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<母親やめてもいいですか?>学校へ行けなくなった息子。いじめ?先生も一緒に……?【まんが】

ママスタセレクト

写真:ママスタセレクト

今から十数年前、40代半ばだった私ユズキは義両親と二世帯同居をしながら正社員として働いていました。家族は夫のリョウヘイさんと、ひとり息子のコウタロウ。休みの日には読書をしたり、身体を動かしたり、家族で出かけたり。平凡ではありますが毎日を大切に過ごしていました。その幸せな日々が、ある日崩れはじめたのです。

相談してみると、ママ友はすぐ娘さんに最近のクラスの様子を聞いてみてくれました。そしてコウタロウが受けていた思わぬ仕打ちが発覚したのです。

コウタロウは私に似て、昔からくせっ毛でした。それが原因でからかわれていただなんて、申し訳ない気持ちにもなりました……。先生にとっては場を和ませるための気軽な発言だったのかもしれませんが、コウタロウにとっては「心の傷」になってしまったのです。こんなとき母親の私はどうするのが正解なのでしょうか?

息子が不登校!「何もかも母親のせい」突然の暴力に呆然

説得してみたのですが「くせっ毛」を元にしたあだ名を付けられたようで学校にネガティブになっています……。そのことについて、夫リョウヘイさんと義両親も交えて話し合いをしましたが……。

私が夫に言い返すと、「バチン」と冷たい手が私の頬を叩きました。一瞬何が起こったのか分からず頬を触りながら目の前を見ると。 私を平手打ちしたのは義父でした。さらに義父は髪の毛を掴んで私を揺さぶり……。

わき腹に激痛が走ります。隣にいた夫が私を蹴ったのです。床に倒れ込みながら、私は呆然としていました。

人から殴られるなんて、産まれてはじめてでした。コウタロウが学校に行けなくなってしまったのは、私のせい。すべて私の……。いきなりの暴力に思考が停止してしまい、私はひたすらこの言葉を反芻していました。義父も義母も夫もイライラした感情を抑えることなく、むき出しにしていてとても怖い体験でした……。

「私が不登校の息子守る」義両親と夫の暴力「負けない」

それから義両親と夫は毎朝、嫌がるコウタロウを学校に連れて行くため、無理矢理部屋から引きずり出そうとします。

私が必死に止めに入ろうとすると、すかさず義母が私を突き飛ばします。私は泣きじゃくるコウタロウを抱きしめて、夫や義母の暴力から守りました。

私が夫に言い返そうものなら、すかさず足蹴りを食らいます。私だって義両親や夫の暴力や暴言が間違っていることは分かっていました。しかしすべてはコウタロウのため……。コウタロウが再び学校に行けるようになるには「この家」にいることが最善だと思ったのです。私は仕事を辞めてコウタロウを全力でサポートする道を選びました。

暴力に耐える日々「息子をフリースクールへ」理解ない夫

暴言や暴力を受けるたび「この家を出たい」何度もそう思いました。けれどコウタロウが学校に行けるようになるまでは耐えなくては。コウタロウが自分の道を自分で切り開けるようになるまでは「この家」にいるのが最善の方法だから……。そう思って必死に日々を送っていました。

学校に行きはじめた息子、変わってしまった家族関係……

こうして学区外の中学に籍を置き、フリースクールに通いながら自宅で勉強を重ね続けました。すると中学1年生の終わり頃、コウタロウが突然「学校に行ってみる」と言い出したのです。

「コウタロウのため」と思って走ってきた4年間、私は義両親と夫からの暴言暴力にひたすら耐えてきました。その結果、私は息子以外の家族を前にすると「また暴力を振るわれる」と思って怯えてしまうようになったのです。何か物音がしただけで身体が震え冷や汗が出てくるのです。

コウタロウが学校に行けるようになって本当に嬉しかったです。「コウタロウが高校生になったら一緒に家を出よう」それだけを心のよりどころにして生きてきたのに……。目の前のコウタロウは、すでに私の知っているコウタロウではありませんでした。私はどこで間違えてしまったのでしょうか?

