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3年生、冬物語(4) サッカー女子 学校史上最高の全国3位に輝いた柳ケ浦 【大分県】

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最後まで諦めないプレーで全国3位を勝ち取った柳ケ浦

 全日本高校女子サッカー選手権大会(全日本選手権)に出場した柳ケ浦が、1回戦から快進撃を続け、同校初となる3位となった。柳ケ浦の新たな歴史をつくったチームの3年生が激戦を振り返る。

 

 九州4位で出場した柳ケ浦は、九州予選で苦い経験をした。準決勝の東海大付属福岡戦で試合終了間際に同点に追いつかれ、PK戦の末に負けた。キャプテンの重松日菜は「2度のリードを守り切れなかった。隙をつくらず、最後まで集中して試合を終えなければいけないことを学んだ」と振り返り、全日本選手権では守備を統率した。1回戦の霞ケ浦(茨城)との試合では、最後まで諦めない姿勢を体現し、チームメートを鼓舞。試合終了間際の勝ち越しに成功して勝利を飾った。

 

 2回戦の常葉大付属橘(静岡)との試合も僅差の勝負となった。「九州大会での教訓が生き、1回戦で勝ったことでチームがまとまった」と浜田若那。しっかり相手の攻撃を封じ、ボールへの出足の鋭さと、奪ってから一気にフィニッシュに持ち込む力強い攻撃を見せ、浜田の決勝点を守り切った。

 

キャプテンの重松日菜(右)と副キャプテンの浜田若那

 

 準々決勝の修徳(東京)戦では80分で決着がつかなかったが、PK戦で5人が全てゴールして、初めての準決勝進出を果たす。PKで5人目のキッカーとなった松岡優空は「緊張したけど外すイメージは全くなかった。今大会の3年生13人は、まとまっていた。試合に出られない選手が相手を分析してくれ、それがハマった」と振り返る。

 

 準決勝は、十文字(東京)に0-2で敗戦。ほとんどの選手が「悔しい思いの方が強い」と、決勝の景色を見られなかったことを悔やんだ。個性豊かな3年生は、ぶつかり合いながらも支え合い、助け合った。最上級生となり、新チームになった1年前は「柳ケ浦の史上最弱チーム」と言われていたが、「サッカーに向き合う姿勢を正し、人間力を高めたことでここまで戦うことができた」と重松。「このチームでサッカーができたことで成長できた」(浜田)、「柳ケ浦で過ごした3年間は、次のカテゴリーに行っても必ず役立つ」(松岡)と、新たな歴史をつくった誇りを胸に、それぞれ次のステージに旅立つ。

 

3年生13人の結束力で全国3位を成し遂げた

 

 

(柚野真也)

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