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田島貴男とbetcover!!のスペシャルライブなど、『フジロック』の縮図のようなプレイベント『FUJI ROCK NIGHTS』レポート

SPICE

田島貴男(Original Love ) Ⓒ Taio Konishi

『FUJI ROCK FESTIVAL'24』(以下、フジロック)のキックオフイベント『Smash Go Round FUJI ROCK NIGHTS』が、4月24日に東京・SHIBUYA CLUB QUATTROで開催された。

撮影=大橋祐希

撮影=大橋祐希

2024年に行われる『フジロック』のプレイベント第一弾として開かれた本公演。当日はあいにくの雨となったが、この日の会場は屋内なので心配は無用。田島貴男(Original Love)、betcover!!によるスペシャルライブを筆頭に、Michael(Tangle)によるDJや、『フジロック』を刺激的に感じさせるトピックスが2フロアにわたって繰り広げられ、終始賑わいを見せていた。

撮影=大橋祐希

撮影=大橋祐希

撮影=大橋祐希

撮影=大橋祐希

まず来場者を出迎えたのは、『フジロック』が誇る貴重な展示物。場内の壁にはレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)、フー・ファイターズ(Foo Fighters)、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)、エミネム(Eminem)、オアシス(Oasis)、シーア(Sia)、忌野清志郎などの錚々たる出演アーティストの名シーンが収められた写真パネルがずらりと飾られていた。さらに開催初年1997年から2023年までの歴代パンフレット(原本)や、国内のみならず海外の新聞や雑誌による『フジロック』関連記事が大量にスクラップされたブックファイルが置かれていて、自由に手に取って見ることができた。そして場内の至るところ(果てはトイレの中までも!)に出現していた『フジロック』のマスコット的キャラクター「ゴンちゃん」もまた、都内のど真ん中にあるライブハウスに居ながらにして苗場感を呼び覚ますというキックオフイベントの主旨に大きく貢献していた。

撮影=大橋祐希

撮影=大橋祐希

特別販売されていたのは『フジロック』が開催される苗場のスペシャルフード、『フジロック』の代表的なフェスごはんである「とろろ飯」。『フジロック』会場ではフードやドリンクを楽しむエリア「オアシス」にある苗場食堂で購入することができるのだが、数百もの店が軒を連ね、国内外のフードを幅広く楽しめる『フジロック』において、とろろ飯以外にも豊富なメニューをリーズナブルな価格で提供する苗場食堂は大人気店だ。このイベントのために、苗場食堂を運営している地元の方々が苗場から出張されての提供という徹底ぶりは、『フジロック』と開催地との関わりの深さ故だろうか。

撮影=大橋祐希

撮影=大橋祐希

撮影=大橋祐希

『フジロック』会場内にある「ボードウォーク」用の板に寄せ書きができるコーナーもあった。ボードウォークとは木の板張りで作られた遊歩道(木道)のことで、日本では尾瀬が有名だが『フジロック』場内にも約2kmにわたって存在する。『フジロック』ではステージ間をつなぐ動脈として、歩行者、車いすでの通行も可能としているが、一方では人々が湿原に踏み入れないようにすることで、現地に生息する植物などの自然を保護する役割も担っている。そんな『フジロック』のボードウォークは地元の方々とボランティアによって長年かけて作られ、毎年修繕を重ね守られてきた。この日、来場者が色とりどりのペンを手に『フジロック』への思いやイラストなどを描いた板は、次回5月18日に開催されるボードウォークキャンプで取り付けられるとのこと。

撮影=大橋祐希

『フジロック』会場内のボードウォーク 撮影=SPICE編集部

ボードウォークキャンプに筆者も参加したことがあるが、無償で提供されるお昼のカレーライスがとても美味しかったことや、ホワイトステージが設営される場所でのキャンプを体験できること、何よりも『フジロック』を好きな人たちと共にその空間作りのお手伝いができるという、普段ならできないこと尽くしの魅力的な時間を過ごすことができた。現在参加者を募集中とのことなので、興味のある人はオフィシャルサイトでより詳しい情報をチェックしてほしい。

ボードウォーク・ボランティアキャンプ 写真提供=SMASH

撮影=大橋祐希

そのほかオフィシャルグッズの先行販売やオフィシャルツアー受付、能登半島地震の被災地支援のための募金活動が行われていた。また、場内の一角に飾られていたThe Birthdayのパネルと、この日の来場者によってボードウォークに書き込まれたチバユウスケへのメッセージの多さから、『フジロック』とチバユウスケのつながりが見えたことも印象に残った。

撮影=大橋祐希

betcover!! Ⓒ Taio Konishi

19時からはこの日のメインイベント、2組のアーティストによるスペシャルライブがスタートした。最初にステージに立ったのは、柳瀬二郎率いるbetcover!!。前情報なしで臨んだのだが“新たな音楽に出逢えた”というのが率直な感想だ。Saxとピアノが織りなす艶のあるジャジーな音色を響かせたかと思えば、激しく脈打つバキバキのロックを奏でたり、しっとりと聴かせてみたりと、緊張感をみなぎらせたまま様々な音色を創出し、七変化していくバンドから目が離せなかった。そんなbetcover!!とその音世界の中で酔いしれて完全没入するオーディエンスとが生み出すものに、どことなく苗場のヘヴンに流れる空気に近いものを感じたりもしていた。7月28日(日)に『フジロック』に初出演する彼らが立つのはどのステージになるのか、ステージ割り発表が楽しみだ。

田島貴男(Original Love ) Ⓒ Taio Konishi

続いて登場したのは、田島貴男。2022年にはOriginal Loveとして『フジロック』のメインステージであるグリーンステージに出演、2019年にはレッドマーキーを超満員にしたのも記憶に新しいが、バンド、ソロ、セッション、コラボなどスタイルを問わず様々なステージに立ち続けている百戦錬磨の彼にとって、一気に田島ワールドへと誘うのはお手のもの。のっけから、そこが『フジロック』であろうがクアトロだろうが、ギター1本あれば戦える男、それが田島貴男だといわんばかりのステージで圧倒した。58歳の誕生日を迎え、観客から祝福を受けたこの日も革ジャンを脱ぎ捨て、全身全霊をかけたパフォーマンスでオーディエンスを魅了。毎回過去一番のライブを見せることができるアーティストは少ないと思うのだが、今回もまた期待を裏切られることはなかった。「God bless you Fuji Rock! フジロックで会いましょう!」と告げてステージを去った田島は、今夏の『フジロック』では河合代介(Organ)、大槻英宣(Drum)と共に、Original Love Jazz Trioとして7月26日(金)に出演する。

田島貴男(Original Love ) Ⓒ Taio Konishi

新しい音楽との出逢いと、お馴染みの音楽が過去一になる瞬間を味わう喜びを同時に得ることができた『FUJI ROCK NIGHTS』は、『フジロック』の縮図のようなイベントだった。はたして、7月26日から3日間にわたって開催される『フジロック』では、どんな音楽との出逢いが待っているのだろう?
さらに今年は、『フジロック』が新潟県湯沢町苗場スキー場で開催されるようになってから25回目を迎える。そんな記念すべき『フジロック』に向けて期待が膨らんだ、充実のキックオフイベントは大盛況で幕を閉じた。

取材・文=早乙女 ‘dorami’ ゆうこ

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