【北海道】圧巻…自然が生み出す光景は、余すところなく美しい 十勝の「秋まき小麦」
数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。
今回はHBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した、十勝の景色をご紹介します。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
秋まき小麦の美しさ
7月の十勝平野では、農家さんが忙しくなります。
前の年に植えた、秋まき小麦の収穫の時期到来です。
例年は7月下旬に収穫時期を迎えますが、今年は好天に恵まれ、7月中旬には十勝管内の広大な畑でコンバインが突き進んでいる光景が見られました。
小麦の収穫時期が始まると、天気との闘いです。
収穫時期に雨が続くと、穂発芽(収穫前の穂に種子から発芽してしまう現象)が発生し、品質が低下してしまうからです。
農家さんは、麦の乾燥状態を毎日観察しながら、収穫していきます。
6月から7月にかけて、少しずつ色を変えていく景色をお楽しみください。
夏の始まりを告げる色
・撮影場所 帯広
・撮影時期 2024年6月
・シャッター速度 1/100
・絞り f/10
・ISO 200
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
6月中旬、小麦はまだ新緑の色。とてもきれいです。
十勝平野の夏の始まりを告げる色です。
あたり一面の景色がとても爽やかな雰囲気になります。
・撮影場所 帯広
・撮影時期 2024年7月初旬
・シャッター速度 1/160
・絞り f/7.1
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
黄金色に衣替え
・撮影場所 帯広
・撮影時期 2023年7月下旬
・シャッター速度 1/160
・絞り f/11
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
7月に入るとすっかり衣替えをし、黄金畑へと変わっていきます。
この光景は本当にきれい。早朝から夕暮れまで、どの時間帯で見ても美しいです。
・撮影場所 帯広
・撮影時期 2023年7月下旬
・シャッター速度 1/200
・絞り f/16
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
風が吹くと一緒にゆらめくように動きます。まるで、ふわふわの黄金のじゅうたん。
小麦同士が重なり合う音も、自然が奏でるヒーリングミュージック。心をいやしてくれます。
早朝だからこその美しさ
・撮影場所 中札内村
・撮影時期 2024年7月2週目
・シャッター速度 1/125
・絞り f/13
・ISO 160
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
早朝の小麦畑。
朝日を浴びた小麦は一層黄金色が強まります。
あと少しで収穫です。
・撮影場所 中札内村
・撮影時期 2024年7月2週目
・シャッター速度 1/500
・絞り f/8.0
・ISO 160
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
ついに収穫!圧巻の光景
・撮影場所 帯広
・撮影時期 2024年7月3週目
・シャッター速度 1/160
・絞り f/13
・ISO 400
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
ついに収穫開始です。収穫が始まると、農家さんは大忙しです。
知り合いの農家さんから聞いた話ですが、秋まき小麦は自分の畑だけを収穫するのではなく、近隣の農家さんが一体となり、小麦の乾燥状態が良好な場所から交代制で収穫していくとのことです。
昼間だけで終わる作業ではなく、天気との兼ね合いも見ながら、夜遅くまで収穫作業をしています。
この時期、暗くなってから十勝平野を走ると、真っ暗な畑の中で、何台ものコンバインの灯りが煌々とともっています。
いつもは静かな畑が、にぎやかになるのもこの時期ならではです。
麦の煙を上げ、作業している光景は圧巻です。
・撮影場所 帯広
・撮影時期 2024年7月3週目
・シャッター速度 1/250
・絞り f/7.1
・ISO 125
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
収穫が終わるとでき上がるのが、この牧草ロール。
なんとも北海道らしい、牧歌的な光景ですね。
収穫の後さえ美しい
・撮影場所 十勝平野
・撮影時期 2023年7月
・シャッター速度 1/320
・絞り f/4.5
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ
小麦が刈り取られた後の畑も美しいです。
自然が生み出す光景は、余すところなくきれいですね。
札幌で勤務しているときは、このような光景を見にいくには一苦労でした。
今では少し車を走らせると、広大な美しい十勝平野を見ることができます。
今生活している、この環境、この時間を大事にし、カメラマンとしてもっと見聞を広めていきたいです。
そして、この記事を通して、「カメラをやってみたい」なんて感じていただける方がいれば幸いです。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」「クマと民主主義」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。
編集:Sitakke編集部IKU
※全ての写真は、畑の伝染病などを考慮し、敷地外から望遠レンズ、広角レンズなどを使い撮影しています
※掲載の内容は各写真の撮影時の情報に基づきます