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「誰かが明日を変えてくれる日はやってこない」自分で人生を楽しくするコツ

saita

「誰かが明日を変えてくれる日はやってこない」自分で人生を楽しくするコツ

「マイペース」という言葉がある。 昭和時代に生まれた者の印象としては「誉め言葉ではない」のだが、令和時代では「自分らしく」「ワタシ目線で」「自己肯定感を高める」をテーマとした書籍や記事が散見されるようになった。したがって「マイペース」は、自分らしさを貫いている憧れワードのひとつに評価が上がったんじゃないかと思っている。 結論から言えば、昭和に比べてとても生きやすくなったと感じるのだけれど、それでもなかなか「ワタシらしさって何?」と戸惑う人も多いのでは? そんな人にそっと寄り添い明日が楽しみになる素敵な本との出会いについてお話してみよう。

誰かが明日を変えてくれる日はやってこない

「Life is a Picnic」というタイトルに惹かれて、1冊の本を手に取った。

タイトルの次に刺さったのは本の紹介文の最初にあった「誰かが明日を変えてくれる日はやってこない」というフレーズ。当たり前のことだけれど、とてもシンプルに深く胸に響いた。

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物事の捉え方や生き方を指南してくれる本はたくさんあるけれど、少しばかり上から目線だったり、意識高い系の物言いに見下されている気がしたり、「ああ勝ち組の話よね」と距離を感じることもある。

それらに対して、この本は日々をキラキラに……ではなく、ほんのり温かくろうそくの炎のように照らす365のTIPSで構成されている。どこでもパッと開いたページを眺めていると「ああ今日もいい日になりそうだ」と思わせてくれる。

ライフスタイルプロデューサー 村上萌さん

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株式会社ガルテンCEO/NEXTWEEKEND代表
横浜市出身。大学卒業後ガルテンを設立。人の心を動かす距離感として大切にしていた1.5歩先の提案コンセプトを軸に、様々なプロジェクトのコミュニケーションデザインを手がける。
ライフスタイルメディア「NEXTWEEKEND」を主宰し、2022年には出身地である横浜市に1000坪の庭COMMON FIELDをプロデュース。敷地内にて “Life is a Picnic!”をコンセプトとした「GARTEN COFFEE 」を運営。
『Life is a Picnic』 ピクニックするように人生を自由に楽しくカスタマイズする365日 を出版。
著書に『カスタマイズ・エブリデイ』(マガジンハウス)、『深夜の、かけこみ横丁』(カエルム)、『受けつぎごと。』(サンマーク出版)、『週末野心手帳』(ディスカヴァー)など。アスリートである夫との結婚を機に神戸・札幌・大阪・長崎と移動しつつ、2024年より盛岡との2拠点生活を送っている。
Instagram @moemurakami_

人生もピクニックみたいに楽しめばいいんじゃない?

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まずはとても印象的なタイトルについてお話を伺った。

「以前悩み相談を受けていたことがあって、その中で学校や仕事、人間関係などのカテゴリの違いはあれど悩みそのものの本質は年齢やバックグラウンドによって変化は無く、自分の持っている個性や周りの環境、歩いてきた道に関わらず『何かが足りない』と思ってしまうことで、生きづらくなっている人が多いんだと感じたんです。そんな中で『やりたいことを見つけよう』と提案するよりも、『まずは目の前の景色を楽しもうよ』と言いたくなって。」

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ピクニックは誰かに許可を得てやるものでもなく、自分が楽しめるためにやるのがいい……と、萌さんは言葉を続ける。

「LIFE is  a Picnicというふんわり仕立ての言葉の中に『人生もピクニックみたいに楽しめばいいんじゃない』という人生の本質を込めています。誰にいいねと言われなくても、今日の気候、今の季節を味わい、持ってきたものと目の前に広がる景色や花を『きれいだね』って言いながら過ごす……裏テーマとしてはSNS大普及時代へのアンチテーゼ的な意味合いも少しあります。」

SNSとの距離感

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自己肯定感を下げてしまったり生きづらさを感じる要因のひとつとして、スマホをつい手にしてしまい、SNSで流れてくる誰かと自分を比べてしまう……という話をよく耳にする。
スマホで他人の生活をのぞき見して、つい落ち込みの原因にしてしまうより、自分の持ち物(個性)を理解してシートの上(環境)に広げてみよう、と萌さんは提唱する。

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「他者と比べるなとかいう正論はみんな分かっているはずだし、もちろん社会で生きる以上はそんなことはやめられない、ということは前提にしておかなくてはいけないと思っています。無人島で暮らしているわけではないし、他者が存在している限り比べてしまうことは仕方のないこと。でも、誰かのSNSを見て『いいな』と思ったときに、その『いいな』を参考にすればいいんじゃないかな。落ち込む材料にするんじゃなくて、自分にはない新しいアイデアとして捉えられる人はSNSを見ていてもいいと思います。他者を参考にしながら自分の目の前をもっと楽しむことができれば。ただ、そうできない場合はSNSに割く時間は減らした方が賢明です。それよりもっと自分がワクワクすることに時間を使うべきだと思います。」

ピクニック思考の原点は引っ越し

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現役Jリーガーの夫と小学生の娘の3人家族だが、夫の移籍と共に全国を渡り歩き、生活の地が変わったことも萌さんのピクニック思考とリンクしているようだ。

「場所を移動しながら『どう自分らしくいられるのか』というのがピクニック思考の原点。引っ越しでキャリアが白紙になってしまうと『せっかくここまで頑張ったのに』とパニックになりそうだけど、会社、環境、条件、住む場所に答えを求めない『シートを広げれば自分の場所』と思えるピクニック思考を持てば、どこに行っても自分らしく過ごせるんじゃないかな、と思ったんです。」

持っているものを信じる

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軽やかに生きることを自分自身で体現しながらライフスタイルプロデューサーとして活動する萌さんだが、挫折を感じた経験もある。しかしどんな時も“自分の持ち物”を信じることができた、と笑顔を見せてくれた。

「実は就活に失敗して内定がなかなか貰えなかった時も『なんとかなる私なら』って思えたんです。TOEICの点数や資格を自信にしていたら、全部落ちたときに崩れ落ちてしまうかもしれないけれど、小さな時から『食べられる木の実を知っていたり、景色のいい場所を知っている』などの経験が自信を育んできたんだと思います。誰かと比較しての自信ではなく、自分の持っているものを信じることができました。」

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目標や夢を叶えることももちろん大切だけれど、その前に自分のことにもっと目を向けて、その個性を大切にすればいい……なかなか自分の良いところには気づきにくいものだけれど、Life is a Picnicのページをめくっていると「これいいな」「やってみよう」「おいしそうだな」そんな思いがポッポッと湧いてきて、「こういうの好きだな」「できそうだな」「私ならこうしたいかも」と、自分に寄せた思考が広がる。

きっとその瞬間が「自分の持ち物をシートに広げた心のピクニック」。
外は寒い冬景色だけれど、この1冊を携えて温かな部屋で“ピクニック思考”に身をゆだねる1日を過ごしてみよう。

みやむらけいこ/ライター

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