【川崎市幸区】日吉中生ら 拉致問題で人権学習 横田めぐみさんの弟・拓也さんが講演
拉致問題への若年層の関心を高め、人権について考えを深めることを目的とした「KawasakiYouthMeeting」(主催:川崎市、市教育委員会)が11月7日、日吉中学校で開かれた。姉の横田めぐみさんを北朝鮮に拉致された横田拓也さん(57)が登壇し、これまでの経緯や思いを詳述。生徒らは真剣な眼差しで拓也さんの話に聞き入った。
拓也さんは、めぐみさんが拉致された当時の状況や、その後の政府の対応、北朝鮮工作員の目的などを講演。48年もの長い時間、めぐみさんを取り戻せていないことに悔しさをにじませながら、「日本は主権国家。私たち一人ひとりに主権がある。その権利を行使して政治を動かすことができるかどうか、試されている」と語り、行動で示すことの大切さを訴えた。
講演を聞いたのは、会場に足を運んだ日吉中の3年生約130人のほか、別室でライブ配信を視聴した同中学校の1・2年生、南大師中、高津中、はるひ野中の生徒など。質疑応答では、日吉中の3年生から「次の世代にこの問題を伝えていく上で、どんなことが必要か?」などの質問が飛び出し、拓也さんは「(拉致被害者の生存と救出を信じるシンボルの)ブルーリボンを付けたりして、意思表示をすること」など具体的なアドバイスを送った。
生徒代表として発表を行った八田桃さん(15)は、「講演を聞いて胸が苦しくなった。当たり前の毎日に感謝するとともに、(人権を持つ自分が)行動しないことも罪深いのだと気づいた。友達同士で話すなど、具体的な行動に取り組みたい」と思いを述べた。拓也さんは「めぐみが拉致された年齢とほぼ同い年の子どもたちに話ができ、貴重な機会だった。自分や自分の家族に置き換えて、考えてくれれば」と願いを込めた。
「高市内閣に期待」
拓也さんは、高市早苗総理が11月3日の全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会に出席し、「北朝鮮側には首脳会談をしたいと伝えた」と発言したことにも触れ、「交渉が簡単な相手ではないが、大いに期待している」と述べた。