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Saucy Dog『RUSH BALL 2026』クイックレポートーー35分という時間に全ての強い気持ちを込められるだけ込めたライブ

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Saucy Dog 撮影=ハヤシマコ

Saucy Dog『RUSH BALL 2026』クイックレポート

すっかり日が暮れ、せとゆいか(Dr)秋澤和貴(Ba)石原慎也(Vo.Gt)の順に、それぞれ深くお辞儀して登場する。イントロが鳴っただけで、どよめく1曲目「シンデレラボーイ」。柔らかくメロウな歌だが、いわゆるサビの「シンデレラボーイ」という言葉を歌った時の衝撃は凄かった。緩急が効いているというか……。石原は飛び跳ねながらギターを弾いていたが、その姿はパンキッシュでもあった。はみ出るほど溢れ出る歌の力。そして、スリーピースならではの阿吽の呼吸の演奏も惹きつけられるし、とにかく音が跳ねていて弾けている。

「楽しんでいこうよ、優しさに溢れた世界で」

という言葉通り、続くは「優しさに溢れた世界で」。ライブしている模様が映し出されるスクリーンには、その映像に重ねて歌詞も映し出される。そういう演出も込みで丁寧に歌を届けようとしているのがわかる。それは石原の観客への声掛けにも表れていて、「男の子!」「女の子!」だけにおさまらず、「生きるの頑張っている人!」という声まで掛けられる。誰ひとり置いていかない優しさに溢れた世界とは、まさに今だろう。「シーグラス」では、海岸線といった風景がきめ細やかに描写される。何よりも歌が伸びやかに広がっていく。曲終わり、そのままドラムは刻み続けられ、「ゴーストバスター」へ。凄く感情が伝わる歌であり、石原の叫びも胸に響く。そのまま「オレンジ」とタイトルコールをするが、ともかく前のめりなテンションが誠に良い。

「せっかくもらった35分。たくさんの曲やりたいと思ったら、こうなりました」という石原の言葉もあったが、だからパンキッシュや前のめりという感想を、こちらも持ったのだろう。あと、2曲続けてバラードをやることを伝えて、「いいバラード2曲やるんで聴いてってください」と「まっさら」へ。「バラードかと思う人もいるかもですが」という枕言葉もつけていたが、ラストナンバー「いつか」という2曲を聴いて、そんな思いを持った人は皆無なはずだ。ちゃんと2曲とも観客に歌いかけるバラードなのだが、やはり普通のバラードじゃない。そこには強い気持ちが込められている。特に「いつか」での独唱的な歌い上げは、まさしく魂の歌。それを言うならば、35分7曲全てが魂の歌であった。

取材・文=鈴木淳史 撮影=ハヤシマコ

(『RUSH BALL 2026』オフィシャルレポートの一覧はこちら)

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