第98回米国アカデミー賞、傾向と予想。卓球、プロレス、歌舞伎に神戸舞台と日本関連の映画もノミネート!
映画界最高の栄誉とされる第98回米国アカデミー賞の授賞式が3月15日(現地時間)に米国・ロサンゼルスのDolby Theatreで行われます。日本では、3月16日(月)の午前6:30から午前11:30に「NHK BS」で生中継。授賞式や直前のレッドカーペットの様子も独自中継される模様です(再放送はNHK総合で3月下旬に放送予定)。
なんと言っても、日本に関係する作品が今年も24部門の中にあることが喜ばしいです。作品賞にノミネートされている『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(26)はクライマックスで戦後の日本での卓球対決が描かれており、主人公のライバル・エンドウ選手役を東京2025デフリンピックの卓球団体で銅メダルを獲得した、現役卓球選手の川口功人さんが務めています。
また、国内興行収入200億円を突破した『国宝』(25)と、ドウェイン・ジョンソンが日本でも活躍した伝説の総合格闘家を熱演する『スマッシング・マシーン』(26)がメイクアップ&ヘアスタイリング部門に。フランスの長編アニメーション作品『アメリと雨の物語』(26)は舞台が1960年代の日本です。また、今回から新設された「キャスティング賞」や恒例のパフォーマンスとスピーチも見どころです。
米国アカデミー賞の傾向
近年の最優秀作品(作品賞)の傾向は、「多様性の推進」「配信作品の進出」「ジャンルの多様化」の3要素が目立ちます。特に、直近10年間(16〜25)の受賞結果を顧みると、『パラサイト 半地下の家族』(20)のような非英語圏や『ノマドランド』(21)などの多様な背景を持つ小規模な作品、Appleの『F1(R)エフワン』のようにテック企業が製作した作品がノミネートされるなど、映画業界の固定観念を塗り替えた10年と言えるでしょう。「ザ・ハリウッド的な大作」が選ばれる時代から、より個人的、社会的な視点を持つ作品が評価される時代へと移行しているのではないでしょうか?
例えば、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(26)などA24製作の映画は近年のアカデミー賞において「最も勢いのあるスタジオ」としてブランディングが定着していると思われます。スクリーンで観ることを目的としていない映画は映画ではないと非難されていたNetflix映画もノミネートの常連になっています。そう考えると、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの買収劇のゴタゴタ要素も時代の流れのひとつだったのでしょうか。
傾向からの予想
今年は、アカデミー賞史上最多となる計16部門にノミネートされた『罪人たち』(25)が最も注目作と言えるでしょう。その中でSASARU movieではキャプテン・ポップコーンこと矢武兄輔が主要6部門である作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞の受賞を予想します。ハズれてもご了承ください!!!
[作品賞]『罪人たち』
社会性を持ち合わせていながら、銀幕ヒーローとしてのカッコよさ、サバイバルスリラーとしてのエンタメ感あり。物語が進むにつれ、単なる社会派ドラマという枠組みを遥かに凌駕し、アート系とメジャー系どちらの観客の好みに刺さる、映画の底力がありました。『ワン・バトル・アフター・アナザー』も観る者を最後まで釘付けにする力強さがありましたが、社会性と娯楽性の融合バランスが均等だったのは前者に思います。
[監督賞]ライアン・クーグラー(『罪人たち』)
100年近い歴史の中で黒人監督が監督賞を受賞した例は一度もありません。近年のアカデミー賞が掲げている「多様性の推進」において、ライアン・クーグラー監督のように作家性を保ちながら大ヒット作(エンタメ)と芸術的作家性の評価の両立を成し遂げていることは、映画界全体のポジティブな変化の象徴になるでしょう。
[主演男優賞]ティモシー・シャラメ(『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』)
役作りが心の底からスゴイと思いました。本人が持つ上品な美青年オーラは封印され、クズ男にしか見えなかったです。主演男優賞にノミネートは3回目、次こそは受賞してほしい気持ちがあります。
[主演女優賞]ケイト・ハドソン(『ソング・サング・ブルー』)
華やかなミュージシャンの一方、生活感が漂い、苦労を重ねた中年女性の表情と体型づくりへの熱演、リアリティがすごかった。『ブゴニア』のカリスマCEO役のエマ・ストーンと悩みましたが、過去2度受賞しているので3度目は少し間を置くのでは、と。
[助演男優賞]ショーン・ペン(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
娘ウィラに執拗な執着をみせる軍人役の姿は観客にとって中毒性の高いヴィランでした。彼がいたからこそ、この映画が多くの映画ファンに支持される起爆剤になったと言っても過言ではないのでは?
[助演女優賞]エイミー・マディガン(『WEAPONS ウェポンズ』)
オレンジ色のかつら、べったりと塗られた口紅、緑がかった眼鏡という強烈なビジュアルが脳裏から離れません。75歳にして新たな「ホラーの顔」になっていました。
作品賞にノミネートされた映画リスト ※3月12日時点
[道内の映画館で観られる作品]
①『ブゴニア』江別、苫小牧、函館で絶賛公開中
②『センチメンタル・バリュー』札幌、苫小牧で絶賛公開中、函館は3月20日(金・祝)から公開
③『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』札幌で絶賛公開中、函館は3月27日(金)から公開
[デジタル配信かソフトで観られる作品]見放題配信、レンタル、購入含む
①『罪人たち』|U-NEXTで見放題配信
②『F1(R) エフワン』|Apple TV、Amazon Prime Video
③『ワン・バトル・アフター・アナザー』|Amazon Prime Video、U-NEXTなどで配信
④『フランケンシュタイン』|Netflixで見放題配信
⑤『トレイン・ドリームズ』|Netflixで見放題配信
[日本公開前]
①『ハムネット』札幌、江別、旭川で4月10日(金)公開
②『シークレット・エージェント』2026年公開予定