町田の中高PTAら いじめ防止運動を推進 ピンクシャツで啓発
町田市内の都立高校、市立中学校それぞれのPTA連合会が、「ピンクシャツデー」運動に取り組み始めた。ピンクのシャツや小物を身に着けて、いじめ防止を呼びかけるもので、町田市都立学校交流会(八校会)の宇賀神直子会長(小川高校)は「活動に興味持ってもらい、いずれは市内全体に浸透させたい」と話している。
ピンクシャツデー運動は、カナダで始まったいじめ反対運動が始まり。ピンクのシャツを着て登校した男子生徒がいじめを受けたことを知った上級生がいじめへの抗議の意思をもち、「一緒にピンクシャツを着よう」と呼びかけ、広がっていったもの。2月最終水曜日をピンクシャツデーとして、今では世界中で取り組みが行われている。
できることから
市内では昨年10月、八校会の交流会を起点として「できることから始めたい」と取り組みがスタート。町田市立中学校PTA連合会(中P連/鈴木桜子会長・鶴川中)もその運動に賛同する形で先月から取り組みを始めたという。
小川高では周知していくため、専用のクリアファイルを配布していく予定といい、宇賀神会長は「ピンクシャツの取り組み・存在を知ってもらえれば。活動に興味持ってもらい、いずれは地域、町田市全体に浸透させていきたい」と話す。
一方、中P連では今後、会議のレジュメや名札のストラップにピンク色を取り入れるなど、取り組みを進めていくという。鈴木会長は「強制で行うのではなく、日常的にピンクのものを身に着けるなど、個人でできることを進められればと思う。子どもたちに、互いを認め合うことの大切さを伝えていければ」と話している。
悩み複雑化
SNS上でのトラブルが急増するなど、いじめに関する子どもたちの抱える悩みは以前と比べ、「複雑化しているように感じる」と宇賀神さん。スクールカウンセラーの常駐率が上がるなど、学校・教員によるいじめ防止に関する取り組みが進む一方で、自分のクラスに足を向けることのできない子どもたちが通う保健室が、「満床になっている事例も耳にする」と鈴木さんは指摘する。「子どもたちが発信するSOSに応えるためにも、私たちが学校と地域をつなぎ、支援の力を強めていくことが必要だと考えています」と話している。