旬を味わう和の一品「なすの海老しんじょ はさみ揚げ」藤野嘉子さんレシピ
海老のピンクとなす紺のコントラストが美しい、和の一品をご紹介します。おもてなしにもぴったりの凛とした佇まいながら、極力シンプルでつくりやすいレシピです。
(『きょうの料理』9月号より)
藤野嘉子さん
料理研究家。フレンチのシェフの夫、菓子研究家の娘とともに、東京・日本橋でコーヒーショップ併設のアットホームな料理スタジオを営んでいる。
「アツアツももちろんいいけれど、人肌程度に冷ましてもおいしい料理ですので、慌てずにつくってくださいね。」
なすの海老しんじょ はさみ揚げ
しんじょといっても、今回は卵白などのつなぎは使わないシンプルなつくりやすいレシピ。えびを包丁でトントンとたたくだけでおいしくなります。トロリと銀あんをかければ、秋のごちそうに。
材料(2人分)
なす 2コ*(160ℊ)
えび(無頭/殻付き) 5匹(100ℊ)
ししとうがらし 4〜6本
A (酒 小さじ1
塩 少々
ラード**(あれば) 小さじ1)
銀あん (だし カップ3/4
うす口しょうゆ・酒 各大さじ1
みりん 小さじ1)
しょうが(すりおろす) 適量
●塩・片栗粉・揚げ油
[200kcal*** 塩分1.5g*** 20分]
*コロンとした形の小さめのなすがつくりやすい。
**入れればコクが出る。省いてあっさり仕上げてもよい。
***銀あんは2/3量を計算。
1 えびは殻をむいて、背ワタを取る。塩・片栗粉各少々をふってもみ、水でよく洗って水けをしっかりと拭く。細かく刻み、包丁でたたく。ボウルに入れ、Aを加えてよく混ぜる。えびは背ワタを除いて丁寧に洗い、くさみを取る。
2 なすは縦半分に切り、皮に格子状に細かく切り目を入れる。ヘタの部分は2cmほどつなげたまま縦半分に切り込みを入れる。切り込みの内側に片栗粉を薄くまぶし、1を1/4量ずつはさむ。ししとうがらしは、揚げたときに破裂しないよう、ようじで数か所ずつ穴を開けておく。
3 揚げ油を180~190℃に熱し、ししとうがらしを入れ、サッと揚げて取り出す。なすは全体に薄く片栗粉をまぶして同じ油に入れる。時々なすに油を回しかけながら火が通るまで揚げ、油をよくきる。えびに火が通りすぎると堅くなるので、なすに油を回しかけながら高温で揚げて、なすにも早く火を通すとよい。
4 小鍋に銀あんの材料をすべて入れ、ひと煮立ちさせる。片栗粉小さじ1を水小さじ2で溶いて加え、とろみがつくまで混ぜ、火を止める。
5 なすは好みで食べやすく切り、ししとうがらしと器に盛る。4の銀あんをかけ、しょうがを添える。
『きょうの料理』9月号の特集は「秋のはじめのおそうざい」。秋の「はしり」と夏の「名残」の食材を使う季節感あふれるおかずを、日本料理店店主の林亮平さんと藤野嘉子さんが紹介します。
料理研究家の藤井恵さんと牛尾理恵さんが講師の「わたしの腸活レシピ」では、腸活歴10年超えのおふたりが実践している食生活を紹介します。
■NHKテキスト『きょうの料理』2024年9月号より抜粋
■撮影・川上朋子/スタイリング・肱岡香子