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明確な差はある?『にゅうめん』と『そうめん』の違いとは?

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明確な差はある?『にゅうめん』と『そうめん』の違いとは?

そうめんは、夏しか出番がないというイメージがあるかもしれないが、細い麺としてとらえると活用方法は多岐に渡る。冷たくして食べる以外で有名活用例として「にゅうめん」が挙げられるだろう。ここでは、夏以外でも楽しめる、美味しいにゅうめんの作り方をご紹介する。

1. にゅうめんとは何か知っている?

そもそもにゅうめんとはどのような料理なのであろうか。由来から意味まで、にゅうめんの概略を見てみよう。

にゅうめんとは温かいそうめんのこと

そうめんは冷製で食べるのが一般的であるが、温かい汁で食べるのがにゅうめんである。しいたけや干しエビなどのさまざまな食材を薄味で煮て、茹でたそうめんに汁を張って食べるのである。奈良県や熊本県など、そうめんの産地では古くから愛されてきた食べ方である。ここでそうめんについても触れておくと、そうめんとは小麦粉で作る細めの麺である。乾麺であるのが特徴だ。奈良時代に中国から到来した際には、索麺の名で知られていた。素麺と誤記されたことがその名の由来となったといわれている。

にゅうめんとは奈良県の郷土料理

そうめんは奈良県桜井市三輪が発祥であるため、にゅうめんは奈良県の郷土料理となっている。三輪周辺では、晩秋の頃からそうめんを温かく煮込むにゅうめんを食べる風習がある。熊本県の南関や徳島県の半田など、そうめんの産地でも寒い時期にはにゅうめんを食べることが多い。

にゅうめんの漢字や意味

ひらがなで表記されるにゅうめんは本来、「煮麺」や「入麺」と漢字で記されていたようだ。そうめんを煮込むという意であろう。一般的にはひらがな表記が用いられている。

2. にゅうめんとは何かをもっと詳しく!ほかの麺類との違いも確認

初夏になると、どの家庭の食卓にも登場するのがそうめんである。にゅうめんのベースともなるそうめんについて、改めておさらいをしてみよう。

手打ちそうめんと機械そうめん

そうめんの製法としては、手延べと機械の2つが存在する。機械そうめんの製法は、うどんのそれに似て製麺機を使って薄くのばしていき、乾燥も機械を使って行われる。手延べの製法と比較するとグルテンにばらつきがあるため、食味が落ちるともいわれている。手延べそうめんは、小麦粉に塩と水を加えて一晩寝かせ麺棒をつかって円盤型にするところからはじまる。この型の周辺から太い紐状の麺をまず作り、さらに縒りをかけて伸ばし細くしていくのである。日光でよく乾燥させたものを同じ長さに切って、手延べのそうめんが完成する。日本農林規格によって、手延べそうめんと名乗れる条件が定められているのである。手延べそうめんはまた、機械そうめんと比べて腰があり食味も優れているのが通常である。

そうめんとひやむぎの違い

そうめんとならんで夏の食卓で愛されている乾麺にひやむぎがある。そうめんとひやむぎの相違は、ずばり太さにある。日本農林規格によれば、直径が1.3mm以上1.7mm未満をひやむぎと称し、1.3mm未満のものがそうめんと規定されている。小麦粉と水を原料とする点では、そうめんもひやむぎも変わりはない。また、直径が1.7mm以上の乾麺は、うどんと名乗ることも定義されているのである。

にゅうめんの1束の量や栄養

にゅうめんを作る際、そうめんの量やカロリーが気になるかもしれない。そうめんは通常、1束が50gである。これは1人前としては腹八分くらいに相当する。そうめん(乾)100gあたりのエネルギーは333kcalであるから、50gを茹でれば167kcalである(※)。炭水化物が36.4mg、ナトリウムが750mgなどの栄養素がある(※)。これはにゅうめんに使うそうめんに関する数値であり、汁や具などに関しては含まれていない。

3. にゅうめんの作り方1.湯切りする方法

それでは具体的ににゅうめんを作る方法を見ていこう。にゅうめんを作るためには、そうめんは茹でたあとに素早くもみ洗いをすることが大切だといわれている。これは、そうめんの表面についているでんぷんのぬめりを取るためである。この工程を行うことで、にゅうめんにおけるそうめんののどごしがよくなり、つるっとした食感を楽しめるのである。また、そうめんの表面についた余分な塩分を落とすという効果もある。

そうめんを茹でるコツ

にゅうめんを美味しくするもまずくするも、そうめんの素材と茹で具合にかかってくる。そうめんを茹でる際の基本ともいえる、流水での冷却は基本の基である。また、そうめんを茹でる際は、できるだけ大量の水を使用したほうができばえもよくなる。湯は必ず沸騰させ、投入したそうめんはくっつかないように軽く箸でかきまぜる。そうめんの茹で時間は、ほかの麺類に比べると非常に短い。にゅうめんは茹でたあとに汁に入れるため、多少の芯があっても問題はない。逆に、クタクタに茹ですぎないよう注意が必要である。

