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田代万里生&小野田龍之介らが紡ぐ、日本とベトナムの物語 ミュージカル『アニオー姫』囲み取材レポート

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ミュージカル『アニオー姫』~ Hẹn gặp lại 再び~囲み取材

日本の商人とベトナムの王女の国や身分を越えた愛と絆を描く、ミュージカル『アニオー姫』~ Hẹn gặp lại 再び~が、2026年9月12日(土)からKAAT神奈川芸術劇場で開幕する。9月9日(水)には、囲み取材が行われ、田代万里生、小野田龍之介、音くり寿、ドー・ファン・ザ・ハンが公演への思いを語った。

本作は、「長崎くんち」の演目として、長崎で現在まで語り継がれている史実に着想を得て作り上げる、新作ミュージカル。17世紀初頭の大航海時代、交易で賑わう港町ホイアンで、日本の長崎からやってきた商人、荒木宗太郎と、人々に愛される王女、アニオー姫(ゴックホア姫)とが運命的に出会い、心を通わせていく姿を描き出す。荒木宗太郎を田代と小野田、アニオー姫(ゴックホア姫)を音くり寿とドー・ファン・ザ・ハンがそれぞれダブルキャストで演じる。

田代万里生

囲み取材では、まず田代が挨拶。「今日は劇場入りする前に、劇場の徒歩圏内にある大さん橋と山下公園に行って、海と船を眺めてから入りしました。ぜひ、観客の皆さんもせっかくの横浜ですので、横浜の海を眺めてから、劇場でご覧いただきたいなと思います。舞台を観た後に見る海も景色が違って見えると思います。400年前の物語ですが、普遍的なことが描かれていて、尊い日常こそが幸せなんだと思える作品になっています」といい、「個人的には、ミュージカルでは初めての日本人役に挑戦しておりますので、ぜひそれも注目していただきたいと思っています」と茶目っ気たっぷりに話して笑わせた。

音くり寿

また、音くり寿は、「(作曲を担当した)チャン・マィン・フン先生の音楽が素晴らしくて、美しく、心が清らかになるような気がしました。観ていただく皆さまも、この劇場を出る際には、心が温かくなるような、洗われたような気持ちになると思いますので、ぜひ、元気になりたいとか、前を向きたいという方に観に来ていただけたら嬉しいです」とアピール。

ドー・ファン・ザ・ハン

ドー・ファン・ザ・ハンは「私は外国でこうした作品に出演するのは初めてです。すごく緊張していますが、キャストの皆さん、チームの皆さんが本当に良くしてくださって、幸せ者だと思っています。ミュージカル『アニオー姫』を通して、皆さまに温かい気持ちを伝えられたらと思っています」とコメントを寄せた。

小野田龍之介

そして、小野田は「一幕はベトナムを中心に、二幕は日本を中心に描かれていますが、この企画自体が、我々日本キャストの中にハンさんがベトナムからいらして入ってくださっていたり、音楽やベトナム版の脚本をベトナムの方が書いていたり、すべての面で日本とベトナム両国から、いろいろな方々が携わっている作品になっています。なので、普段、出演している作品とは、音楽の聞こえ方や描かれ方が一味も二味も違っていて、また新しいものを感じていただけるのではないかと思っています。今回はミュージカルとしてこの物語が、そして芸術、演劇というものがたくさんの方々に広がっていけばいいなと思っております」と本作への思いを語った。

日本での舞台出演は初めてとなるドー・ファン・ザ・ハン。日本での稽古や生活について聞かれると、「外国に長い時間、住むのは初めてで、家族と離れて父や母に会いたい気持ち、帰りたい気持ちもありましたが、日本の方々の良いところを知り、たくさんのことをしていただきました。キャストの皆さん、チームの皆さんのおかげです。初日を楽しみたいと思います」と笑顔を見せた。

ミュージカル『アニオー姫』~ Hẹn gặp lại 再び~囲み取材

2023年の日越外交関係樹立50周年を記念してオペラとして上演された物語を、今回、新たにミュージカルとして作り上げた本作だが、「新たに作り出す難しさがあったのでは?」という質問が挙がると、小野田は「難しいことはないです。時代が変わっても、人が人を思う気持ちや愛、国と国との繋がりは変わらないので。ただ、この作品の制作を含めクリエイティブの方々はこのアニオー姫と荒木宗太郎の物語、日本とベトナムの友好についてすごく熱い思いを持っていらっしゃる。我々は恥ずかしながらそのことはほとんど知らなかったですが、非常に熱い思いを語っていただきました」と振り返る。さらに、「ベトナムに伺わせていただいたときに、朱印船のところで撮影をしていたら、長崎からベトナムにいらっしゃっていたご夫婦の方がいて、僕たちが日本人と分かって、アニオー姫と荒木宗太郎の物語をわざわざ説明してくれたんです」とベトナムでの思い出を明かしつつ、「ハノイや長崎の方は、この物語を現代にも伝えようとしてくれている。それくらい、地に根付いている愛や友好の物語だと強く感じました。そんな美しい物語を、現代によみがえらせて、日本でオリジナル作品として作れることは非常に光栄なことですし、身が引き締まる思いがありました」と力を込めた。

音くり寿からは、「ベトナムの女性を演じさせていただく上で、ハンちゃんからたくさんのことを学ばせていただきました。最初は、ベトナムのアニオー姫みたいな方とのダブルキャストということで、とても緊張していたのですが、出会った瞬間に仲良くできて。技術的なことも、文化的なことも教え合って、国は違えど通じるところがあったり、彼女に助けられて、仲良く取り組めたなと思うところもありました。難しいこともありましたが、すごくいい思い出になりました」とドー・ファン・ザ・ハンとの稽古場でのエピソードも。

そのドー・ファン・ザ・ハンは「荒木宗太郎とアニオー姫の愛の物語は、すごく良いお話だと思っています。特にミュージカルは特別で、ユニークな作品です。この作品は日本とベトナムの音楽、文化が合体して作られた物語であり、先生方のお陰でその作品がよりもっとベトナムと日本を繋げる作品になっていると思います」と言及した。

そして、田代は「やはり世界初演、日本初演なので、生みの苦しみはありました。楽曲も新たに書き下ろされていますし、シーンも新たに書き換えられています。(台本/作詞(ベトナム語)の)ハー・クアン・ミン先生、そして(総監督・演出・台本・作詞(日本語)の)大山大輔先生が脚本を作る過程でも、僕たちキャストの意見を反映していただきました。実際に、長崎、ホンヤン、それぞれのゆかりの地を訪ねることもできたので、その残り香をカンパニーの皆さんにもお伝えできたらいいなと思いながら演じています。日本人の方が観ても、ベトナム人の方が観ても、『これは自分たちの物語なんだ』と誇りに思える物語にしようということをシェアしながら作ってきました。本当に素晴らしい作品になっておりますので、今回見逃したらもったいないよとたくさんの方にお伝えしたいです」と自信をのぞかせた。

ミュージカル『アニオー姫』~ Hẹn gặp lại 再び~は、2026年9月12日(土)~ 9月27日(日)(プレビュー公演:2026年9月11日(金))KAAT神奈川芸術劇場<ホール> にて上演。

取材・文・撮影=嶋田真己

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