【四国銀行×ものべすと】高知在住のイラストレーター・なかうちわかさんが描くメルヘンでふわっと柔らかな世界
四国銀行と「ものべすと」がコラボレーション
四国銀行の入り口に掲出されている素敵なポスター。
現在開催中の観光博「ものべすと」と四国銀行がコラボしたポスターなのだが、こちらを手がけているのが高知県在住のイラストレーター・なかうちわかさんだ。
アンパンマンの作者で、現在放送中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」の主人公・のぶの夫のモデルとなっている、やなせたかしさん。
ポスターでは、やなせ先生が生まれ育った物部川エリアの魅力を、水彩の柔らかなタッチで描いている。
今回は、このポスターを手がけたイラストレーター・なかうちわかさんにインタビューを行った。
「ものべすと」とは…
やなせたかしさんの故郷である香美市、育った南国市、ゆかりのある香南市という3市を博覧会会場ととらえ、1年弱の期間中、地域ならではの自然や文化、歴史、食に触れられるさまざまなイベントや企画を次々実施するもの。
ここでしか体感できないユニークな体験や地域の方々との交流が楽しめる。
なかうちわかさんにインタビュー
高知県出身のイラストレーターなかうちわかさんは、地元高知で創作活動を行っている。
-イラストレーターとしての活動はどのように始められましたか?
なかうちさん:幼い頃から絵を描くのが好きでしたが、本格的にイラストレーターを志したのは23歳くらいの時でした。それから定時で退社できる仕事に転職し、夜の時間を使って創作活動を始めました。最初はpixivやインスタグラムなどに絵を載せて、知り合いからちょこちょこ声をかけてもらうという感じでしたが、29歳の時にイラスト一本で仕事をすると決意し、現在まで活動してきました。
普段は、東京や大阪のクライアントとともに、幼児・児童向けの冊子やマスキングテープなどの紙雑貨のイラストを作成しているというなかうちさん。
高知県内の企業から依頼されて制作物を作成するのは、まだ数回という。
なかうちさんに依頼した、四国銀行担当者は「業務のデジタル化を推進している一方で、温かみを感じるものも四国銀行として大切にしたいという思いがありました。なかうちさんのイラストは、メルヘンでふわっとしているけれど深みがあり、私たちが目指したい温かさと近いと思い、今回依頼しました。」と言います。
なかうちさん:お話をいただいた時は、「本当に?」と嬉しくも半信半疑でした。四国銀行さんは身近な存在なので、家族や親戚、友人がとても喜んでくれていて、ポスターが掲出された日にはみんな写真を撮って送ってくれました。笑
-これから、イラストレーターとしてどのように活動されたいですか?
なかうちさん:幸運なことに、今は憧れていた絵の仕事ができていますが、これまでには仕事がない時期も経験してきました。また、ここ数年は思うように描けないことが多く、長いトンネルにいるような感覚を抱えていました。そんな経験を経て、誠実に制作に向き合う事や「もっとできることがあるのではないか」と試行錯誤を続けることを大切にしていきたいと考えています。これからも、地道に絵に向き合っていきたいと思っています。
繊細なタッチのイラストと同様に、人柄もふんわりと柔らかななかうちさんだが、芯を持って真摯に絵と向き合っていることがお話から伝わってくる。
四国銀行ポスターに隠れたモチーフを探そう
なかうちさんが描いたポスターには、やなせ先生や物部川エリアを連想するモチーフがたくさん隠れている。
例えば、中心のうさぎは、やなせ先生が自身のキャラクターとして描いた「やなせうさぎ」をモチーフに。
うさぎの目線の先を飛んでいる蝶は、やなせ先生が母との別れを描いた詩の中で「母のパラソルは 蝶のように 麦畑の中を遠ざかっていった」と表現されていたことから。
また、「てのひらを太陽に」の歌詞が生まれたのは、やなせ先生が机の上の電気スタンドに手をかざしたことから(諸説あり)だと言われているが、そんな照明のモチーフが机にあるなど、朝ドラが進むにつれてポスターのモチーフとリンクしていくのも楽しい。
そのほかにも、物部川エリアの市(香美市、南国市、香南市)の市花や市鳥、自然や四季の花々などが描かれている。
まだまだたくさんのモチーフが隠れているので、じっくり見て探してみてほしい。
なお、なかうちわかさんのイラストは、四国銀行アプリ上で自分の口座デザインとして選択することが可能。
※画像はイメージです。
朝ドラ「あんぱん」や観光博「ものべすと」ともに、なかうちわかさんのイラストも楽しんでほしい。
四国銀行
https://www.shikokubank.co.jp/
文/長野春子