演奏する人それぞれのフィーリングがあったり、幅広い音が出せるところが魅力なのかなと思います。

――猪居さんは、クラシックギターの魅力をどのように捉えていますか?

猪居:クラシックギターは、手軽に弾きやすい楽器なんです。1本のギターで伴奏もメロディも全部弾けるので、大変さももちろんあるんですけど、ひとりで楽しめるんです。そして、複数の人と合わせても、音の作り方や鳴り方が変わってくるんですよね。いろんな顔を持っている楽器なのかなと感じています。ピアノやヴァイオリンとか、他の楽器と合わせても面白いので、いろんな可能性があるんです。

――電気を使わないで生音を鳴らすギターに関しては、フォークギターの方が身近な人が多いと思うんですけど、クラシックギターは別の楽器ですよね?

猪居:はい。やはり一番の違いは弦ですね。フォークギターはスチール弦ですけどクラシックギターはナイロン弦です。あと、クラシックギターはピックではなくて指で弾きます。ピックで弾くとボディに傷がついてしまうような繊細な楽器なので、我々は右手の小指以外の爪を伸ばして弾くんです。そして、クラシックギターという名称なので、クラシックの曲を弾くことが多いですね。でも、私はポップスを弾くこともありますし、幅広く対応できる楽器なのかなと思います。

――クラシックギターの奏者にとって、爪の手入れも非常に重要ですよね?

猪居:そうなんです。クラシックギターはエフェクターとかを使わないですし、楽器自体で音を出すので、やはり音色を作るのは自分の右手の爪なんですよね。人によって爪の厚さ、手の大きさとかは違うので、奏者によって出る音色が変わるんです。だから自分が出したい音に近づけるために、爪の形や当て方をいろいろ研究し続けています。それはクラシックギターの演奏家にとって永遠のテーマですね。

Li-sa-X

――Li-sa-Xさんは、クラシックギターを弾いたことはありますか?

Li-sa-X:弾いたことがないんです。一応スチール弦のアコースティックギターは持っているんですけど。クラシックギターは未知の世界過ぎて、猪居さんに何をお聞きしたらいいのかもわからないくらいです。

猪居:あれだけの演奏技術があるLi-sa-Xさんですから、クラシックギターを手にしたら、きっと弾けると思いますよ。あとは持つだけです(笑)。

Li-sa-X:はい(笑)。

猪居:エレキギターと比べるとクラシックギターはネックが太いので、握り方とフォームが少し変わりますけど。

Li-sa-X:エレキギターは基本的にピックで弾いているので、そこも少し違いますよね。今までやってきた道とは別のところからの刺激は大事だと思うので、クラシックギターも練習してみたいです。この前のリハーサルで猪居さんが指で弾いているのを見させていただいたのは、刺激になりました。

猪居:私にとってはピックで弾く方が難しく感じるんですよ。指は小指以外の4本を使えますから。私もLi-sa-Xさんがリハーサルで弾いているのを見て、すごいと思いました。正確で、1音1音が綺麗で丁寧。でも、勢いがあると感じました。どうやってピックで弦を捕まえているんだろう? って見ちゃいましたね。マーティ・フリードマンさんの右手のフォームが独特だったのも印象に残っています。ピッキングの角度とかがLi-sa-Xさんとはまた違っていたので。クラシックギターも人によっての違いはあるんですけど、大体の方向性は似ているんです。でも、Li-sa-Xさんとマーティ・フリードマンさんは大きく違っていたので、とても興味深かったですね。

――エレキギターとクラシックギターとでは、奏法も異なる部分がありますよね。例えばチョーキングは、クラシックではしないですし。

猪居:新しい曲であれば、そういう技術を取り入れているものもあるかもしれないですけど、基本的にはあまりしないですね。クラシックギターはチョーキングをしても、エレキギターのようには音が変わらないんです。

――チョーキングやアーミングによって出すニュアンスは、エレキギターの演奏にとって大きい要素ですよね?

Li-sa-X:そうですね。特に静かな曲はニュアンスが大切なので、ベンディング(チョーキング)の揺らし方、速さ、大きさにこだわっています。演奏する際にとても大切なプラスアルファの要素です。そういう自分なりのこだわりも、ギタリストそれぞれの個性が表れるところなのかなと思います。

――『リビングルーム・ライブ「 No Guitar No Life 」』は、クラシックギターとエレキギターそれぞれの魅力、奏者それぞれの個性をお客さんにじっくり感じていただける機会にもなるでしょうね。

Li-sa-X:はい。3人のギタリストがいて、3人それぞれ個性があるので、様々なギターを楽しんでいただけると思います。

――猪居さんは、リハーサルでマーティさんとお会いになった際に、どのようなことをお話しました?

猪居:私のYouTubeを観てくださっているとおっしゃっていました。マーティさんはクラシックにも詳しい方なので、曲のお話もしましたね。今回のライブで一緒に(アストル・)ピアソラの曲を演奏させていただくんですけど、とてもお好きなんだそうです。間の取り方とか、クラシックの演奏家とは全く異なるニュアンスがあって、とても面白かったですね。ライブで演奏するのが楽しみです。

――この日のライブならではのコラボレーションがあるんですね?

