【東京散歩コース】御茶ノ水・神保町〜本・グルメ・スポーツ・楽器、とりどりの顔を持つ趣味人の街〜
御茶ノ水駅の北には神田明神と湯島聖堂があり、街並みにも落ち着きが感じられる。一方、南は明大、日大、専修大などを擁する学生街であり、楽器店街でもある。若者の姿が多く、街に活気を感じられる。線路を隔てて南北でまったく表情が異なるのが面白い。明大通りの坂を下れば靖国通りに出る。通りの南側は本好きを魅了する神保町古書店街。周辺は人気の飲食店も多いグルメタウンでもある。神田方面に進めばスポーツ用品店が立ち並ぶ。このエリアは、歩を進めるたびに街の様子が変化する。食いしん坊なら、神田須田町一帯に残る老舗飲食店も見逃せない。グルメ雑誌の常連ばかりで、店選びも迷ってしまいそうだ。
【散歩コース】
スタート:御茶ノ水駅はJR中央線で東京駅から4分・150円、新宿駅から9分・180円。地下鉄丸ノ内線で池袋駅から11分・210円、大手町駅から4分・180円。
JR中央線・総武線・地下鉄丸ノ内線御茶ノ水駅→(8分/0.5㎞)→神田明神(神田神社)→(9分/0.6㎞)→湯島聖堂→(6分/0.4㎞)→ニコライ堂→(3分/0.2㎞)→明治大学博物館→(すぐ)→阿久悠記念館→(6分/0.4㎞)→神保町古書店街→(8分/0.5㎞)→神保町シアター→(13分/0.9㎞)→神田須田町→(4分/0.3㎞)→旧万世橋駅→(7分/0.5㎞)→JR・地下鉄・私鉄・つくばエクスプレス秋葉原駅
ゴール:秋葉原駅からJR山手線で上野駅まで3分・150円、東京駅まで4分・150円。地下鉄日比谷線、つくばエクスプレスも利用できる。
今回のコース◆約4.3㎞/約1時間/約5600歩
朱塗りの社殿は登録有形文化財「神田明神(神田神社)」
天平2年(730)創建。江戸時代、江戸の表鬼門を守る江戸総鎮守として篤く信仰された。神田・日本橋・大手町・丸の内など日本の都心を守る氏神様である。2年に一度斎行される神田祭は江戸三大祭の一つ。
「神田明神(神田神社)」詳細
神田明神(神田神社)
住所:東京都千代田区外神田2-16-2/営業時間:参拝自由(神札所は9:00〜17:00、無休)/アクセス:JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩5分
敷地全体が国の史跡に指定される「湯島聖堂」
徳川5代将軍綱吉が儒学振興のために元禄3年(1690)に創立した聖堂。寛政9年(1797)に幕府直轄の昌平坂学問所を開設。近代教育の発祥となる。
「島聖堂」詳細
湯島聖堂(ゆしませいどう)
住所:東京都文京区湯島1-4-25 /営業時間:9:30〜17:00(10〜3月は〜16:00。大成殿内部公開は土・日・祝の10:00〜)/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩2分
明治中期竣工の東京復活大聖堂「ニコライ堂」
日本に正教会を伝道したロシア人大主教ニコライの名に由来する。日本最大のビザンチン・リバイバル様式建物で国の重要文化財。
「ニコライ堂」詳細
ニコライ堂
住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-3/営業時間:聖堂拝観13:00〜16:00(10月〜3月は〜15:30)/定休日:無(事務所は月・祝)/アクセス:JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩2分
刑罰具などの展示が珍しい『明治大学博物館』
伝統的工芸品を中心にした「商品」、法と刑罰について解説する「刑事」、旧石器時代から古墳時代の出土品を展示する「考古」の3部門からなる。
『明治大学博物館』詳細
明治大学博物館(めいじだいがくはくぶつかん)
住所:東京都千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモンB1/営業時間:10:00~16:30(土は~15:30)/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩5分
歌謡史に名を刻む作詞家の記念館『阿久悠記念館』
作詞家・作家阿久悠は明治大学の出身。遺族から寄贈された自筆原稿やレコード、書籍、映像など約1万点の資料を中心に展示する。
『阿久悠記念館』詳細
阿久悠記念館(あくゆうきねんかん)