※学区についての規定は、地域によって異なります

罵倒と暴力の日々「心」を失くした私。人生とは何だった

本来であれば、親としてしっかりと叱らないといけない場面です。しかし私は怯えていました。

コウタロウが順調に学生生活を送れるようになったのは本当に嬉しかったです。でも私は家族の前では暴力に怯え、もう笑うことなどできなくなっていました。ここまでコウタロウのために自分を犠牲にしてきました。全てを投げうってでも、コウタロウが笑える日のために頑張ってきました。その結果がこれ……。私の人生っていったい何だったんだろう……そう思ってしまいます。

反抗的な息子、暴力的な家族、心には虚しさ「逃げたい」

今ではコウタロウまでもが義両親や夫と同じように私を罵倒し暴力を振るいます。身体が鉛のように重たくて、必要最低限の家事以外は何もする気が起きません。

コウタロウも含めて、この家の人たちは私を「人間」だとは思っていないのかもしれません。自分たちに都合の良いように動く、心のないロボットだと思っているのではないでしょうか。これ以上コウタロウの面倒は見られない……。私はこの家から「逃げたい」と思いはじめています。

「母親だから逃げちゃいけない?」自分を縛っていた言葉

コウタロウが宝物でした。この子のためなら、何でもしてあげよう。そう思っていました。今すぐにでもこの家を飛び出したいのに、まるで「コウタロウ」という鎖に繋がれて身動きが取れない状況にあるような気がしていました。

ふいに過去の自分が言った言葉を思い出した私。その言葉は今の自分を救ってくれたような気がしました。私はずっと「母親だから逃げちゃいけない」と思い続けてきたのです。でも「逃げるんじゃなくて、自分らしくいられる場所へ行く」だけ……。私はこの家、そしてコウタロウとの生活を捨てる決意をしたのです。

家を出る決意「ひとつだけ後悔があるならば」離婚へ……

そうして私は家族を捨て、コウタロウを捨て、この家から逃げ出したのでした。コウタロウをこんな環境で育ててしまったのは私の責任です。けれど成長したコウタロウはもう「私」ではなく「この家」を自分から選ぶようになっています。私は母親として、精一杯やってきた……そう思って、これからは自分の人生を歩んでいきたいと思います。

「私らしく」自分の人生を。成長した息子、笑顔で別れ

そして10年が経ちました。

いろいろありましたが、今はこの空気の美味しい場所で、深く息を吸って穏やかな気持ちで暮らすことができています。あの家での出来事も、コウタロウとの生活もきっぱりと捨てた私ですが、その決意に今さら後悔はありません。これからは「私らしく」自分の人生をしっかりと生きていきたいと思います。

【息子の気持ち】出て行った母。外の世界を知り気づいた違和感

今から十数年前、俺コウタロウには小学4年生から中学1年生まで学校へ行けなくなった期間があった。母さんは仕事を辞めて俺をサポートしていたが、父さんやじいちゃんばあちゃんに責められ、殴られたり蹴られたりしていた。高校生になった俺が同じように母さんを罵倒するようになると、ついに母さんは家を出て行ってしまった。

普段は短髪にしているけれど、湿気の多い日などは毛先が少しうねってしまう。友人からそのことを指摘された瞬間、ヤバいって思ってしまった。小学4年生のとき、このくせっ毛のせいで嫌な思いをさせられたんだ。思わずうねった部分を手で隠してしまったけれど、友人の反応は思いがけないものだった。

家では失敗など「絶対に許されない」という雰囲気があった。それを当たり前に思っていたから、家では常に身構えたり言い訳を考えたりするようになっていた。けれど俺がどんなに失敗しても、高校の友人たちはいつも優しかった。家では相変わらず父さんたちは、出て行った母さんのことをバカにしていた。

小学生のとき、俺は周りにいるのは敵ばかりだと思っていた。家でも父さんたちに責められることが多かった。けれどどんなときも味方でいてくれたのが母さんだった。母さんの優しさに包まれていたから、俺はまた外の世界に戻れたんだ。母さんがいなくなって「この家」の違和感に気づいた俺は「母さんに会いたい」と思うようになったんだ。

母が人生をかけて教えてくれた「ありがとう」

父さんやじいちゃんばあちゃんは、すべてを「母さんのせい」にして罵倒したり暴力を振るったりしていた。やがて俺も同じことをするようになった。だから母さんが出て行って「この家」の違和感に気がつくと、俺はもうこれ以上ここにいてはいけないと思った。俺のために尽くしてくれた母さんに、どれだけ酷いことをしてきたか。自分が本当に恥ずかしかった。

どんなに後悔しても、もう遅い。俺は自分のために人生をかけてくれた人を裏切ったんだ。親子だからと言って何でも許してもらえるとは限らない。それは逆の立場でも同じことが言えるだろう。母さんが人生をかけて教えてくれた最大の「学び」を、俺はこれからの人生に生かしていきたいと思う。


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