台湾と新潟の架け橋に。「ニイガタソウゾウ」が描く未来のカタチ。
「台湾で行う『新潟フェス』の出店者を募集します」。2024年春、SNSでこんなポストが流れてきました。発信者はニイガタソウゾウ株式会社の代表、早川さん。プリザーブドフラワー専門店「shionflower and tea Tsubame(シオンフラワー アンド ティー ツバメ)」の店舗運営のほか、企業やクリエイターの台湾進出支援を行っています。早川さんが企画した「新潟フェス」の内容や、台湾との関わりなど、気になるお話を聞いてきました。
ニイガタソウゾウ株式会社
早川 琳 Rin Hayakawa
1994年長岡市生まれ。高校卒業後に小千谷市の測量機器会社に就職。取引先だった台湾の人に出会ったのをきっかけに中国語を学びはじめる。退職後、ワーキングホリデーなどで1年半台湾に滞在。2023年5月に「ニイガタソウゾウ株式会社」を設立。同年7月に「shionflower and tea Tsubame」をオープン。最近ハマっているのはヨーグルトに冷凍ミックスベリーを入れて食べること。
はじめて台湾で「新潟フェス」を開催した、2024年。
――早速ですが、「新潟フェス」について教えてください。
早川さん:新潟の企業やクリエイターが作った商品を手に取って体験してもらったり、観光地の説明をしたりして、新潟の魅力を知ってもらうために企画したイベントです。第1回目は2024年の6〜7月の約4週間、台湾北部の新北市にあるデパートで開催して、2回目は11月。このときは2日間の開催で台北市に施設を借りました。
――新潟からはどんな方が参加されたのでしょうか?
早川さん:企業から個人のハンドメイド作家、クリエイターの方など様々です。三条市で自社ブランドのスピーカーを作っている「株式会社長谷弘工業」さんや、新潟出身の書道家「Soyamax(ソヤマックス)」さんが参加してくれました。
――台湾の方の反応はいかがでしたか?
早川さん:ハンドメイド作品に驚かれる方が多いです。ブースで並んでいる品物を既製品だと思うみたいで、「手作りなんですよ」って説明すると感動してくれます。あとはやっぱりお米ですね、食べ比べができるブースが人気でした。2回目のフェスでリピーターになってくれた方もいて、現地のお客さんからは「定期的に開催してほしい」というお声もいただいているので、楽しんでくださったと思います。
――「新潟フェス」はどのようなきっかけで開催したのでしょうか?
早川さん:私がSNSであげた「台湾で新潟の魅力を伝えるイベントをしたい」っていう発信を見た台湾の方から、連絡をもらったことがきっかけでした。「このデパートで日本展をするんだけど、どう?」みたいな感じで声をかけてくれて、「じゃあその日本展のなかに新潟のブースを作ればいいじゃん」って考えたんです。そこからいろんな方に声をかけて、出店者を集めていきました。1回目のときは、4週間、11時から22時まで立ちっぱなしでした。
――11時間立ちっぱなし!それは過酷でしたね……。
早川さん:倒れるかと思いました(笑)。でもデパートでの催しということで単独でイベントを組むより集客があったと思います。「新潟」の文字を目にしていただく機会が多く得られたのはラッキーでした。1回目の手応えがあって、2回目は小規模にして自分で場所を借りてみることにしたんです。
――会場を単独で借りるとなると、集客も大変ですよね。
早川さん:そうなんです。だからインスタ広告も打ちましたし、台湾の知り合いでお世話になってるマーケティング会社にも助けていただきました。台湾ってFacebookが主流なんですが、そっちの広告もがんばってくれたおかげで200人くらいフォロワーが増えました。もしワーホリを通じて知り合った人がいなかったり、向こうの市場に関する知識がなかったりしたら、もっと大変だったなと思います。
――今後の「新潟フェス」での目標を聞かせてください。
早川さん:もっと認知を拡大して、出店事業者さんを増やしていきたいです。去年はとにかく実績を作るために必死に動いていましたが、これからは定期的に開催して台湾でもイベントの存在を知ってくれる人を増やしていきたいですね。新潟のいろんな魅力に触れてもらって、台湾から新潟に遊びに来てくれる人を増やすのがその先の目標です。
台湾と新潟、双方の魅力を伝える。
――ところで、台湾の方ってどんな方が多いのでしょうか?
早川さん:人懐っこくて明るいです。助け合いの精神が強くて、困っている人を放っておきません。「熱情(ルーチン)」と言うんですけど、これは日本でいう「情熱」とは若干ニュアンスが違って、親切とか、人情味があるという意味合いです。
――「熱情」とは、具体的にどんなものなのでしょうか?
早川さん:単純な話ですけど、駅で大きな荷物を持って困っていると、声をかけてくれたり、荷物を持つのを手伝ってくれたりします。あと、本当に人懐っこい方が多くて、道端で「その服かわいいね、素敵だね」とか普通に話しかけてくれますね。
――それはすごい!驚いて何も言葉が返せない気がします……。
早川さん:慣れてないとびっくりすると思います(笑)。日本でいうと、大阪の人と気質は似てるかも知れません。親日家の方が多くて、好奇心旺盛なんですよね。
――そんな台湾の方に新潟の魅力を知ってもらい、さらに新潟の人にもぜひ台湾の魅力を知ってもらいたいですね。
早川さん:そうですね。私の知り合いでもパスポートを持ってない人がたくさんいて、海外に行ったことがないのはもったいないなと感じていました。台湾は気軽に行ける距離ですし、人も良いのではじめての海外旅行におすすめです。新潟フェスの取り組みや今後の事業を広げていくことで新潟と台湾の交流を増やして、お互いの魅力を知る手助けをしていけたらと思っています。
プリザーブドフラワーで、新しいサービスを。
――ところで、「shionflower and tea Tsubame」にはどんなものが販売されているのでしょうか。
早川さん:メインはプリザーブドフラワーを使ったグッズです。ブーケやアレンジメント、ギフトボックスとか、インテリアにできる花瓶セットも人気ですね。ディフューザーも作れますし、オーダーメイドのご相談も可能です。プリザーブドフラワーでインテリアが欲しいとかブーケを作りたいとか、何でも気軽に相談してください。ハンドメイドのアクセサリーもありますよ。
――ワークショップではどんなものを作れるんでしょうか?
早川さん:フラワーレッスンはもちろん、イヤリングや指輪などのアクセサリー作りができます。季節ごとのワークショップも考えていて、クリスマスの時期にはリースをつくりました。
――今後、新しく挑戦したいことはありますか?
早川さん:今年はフラワーアーチを使ったウェディングフォトや、結婚式のウェルカムスペースの企画や制作も進めていきたいですね。台湾でアーチのレッスンを受けて美しいフラワーアーチがつくれるようになったので、いろんなシーンで利用してもらえると嬉しいです。
shionflower and tea Tsubame
燕市本町1-3-36-2-1F
公式LINE@787siehn