冷水でよく冷やす

にゅうめんを作るためには、そうめんを流水で冷却するのは基本の基である。温かい汁で煮るのに、なぜわざわざ冷水で冷やす必要があるのか疑問に思うかもしれない。そうめんは、茹でたあとに流水で洗うことで麺同士がくっつくのを防ぐことができるからである。茹でたそうめんを流水にさらし、もみ洗いをすればぬめりも除去できる。冷やしたそうめんは、ザルでしっかり水を切っておこう。

汁や具材もあらかじめ用意しておく

出汁にこだわるにせよ市販のものを活用するにせよ、汁はあらかじめしっかり温めておこう。また、選択が自由な具材も、そうめんが茹であがったあとに、間を置かず上にのせられるように万全の準備が必要である。野菜や鶏肉などを煮込んだ汁を、そのままにゅうめんに使用してもコクがあって美味しい。その場合は、そうめんの塩分も含めて塩加減には注意が必要である。

4. にゅうめんの作り方2.出汁の中で茹でる方法

にゅうめんに使うそうめんは、あらかじめ茹でて冷水で洗っておくのが基本である。しかし、時短のために直接出汁で煮込んでしまいたいという誘惑にかられることも多々ある。実は、この方法でもにゅうめんを作ることは可能である。いくつかの注意点や食感の相違などは頭に入れておく必要があるだろう。

にゅうめんを出汁の中で茹でる方法

出汁を作り煮立ってきたらそうめんを入れ、火が通れば時短のにゅうめんができあがる。あらかじめそうめんを作っておいた時とは異なり、この場合のにゅうめんにはそうめんのとろみが汁に移ることは避けられない。また、出汁もそうめんに付着した小麦粉によって多少は濁ることも覚えてこう。ただし、このとろみは冬には汁が冷めにくいというメリットもある。あるいは、そうめんを多少固めに茹でておき、別の鍋に用意した出汁でほどよい固さになるまで煮込むことも可能である。冷水で洗ったそうめんよりは腰が欠けるかもしれないが、時間の節約は期待できる。

5. にゅうめんの作り方3.さらに美味しくするコツ

にゅうめんは実は、非常に気軽に作ることができる料理である。しかし、シンプルなだけに素材や出汁にこだわるとより美味になるのは自明の理である。それでは、美味しく食べるために食材にはどんなこだわりが必要なのであろうか。

そうめんの素材にこだわる

夏につるつると美味しく食べることができるそうめんの特徴とは何であろうか。極細の麺でありながらコシがあり、歯ぎれのよさを有しながら食味はあくまでも優しいといったところであろうか。こういった特徴を最大限に味わえるそうめんは、やはりブランドに多いのである。少々値段は張っても、高級なしるしの帯がついた素麺で作ると、にゅうめんにした時にもそうめんの美味しさを心ゆくまで感じることができるのである。また、細いそうめんには、全国の産地で異なる原料や製造法を駆使した歴史が込められている。その違いを、にゅうめんで味わうのも粋である。

出汁にこだわる

にゅうめんの汁は、そうめんと並んで味を決める重要要素といって間違いないだろう。素早く作りたいときには、もちろん市販の麺つゆなどを薄めて使用しても問題ない。しかし、あの細いそうめんの繊細さに合う汁といえば、やはり手作りの出汁を使うに越したことはない。昆布、かつおぶし、しいたけ、みりん、酒、塩、薄口醤油などを使って丁寧に出汁をとれば、にゅうめんも大変なごちそうになる。また、ちょっとパンチのきいた汁を作りたいときには、鶏白湯を使っても違う趣のにゅうめんを楽しめる。

具材にこだわる

にゅうめんを手際よく仕上げるには、具材もあらかじめ用意万端にしておくのがベターである。具材の選択は比較的自由で、好みの食材や冷蔵庫にある食品で応用が可能である。かまぼこやしいたけなど、常備率の高い食材も具材として役に立つ。野菜や肉を使用する場合には、こうした具材から出る旨みもにゅうめんの汁に活用するとよいかもしれない。また、夏に温かいにゅうめんを味わうにはレモンやみょうがなど、清涼感を味わえるようなパンチのきいた具材を用いるのもひとつの手である。

とろみをつけてアツアツにする

寒い冬を乗りきるために、にゅうめんにとろみをつけるのも悪くない。この場合は、あらかじめ用意してある汁に水溶き片栗粉を入れれば簡単にできる。これに、溶き卵などを加えてかき玉のにゅうめんにすれば、薬味のねぎの色も鮮やかな冬のごちそうとなる。

結論

夏の代表的な食材といってもよいそうめんは、実は年間を通じて美味しく食べることができる麺なのである。秋風が吹く時期になったら、そうめんは温かくにゅうめんで楽しむことができる。繊細なそうめんの食感とほっこりとする出汁のきいた汁の組み合わせは、夏のそうめんとは異なる魅力がある。具材でバリエーションをつければ、頻繁に楽しめる定番メニューとなることまちがいない。(参考文献)
※ 文部科学省 食品成分データベース

投稿者:井澤佐知子
監修者:管理栄養士 佐々木倫美

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