ペットの受け入れ体制は 災害時の同行避難〈南足柄市・大井町・松田町・山北町・開成町〉
大規模災害時に「ペット」をどうするのかというのは考えておかなければならない問題の一つ。本紙はこのほど発行エリア(南足柄市・大井町・松田町・山北町・開成町)の自治体ごとの避難所におけるペットの受け入れ体制について聞いた。
環境省は東日本大震災以降、ペットと飼い主が一緒に避難所等へ移動する「同行避難」を推奨している。本紙発行エリアの各自治体も基本的には避難所への犬や猫、鳥類、小型哺乳類などの同行避難を認めている。ただし同行避難はあくまでペットとともに避難する行動を指し、ペットと同一空間で避難生活をする「同伴避難」とは異なるという。
人命優先で防災計画などが策定される関係で、自治体ごとに体制の整備の状況や考え方は異なるのが実情だ。南足柄市は12カ所の指定避難所で同行避難の受け入れを想定しているが、小規模施設で受け入れが困難な時は近隣の大きい施設を案内する。その他、山北町は山北中学校、開成町は町内3小中学校が同行避難の対象避難所として、ペットの避難場所まで想定されている。
各自治体の課題
南足柄市は現状で同行避難の場合、避難所の用意のみ。ペットと同じ空間で避難生活を送ることができる車中泊避難などは今後検討を進めていくという。
大井町は避難所の運営マニュアルが定まっておらず同行避難の対応については発災時に都度対応することになっている。マニュアルについては24年度に策定着手を予定。
松田町は3月末に改定される防災計画内でペットの同行避難を含めた避難所ガイドラインを作成するなど準備を進めている。同行避難について町民の理解や周知不足という課題があり、3月2日には講演会を開く。
山北町では昨年9月の防災訓練で初めてペット避難の想定を実施。町担当者は「実際に訓練してみると課題が多く挙がったので今後改善していきたい」と話した。
開成町は昨年9月に町民向けの同行避難ガイドラインをHPで公開。備蓄や避難先などの情報を掲載した。
各市町で状況は異なる。ペットを飼うということは最後まで飼い続ける責任もあり、有事についてもきちんと調べておくことが求められる。