住所:東京都千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモンB1/営業時間:10:00~16:30(土は~15:30)/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩5分
本好きの宝箱、世界一の本の街「神保町古書店街」
明治10年(1877)頃、近くにあった法律学校の学生のために書店ができたのが始まり。大正時代に「岩波書店」の創業者・岩波茂雄が古書店を開店させて以来、現在のような街並みになっていった。現在は、約180店の古書店があり、世界にも例を見ない本の街を形成している。
「神保町古書店街」詳細
神保町古書店街(じんぼうちょうこしょてんがい)
住所:東京都千代田区神田神保町/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩1分
近未来感ある建物の名画座『神保町シアター』
昭和の文芸作品を中心に懐かしい映画が観られる。99席と規模は小さいが、客席には傾斜がつき、座席が広めで鑑賞しやすい。こだわりの作品選定も魅力。
『神保町シアター』詳細
神保町シアター
住所:東京都千代田区神田神保町1-23 神保町シアタービルB1
老舗が立ち並ぶグルメ街「神田須田町」
神田須田町は戦災から免れたため、戦前の建物が残されている。このエリアには『かんだやぶそば』『まつや(そば)』『珈琲ショパン』『竹むら(甘味)』『ぼたん(鳥すきやき)』『いせ源(あんこう)』『松栄亭(洋食)』など、江戸~昭和初期に開業した飲食店が点在し、グルメ街を形成している。
明治〜昭和前期に使用された駅の跡「旧万世橋駅」
万世橋に隣接するレンガ造りの建物は旧万世橋駅。明治45年(1912)に造られたホーム部分や階段が残り、館内には万世橋駅ジオラマ模型を展示。
「旧万世橋駅」詳細
旧万世橋駅(きゅうまんせばし)
住所:東京都千代田区神田須田町1-25-4 マーチエキュート神田万世橋内/営業時間:11:00~22:00(日・祝は~20:30。ジオラマ展示「LIBRARY」は~20:00)/アクセス:JR・地下鉄・つくばエクスプレス秋葉原駅から徒歩4分
【御茶ノ水・神保町グルメを堪能!】
美食家として名高い池波正太郎も愛した手打ちそば『神田まつや』
明治17年(1884)創業の老舗。店舗は関東大震災後に建てられた和風建築。国産ソバを殻付きのまま石臼でひいたひきぐるみなので香り高い。カツオ出汁のきいた濃いめのつゆが下町風だ。もりそば880円。
『神田まつや』店舗詳細
神田まつや
住所:東京都千代田区神田須田町1-13/営業時間:11:00~20:00LO(土・祝は~19:00LO)/定休日:日/アクセス:地下鉄丸ノ内線淡路町駅・新宿線小川町駅から徒歩2分
カレーの街の南インドカレー『三燈舎』
シェフの出身地である南インド・ケララ州のミールス(定食)や軽食を中心にした南インド料理店。3種の日替わりカレーとラッサム、サンバルが付く平日ランチのミールス1200円。
『三燈舎』店舗詳細
三燈舎(さんとうしゃ)
住所:東京都千代田区神田小川町3-2 古室ビル2F/営業時間:11:00~15:00LO・17:30~21:00LO/定休日:月/アクセス:地下鉄新宿線小川町駅・千代田線新御茶ノ水駅から徒歩6分
【街探検】本好きの聖地には、軟派も硬派も魅了する専門店がひしめく!「神保町古書店街」を歩こう
神保町は、世界最大の古書店街。この街の古書店の特徴は、各店が専門分野を持っているということ。大学教授や専門家が求めるような学術性の高いものから、アイドルや漫画、さらにアダルト系など、その分野は多岐にわたる。
『大屋書房』は古地図・浮世絵が専門。店内はまるで資料館のようだ。『呂古書房』は珍しい豆本の専門店。『古書BIBLIO』はスポーツ系が中心でスター選手のサイン色紙もある。
『ボヘミアン・ギルド』は美術・版画などが中心で、店内には椅子もあり、のんびり本選びができる。『ARATAMA新店』はアイドル系中心で、80年代のアイドルの写真集なども多くそろう。
また、毎年秋には神保町ブックフェスティバルや神田古本まつりも開催される。神保町は本好きにとっては、宝探しのような魅力満載の街だ。
取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きたい人のための 東京散歩地図』より