【シナモンロールに導かれ/横須賀】箱を開ける瞬間が待ち遠しい!横須賀土産の新定番「NOTHING, BUT SUGAR(ナッシングバットシュガー)」
シナモンロールが好きだ。吸い込まれそうな渦巻き、半分に割った時の縞模様。
アーティスティックな姿に何度陶酔したことだろう。溶けてしまいそうな甘さと芳香に満たされ、私の奥底に眠るシナモンロールの記憶を呼び起こす。
もっとシナモンロールのことが知りたい。シナモンロールに会いたい。シナモンロールは私をあちらこちらに連れ出し、縁を繋いでくれる。
さあ、今日も今日とてシナモンロールを求め西へ東へ…
——————————————————
“スカジャン発祥の地”としても知られる横須賀の「ドブ坂通り」は、商店街の通りを流れていたドブ川を海軍工廟から提供された厚い鉄板でフタをしたことが由来だとか。
米海軍横須賀基地がある土地柄、駅周辺には日米の文化が入り交じる古き良き街並みが印象深い。
そんな横須賀で50年を越える歴史を持つ老舗アメリカンダイナー「HONEY BEE(ハニービー)」の姉妹店として2021年にオープンした「NOTHING,BUT SUGAR(ナッシング バット シュガー)」。
店内に並ぶアメリカンスイーツの数々は、長い年月を経て築かれた市民や働く人たちとの信頼関係が生んだ‘“新横須賀名物”だ。
お店とお客さんの垣根を越えて
京急本線・汐入駅から国道16号線へ。商業施設もありにぎやかな駅周辺は観光地としても人気だが、海と山に囲まれ空が広く、ふらりと散歩をするのにとても気持ちがいい。
駅から店までは普通に歩けば5、6分の距離だが、ここは時間をかけ風情ある建物を見ながらゆっくり歩いてほしい。
「NOTHING,BUT SUGAR」とは「砂糖以外のなにものでもない」というニュアンスの言葉。海外の方がひと目で甘いものの店だとわかるようにとインパクトのある店名にした。隣の「ハニービー」で食事を終えたお客さんが、お土産として買いに来ることも多いそう。
ショーケースには、ブラウニーやチーズケーキ、チャンククッキーなどの焼き菓子と並び、看板商品となっているのが「シナモンロール」だ。
「ハニービー」に通う米兵さんから「母国で食べるようなアメリカのデザートがほしい」とのリクエストを受けて開発をした。
アメリカでは家庭の味として親しまれているシナモンロールは、冷凍庫に常備していたり、家族でパン屋さんに買いに行ったりと、日常的な存在。
しかしオープン当時はアメリカンタイプのシナモンロールを販売している個人店は少なかったこともあり、懐かしの味を求める声が多く上がったそう。
思い出と一緒に持ち帰ってほしい
「ハニービー」に通うお客さんから意見を聞きながら、本場の味わいや現地での食べ方に寄り添った形を再現した。朝食ではサラダなどを添えて食べることもあるので、おかずと一緒でも合うように生地の風味にもこだわっている。
焼き上げたシナモンロールは瞬間冷凍し風味を閉じ込めているため、食べる直前に温めることで香りが一気に放出され、生地はやわらかく、できたてのような味わいを楽しめるのだ。
“横須賀での思い出と共に家に持ち帰り、家族で笑い合いながら食べられるように。”
その思いからテイクアウトのみとなっている。
この日は売れ筋の3種類がラインナップ。限定フレーバーが登場することもある。
レギュラーサイズだと食べ切れるか心配、いろんな種類を食べたい、といった声に応えたスモールサイズは、箱入りで手土産にもしやすい。
私も「全種類食べたい」という欲望を満たしてくれるスモールサイズ食べ比べ3個入りBOXをお持ち帰り。
80年代のアメリカンポップスを流しながらじっくりいただこう。
わんぱくな三つ子!?のシナモンロール(イラストあり)
今回いただいたシナモンロールは
●3PIECE BOX SMALL ¥1,700(税込)
※箱代込み
「プレーン」「ブルーベリー」「クルミ」のお試し3種類食べ比べセット。箱に入っているとバスや電車での帰り道も安心だ。
こちらのシナモンロールは全粒粉と複数のスパイスを混ぜ込んだ生地を使用しているのが特徴のひとつ。粉の風味を立たせつつ、重なり合うスパイスがシナモンの香りを底上げする。
中のシナモンはこれ以上入れると辛味が出てしまうというギリギリの量を追求。
クリームチーズやバターのクリーミーなフロスティングがトッピングされ、温めることによりシナモンロールのおいしさが本領発揮する仕掛けだ。
おすすめは500Wの電子レンジで40秒。さっそく実践。
なんと美しい…
ほのかに砂糖のシャリシャリ感も残っている絶妙な加減。40秒の魔法にすっかりのめり込んでしまうが、まだここはイントロだ。
シナモンだけでなく生地も主役。もっちり感とさっくり感のちょうどいいバランス。
粉の風味が豊かに立ちのぼり、口溶けも抜群だ。底が少しカリッとしているのもたまらない。
あまりのパンのおいしさに「フロスティングなしでも売ってほしい」と言われるほどだとか。
しかしやはりフロスティングあってのこのシナモンロール。クリームチーズとバターのミルキーさが染みたコクのある味わいとシナモンのパンチが心を鷲掴みにする。
続いてブルーベリーも…
こちらもお見事…
食欲をそそるマーブル状のフロスティング。ふわとろのシナモンロールにフレッシュなブルーベリーの果汁が溢れ、甘酸っぱくパワフルな味わいで余韻にしつこさを残さない。
渦に落ちるフロスティングとブルーベリーが絡まり、すみずみまで広がるジューシーさに唸ってしまう。
軽やかなコクとほどよい酸味なので、紅茶やレモンスカッシュなど爽やかなドリンクとも合いそうだ。
クルミはサラダを添えてアメリカの朝食風。意外にも野菜やハムなどの塩気がシナモンロールの甘さにマッチしてクセになる。
無限に食べられそうになる“あまじょっぱさ”は偉大だ。
ランダムに散らばったクルミが甘さと調和する。噛むたびにあふれる香ばしさと歯応えのハーモニーがなんとも言えぬ心地よさ。
しっかりめの生地が口内をスパイシーに満たしてくれるので、食べ終わってもまた食べたくなる不思議な引力がある。次回はレギュラーサイズを買って独り占めしよう。
夏場は溶けやすいので持ち歩き時間に注意だが、すぐに食べる場合はお店で温めてくれるので気軽にお声がけを。
老舗を生かした新しい街の活性化
「ハニービー」と並び、著名人御用達の店としても地元で愛されている「NOTHING,BUT SUGAR」。
撮影に使われることもあるそうで、店内には芸能人のサインも書かれていた。
多様な文化を持つ人々が暮らす横須賀ならではの懐の深さが表れた安心感は、老舗が繋いできた想いあってこそ。
ドブ板通りも昔に比べて夜の店がだいぶ減り、雰囲気が変わったという。
それでも今も残るアメリカの空気と新しい人の流れが横須賀に新たな発見をもたらしている。横須賀の爽快な景色、人のあたたかさは変わらない
ほかほかのシナモンロールを頬張りながら、私も横須賀の未来を想う。
WRITER:まるやまひとみ
=================================
【SHOP INFORMATION】
SHOP:NOTHING, BUT SUGAR(ナッシングバットシュガー)
ADDRESS:神奈川県横須賀市本町2-1 本町ビル1階
OPEN:【月・水・金・土・日曜日】11:00〜20:30/【 火・木曜日】11:00〜17:00
CLOSE:不定休