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【八王子市】株式会社トリアド工房 池田さんがものづくり表彰 文化財のレプリカ製作で

タウンニュース

初宿市長(右)から表彰状を授与される池田さん

市内の事業者でものづくりの分野において著しい成果を挙げた個人を表彰する「令和7年度八王子市ものづくり産業表彰」が発表され、1月29日に八王子市役所で授与式が行われた。15回目となる今年度は、大塚で模型製作に従事する池田佳邦さん(75/株式会社トリアド工房)が選ばれた。池田さんは、今年度の東京都優秀技能者(東京マイスター)知事賞も受賞している。

1970年創業の同工房は、博物館の展示造形物や文化財レプリカの製作、保存・修復を専門とする企業だ。国内有数の国指定重要文化財を扱える技術力を持ち、その卓越した技能は官公庁などからも高い評価を得ている。

勤続43年を数える池田さんは、授与式で「(博物館の展示物などをつくっているので)製作したものは長く残る。恥ずかしいものはつくってはいけないと後輩たちに伝えている」と、ものづくりへの信念を語った。初宿和夫市長は「卓越した技能で八王子を牽引してくださることを誇りに思う。感謝申し上げたい」と池田さんを称賛した。

伝統の技と最新技術の融合

大塚に本社・工場を置く同工房では、建築模型から3Dプリンタを駆使したレプリカ製作まで幅広く請け負う。

例えば長野県の前尾根遺跡から出土した、人の顔が描かれた「顔面装飾付釣手土器」の複製では、三次元計測機で本物を非接触でスキャニングしたデータを3Dプリンタで出力し、これを組み立て一旦「原型成形品」を製作。それを元にシリコーンゴムで型取りを行い、最終的にはFRP(繊維強化プラスチック)で成形し、緻密な彩色を施して本物の質感に近づけていく。

阿部知行取締役社長は「技術の進歩により、最近は直接型取りする案件は少なくなってきているが、形状が難しく直接型取りしかできないものや、さまざまな技術を幅広く網羅できるのが池田さん」と厚い信頼を寄せる。

授与式後、初宿市長から印象に残る仕事を問われた池田さんは、いくつか答えた後、「地層発掘現場」と回答。依頼を受け急遽駆け付けたもので、崖崩れの危険性もあることから、地層の型取りをしている約1週間の間、「何かあったらすぐ逃げられるように」心づもりしていたという。

また、縄文時代などにつくられ、取手の装飾が炎のように見えることから名付けられた「火焔型土器」の複製についても言及。装飾の複雑さもさることながら、歴史的価値が高いため、出土した現地で型取りをしなければならず、「型を取るのに約2週間、工場に持ち帰って成形し、彩色にも約2週間かかった」と当時を振り返りながら笑顔を見せた。

トリアド工房がレプリカ製作した顔面装飾付釣手土器=同工房提供

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