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レンタルボートでのロックフィッシュゲームで47cmオオモンハタにアカハタは連発【三重・紀北】

TSURINEWS

オオモンハタとアカハタ(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

ギラギラと降り注ぐ太陽の光に、夏の到来を感じる今日このごろ。そんな汗ばむ初夏に最盛期を迎えるのがハタ狙いのロックフィッシュゲームだ。今回はがまかつフィールドテスターで週刊つりニュース中部版APCの渡邊氏とともに三重県・紀北町三浦にあるフィッシング光栄のレンタルボートで、スイミング主体のハタゲームを満喫することにした。

紀北エリアハタゲームのターゲット

夏に盛期を迎える紀北エリアのハタゲームだが、ハタといっても種類はいろいろ。このハタゲームにおけるターゲットとなるのは主に2種類。オオモンハタとアカハタだ。

同じハタでもこの2種は見た目も性格も、全く違う。後にも記すが、オオモンハタはその尻尾を見れば分かる通り遊泳力に優れており、イワシやキビナゴなどのベイトを追い回して捕食する青物のような性格。対してアカハタは、比較的ボトム付近に定位し通りがかった小魚や甲殻類を待ち伏せて捕食する、カサゴのような性格だ。

この2種がハタゲームのメインターゲットとなるが、他にもマハタやアオハタ、キジハタなどが交じってくることもあり、まれに幻の魚であるクエが食ってくることもある。

釣り分け可能なオオモンハタとアカハタ(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

ハタゲームのタックル

まず今回使用したタックルの概要を説明しよう。スイミングタックルとして、ロッドがダイワHRF・KJ85MS、リールが21ルビアスエアリティLT4000CXH、ラインがよつあみボーンラッシュ1号、リーダーがシーガーグランドマックスFX5号。

ボトムタックルとして、ロッドがHRF・KJ 77MHB、リールが18HRFソニックスピード9.1L‐TM、ラインがXブレイドアップグレードX8の2号、リーダーがグランドマックス6号だ。

ハタゲームタックル例(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

釣行日は6月14日。渡邉さんの操船で午前6時ごろに出船し、ポイントへと向かう。20分ほど走らせたところで釣り開始となった。

スタッフからポイント説明を受ける(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

水深15~25mの起伏のあるポイントで、魚探にはキビナゴの反応が上々。いかにも釣れそうな雰囲気がぷんぷんとしている。まずはスイミングで探ってみる。根魚玉28gにハスカラーのスイングインパクト4.3インチをチョイス。ねじ込み式のブレードも忘れずにセットしておく。これが私の中で一番の実績のあるセッティングだ。

結束方法はループノットかスナップでジグヘッド自体をフリーにしておくと、テールの動きに合わせて仕掛け全体が若干ウォブリングするようになるので、より自然にワームの動きを演出することができる。

ジグヘッドは20~45g、ワームは3~4インチ程度を用意(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

必ず中層域まで探ろう

ベイト反応は真下に映っているので、遠投はせずに20mほどキャスト。ボトムまでフォールさせて15~20回ほどリトリーブさせて、中層域までのレンジをしっかりと探ってやる。

なぜ中層域のレンジまで探るのか。スイミングでのメインターゲットとなるオオモンハタは、ハタの中でもかなり遊泳力に優れた魚で、地形に着くのではなくベイトの真下に張り着く形で中層を泳いでいることが多い。

特に経験上10巻き前後でのバイトが非常に多いため、最低でも15回は巻き上げる必要がある。リトリーブ速度は、1秒あたり1.5~2巻き程度が適当だろう。

スイミング用のスピニングタックル(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

まずはアカハタが登場

開始早々に着底からの巻き上げ直後にゴンッ!と心地良いバイト。フッキングを入れると、30cm少し超えたきれいなアカハタだった。アカハタもスイミングで5巻き以下のレンジで掛かることが多い。特にベイトフィッシュを意識した個体は中層域にまで追うこともあるので、ボトムをたたくだけでは完全な攻略とはいかないだろう。

渡邉さんに40cmクラスの良型アカハタ(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

本命オオモンハタも浮上

その後も、引き続き同じ要領でスイミングで攻めていくと、8巻きほどしたところでガツンとバイト。先ほどよりグングンと遊泳力のある引きで楽しませてくれたのは、40cm弱のオオモンハタだ。まさにセオリー通りの気持ちのいい釣れ方だった。

