【松戸市】音訳ボランティア「松戸朗読奉仕会」声が目の代わりになる
本を開いて、書かれている文字を目で追いながら読書を楽しむ。
目が見えない・見えにくい場合は難しい行為です。
文字を音声に換えることで、読書が困難な人を手助けする団体がありました。
時代に合ったかたちで人と地域をつなぐ
「松戸朗読奉仕会」は、視覚障害のある人へ市の刊行物や著作物を音訳して届けるボランティア団体です。
1972年に発足、現在約60人が所属して活動しています。
主な活動は、松戸市から発行される「広報まつど」を音訳してCDに録音し、「声の広報まつど」として希望する人へ提供すること。
目が見えない・見えにくい人たちが自分の暮らす地域の情報を知り、社会とつながりが持てるよう、発足当初から続けている活動です。
長年の活動を通して松戸市と信頼関係を築き上げたことにより、広報の原稿は市民に配布されるより1週間早く同会に送られます。
音訳を録音したCDを、紙の広報の配布と同じ日に希望者に届けるためです。
会に原稿が送られてきたら、ルビの確認と、紙面に載っている写真をどのような言葉で説明するかを話し合います。
その後パソコンのソフトを使って録音、編集をしてCDを作成。
一つ一つ専用の袋に入れて送るまで、全て自分たちで行います。
作業のほとんどは松戸市健康福祉会館(ふれあい22)で行っていますが、コロナ禍には在宅録音が中心になりました。
2022年4月に対面での録音を再開しましたが、在宅録音は現在も継続して行われています。
音訳ボランティアがもたらした変化
同会は、他にも障害者福祉センター主催のふれあい教室「朗読をきくかい」での朗読、障害者週間イベントの参加に加え、視覚障害者の希望に応じた録音や朗読も行っています。
2023年12月に開催された「朗読をきくかい」の参加者に、同会のボランティア活動によって何か変化を感じているかと尋ねたところ、「朗読された物語を通して昔の思い出が浮かんで楽しかった」「以前はあまり本を読んでいなかったが、日常的に物語に触れる機会が増えた」と、同会の朗読を楽しみにしている様子でした。
また、「広報まつど」の音訳についても、「視野が広がる」「項目ごとに収録されているため、聞きたいところだけ聞けるのが便利」と肯定的な意見が多数でした。
同会の会員も、この朗読ボランティア活動を通して自身の変化を実感しているそうで、「地域密着型の活動で、松戸への愛が強くなった」「視覚障害のある方にどう話しかけたらいいか分からなかったが、今では声をかけやすくなった」と話してくれました。
時代とともに形を変えながらも50年以上思いを受け継いできた同会は、声で「情報」や「本を読む楽しさ」を提供する団体として、これからますます続いていくことでしょう。(取材・執筆/ハルヲ)
5月から音訳ボランティア養成講座の開講が決定!
2024年5月~2025年3月の期間、全16回の「音訳ボランティア養成講座」が開講されます。
それに先駆け、4月22日(月)に養成講座の説明会があります。
3月15日(金)消印有効で資料請求を受け付け中!
詳しくはホームページで確認、または電話で問い合わせを。
※問い合わせ
電話番号/090-8046-4190
松戸朗読奉仕会 小野
ホームページ/https://mconyaku.web.fc2.com/