「神戸建築祭2026」の見どころは?近代建築の専門家が選ぶ“推し建築”3選 神戸市
2023年に「神戸モダン建築祭」として始まった神戸市の建物公開イベント。パスポートを購入・提示することで30棟の建物の見学可能となります。3回目を迎える今年は「神戸建築祭」と改称し、中央区の近代・現代建築のみならず、より幅広いエリアの建築が鑑賞できるようになりました。
今回は5月8日~10日の開催に先立ち、ガイドやコーディネーターとして建築祭に携わってきたモダン建築専門家・白数夏生さんに“推し建築”をお聞きし、イベントでの見どころを教えてもらいました。
推し建築その①
中華民國(台灣)留日神戶華僑總會
ドイツ人実業家ゲンセン氏の私邸として、明治期に建築された建物。煉瓦塀、暖炉、サンルーム、煙突などが揃う、いわゆる大型の異人館建築です。
白数さんの「ここが推し!」
西洋人による建築を現在は華僑の方々が交流場として使う、その在り方自体が神戸の文脈を感じられ、北野という町を象徴する建物のひとつだと思います。
「台湾茶」の体験(別途有料)ができる点も毎年人気を集めている秘密です。
推し建築その②
神戸税関
1927年に竣工した建物。交差点に面した円柱とその左右に連なる窓と壁面が特徴的であり、四階分吹き抜けとなった玄関空間の広がりも壮麗。
白数さんの「ここが推し!」
建物の美しさはもちろん、違法薬物や違法動植物の流入を水際でせき止める国の“砦”であることも重要です。貿易港神戸で国際取引を監視する、その責任の重さを宿したモダン建築です。
推し建築その③
六甲大橋
東灘区までが建築祭公開範囲に広がり、今回新たにツアーの形で追加された建築物。都会の橋ならではのダイナミックな多段構造で、上部に阪神高速と六甲ライナー、下部に一般車道や歩道、ガス管などのインフラが配置されています。
白数さんの「ここが推し!」
1976年の竣工時は、世界初のダブルデッキ連続トラス式斜張橋だった六甲大橋。建築祭で大型土木建築が入ってくるのも、神戸らしい楽しみといえます。
建築祭では、有料ガイドツアー「【六甲大橋】橋梁エンジニアが徹底解説!巨大ブリッジツアー」を5月5日に催行予定。まだ申し込み可能のため、橋に興味のある方には申し込んでほしいです。建築祭では、そのほかにも多数の有料ガイドツアーが目白押しです。いくつかはまだ申し込み可能なため、この機会にぜひ体感されることをお勧めします。
今回の「神戸建築祭」はほかにも灘中学校・灘高等学校や、山手の個人住宅などの建物が新たに追加され、単なる建物の鑑賞にとどまらず、神戸の歴史と文化が感じられる建築物が多いラインナップとなっています。