オオモンハタのパワーを堪能する山根さん(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

ボトム重視へ作戦変更

その後もアカハタを拾いつつ、大型の反応を探る。8時半を過ぎたところでベイト反応が薄くなってきた。そこで、今度はキビナゴ意識のセッティングから、ネンブツダイなどのボトムに居着くベイトフィッシュをイメージしたアプローチを仕掛けていく。

ジグヘッドの重さを28gから45gに変更。ワームも扁平型のワームの方が良いと考え、バルト4インチのネンブツダイカラーをセレクト。ブレードもワームに合わせて、シルバー系からゴールド系に変更した。

狙い方としてはボトム付近のベイトを演出するため、バーチカルに狙うのではなくできるだけ水平方向に巻くことを意識したいので、遠投してレンジを上げすぎないように心がけると良い。

専用ジグヘッドが各社から販売されている(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

47cmオオモンハタ浮上

開始3投目、早くも答えが出た。着底から10巻きほどしたところで、ゴンッ!と力強い重厚なバイト。フッキングを入れるとジィィイイ!とドラグ音が鳴り響く。「これはデカい!」。そう確信すると、すぐさまドラグを締めて強気のポンピングですぐに根から引きはがす。

ロックフィッシュは掛けてからすぐが勝負の分かれ目となる。掛けてから引きの強さに気圧されて耐えてしまうと、そのまま根に潜られてスタック、あるいは根ズレでラインブレイクの恐れもある。そこで、掛けたらすぐに根からはがす。このことを意識すると、獲れる魚も増えるだろう。

5mほど根から離せば魚も落ち着くので、後はテンションが抜けないよう慎重に引き上げてくる。青い海の底から大口を開けながら上がってきたのは、良型の本命オオモンハタ。4インチのワームを丸のみにしており、危うく歯でラインが切れるところだった。計測すると、47cmとなかなか良いサイズだった。

ドラグを鳴らした47cmのオオモンハタ(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

アカハタは連発

その後もネンブツダイ意識のセッティングが刺さったのか、アカハタが連発。サイズは選べないものの、20cm台後半から35cmまでの良型まで遊んでくれる。

スイミングからボトムバンプへ

そして時刻は11時。満潮の潮止まりを迎えたところで、アタリがパタリと止まってしまった。手を替え品を替え試すものの、これと言った反応が得られず四苦八苦する時間が続く。
ここでスイミングに見切りを付けて、ボトムバンプで反応を見ることにした。使用するのは1オンスのタングステンシンカーに、マルチオフセットフック1/0をセット。ワームはクレイジーフラッパー2.8インチをチョイスした。

ボトム用のベイトタックル(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

タングステンシンカーで根掛かり回避

鉛ではなくタングステンシンカーをチョイスしたのは、シルエットを小さくする役割ももちろんあるが、一番の狙いは根掛かり回避だ。鉛は材質が柔らかいため、岩の間に挟まるとめり込んでしまって、取れなくなることがある。

一方でタングステンは材質が硬いため、ロッドで弾いてやるとよっぽどの隙間に入らない限りは結構な確率で回収することができるので、私はタングステンを採用している。

ボトムの狙い方はロッドを立てつつ、ボトムをたたいていく。ゆっくりでも良いが、個人的にはメリハリを付けたアクションの方が反応が良いようにも思う。

またフォールもカーブフォールではなく、フリーで落とすことで着底音が大きくなり、これもアピールにつながる。また船は常に流されていくので、底取りができなくなったらすぐにクラッチを切って、ラインを送ってやることが大事だ。

丁寧にボトムをたたいていくと、ゴゴゴッとバイトが得られる。やはり、この時間はボトムだったか。すぐさまフッキングを入れてやると、30cm前後のアカハタが相手をしてくれた。その後もこのパターンが効いたのか、終了までエンドレスでアタり続け、数も申し分なく楽しむことができ、午後2時半ごろに納竿となった。

アカハタはよく釣れた(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

釣行を振り返る

今回の釣行を振り返って、アカハタはどの時間でも相手をしてくれたが、オオモンハタは朝のベイト反応がある時間帯でしか顔を拝めなかった。やはりオオモンハタを狙って釣ろうと思えば、地形ではなくベイト反応をしっかりと探っていく必要があるだろう。

初夏から晩秋まで楽しめるロックフィッシュゲーム、ぜひロックフィッシュならではのトルクフルな引きを堪能してみてはいかがだろうか。

キープした2人分の釣果(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

最後になったが今後も遊び続けられるよう、不要なキープは避けて未来ある小型個体はリリースしていただくよう心がけていただきたい。

小型はリリースを(提供:週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河)

<週刊つりニュース中部版APC・山根嶺河/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年7月5日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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