猪居:はい。それぞれのソロのライブの後に、マーティさんとLi-sa-Xさんのコラボ、マーティさんと私のコラボ、3人のコラボがあります。

――猪居さんのソロのステージに関しては、どのような内容を予定していますか?

猪居:クラシックをあまり聴いたことがない方々が多いと思ったので、エレキギターがお好きなみなさんにも楽しんでいただけることを考えてプログラミングをしています。

――Li-sa-Xさんは、どのようなライブを予定しているんですか?

Li-sa-X:普段のライブに近い感じで、オリジナル曲とカバー曲を演奏する予定です。マーティさんとのコラボではエレキ同士のそれぞれの違いが出たら面白いと思っています。3人でのコラボも楽しみですね。全員の個性が合わさるので、この日ならではのものになりそうです。それぞれのソロプレイもあるので、自分のプレイスタイルを表現したいです。

猪居亜美

――ネットで配信される映像をカナダ出身の映画監督のタナイ・ゲンジョ・ウルゲンさん、サウンドを日本コロムビアの敏腕エンジニアさんが担当する旨も告知されていますね。通常のライブ配信の映像とは違って、物語性のある映画のような作品になるとお聞きしています。演奏している真横にカメラを置いて撮ったりもするそうですよ。

Li-sa-X:どんな感じで撮っていただけるのか楽しみにしています。少し緊張するんですけど(笑)。

猪居:演奏しているすぐ近くからカメラで撮っていただくという機会はなかなかないので私も緊張します(笑)。映像としてどのようなものになるのか楽しみですね。貴重な経験になるんじゃないかなと思っています。

――ライブとしても、映像作品としても、素晴らしいものになりそうですね。

猪居:はい。それぞれ異なる分野で活動しているギタリストが集まって、ギタリストだけで演奏するというのも、とても面白いことですからね。今後、こういうイベントが増えていったらいいなと思っています。

Li-sa-X:今回のライブをきっかけとしてギター自体にも、いろんなみなさんに興味を持っていただけたら嬉しいです。高校生になってからギターに興味を持つ人が私の周りでも増えてきています。軽音部のお友だちに“こういうギター、家にある?”とか、“こういうのはどうやって弾いているの?”とか聞いてもらえるのが楽しいんです。

――猪居さんは軽音部の頃は、どんなエレキギターを弾いていたんですか?

猪居:フェルナンデスのモッキンバードです。X JAPANのHIDEさんの影響です。お小遣いを貯めて頑張って買いました(笑)。今でも持っていて、YouTubeで弾くことがあります。

Li-sa-X:モッキンバードは、私のお友だちも持っています。

猪居:今回のライブでは別のエレキギターを使うんですけど。最後の3人でのコラボレーションで弾くんですよ。

――エレキギターに関して知りたいことは、何かあります?

猪居:やはり一番気になるのは右手のフォームですね。こういうのは出したい音によってみなさんそれぞれが研究して、自分のスタイルを作っていくんですか?

Li-sa-X:マーティさんは独特で、あまり他では見たことがないフォームですね。私の場合はピックの素材、硬さ、厚さとかを曲によって変えるようにしています。その時の自分のレベルに合わせて変わる部分もありますね。その時によって自分に合うピックが変わってくるので、それによって弾く時の力の強さとかも変わってくるのかなと思います。

猪居:ピックの使い分けによっても音色はかなり変わりますか?

Li-sa-X:はい。全然変わりますね。私は今、すごく柔らかいピックを使っているんですけど、1年くらい前まではすごく硬いのを使っていたんです。弾き心地も、アンプに繋いだ時に出る音も全然変わりました。そういうのがとても面白いです。

Li-sa-X

――Li-sa-Xさんから猪居さんにお聞きになりたいことは、何かありますか?

Li-sa-X:私も猪居さんと同じになっちゃうんですけど、やっぱり右手ですね。ベースでも指弾きする人がいるので、気になって私もエレキギターを指で弾いてみたことがあるんですけど、全然上手くいかなかったんです。どうしたらいいんでしょうか?

猪居:日常生活で右手の指の1つ1つを動かすことを意識する機会は、なかなかないですよね。だから、指の動きを意識することに慣れていくのが、練習の最初の段階なのかなと思います。

Li-sa-X:ありがとうございます。動きを意識してみます。

猪居:右手はやはりお互いに気になっていたみたいですね(笑)。ライブがますます楽しみになってきました。みなさんの演奏を聴くのも、自分が演奏するのも、それが映像でどのように表現されるのかも本当に楽しみです。マーティさん、Li-sa-Xさんとは、また何かさせていただきたいですね。

Li-sa-X:ぜひ! 私は猪居さんがクラシックギターを弾いていらっしゃるのを見て、すごい綺麗だなあと思っているんです。いろいろ教えてください。

猪居:私はLi-sa-Xさんのギターやエフェクターにも興味があるんです。次にお会いした際にぜひ見せてくださいね。

Li-sa-X:はい! 本番のライブもよろしくお願いします。

取材・文=田中大


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