リーダーを保護するための「絡み止めパイプ」使うのはアリか?ナシか?
PEラインを使用するルアーフィッシングを楽しむとき、たいていの場合はナイロン製かフロロカーボン製か、どちらかのショックリーダーを結節するはずだ(リーダーなしでPE直結の人もいるみたいだけどね…)。
もちろん私も結節するのだが、歯が鋭い魚をねらうときには「さらなるひと工夫」をするようにしている。それが「絡み止めパイプ」だ。
タチウオの鋭い歯にリーダーを切られないようにするには…
そもそもの発端は、沖縄に転居してから始めたタチウオのルアーフィッシングだ。ものすごくザックリとした表現になるが、沖縄本島では何だかんだで1年中タチウオが釣れる。しかも岸際で、3~4mほどの水深があれば釣れてしまうので、オカッパリからでも十分に楽しめるのだ。私もバイブレーションやメタルジグ、ワインドリグなどをキャストしてはグリグリ巻いてを繰り返し、一時期は夕方にチョロっと行けば最低でも1本は釣っていたのを覚えている。
みんな大好きタチウオは、沖縄でもよく釣れる人気のターゲット。もちろん歯が鋭いのは沖縄のタチウオも一緒で、何の前触れもなく「スパッ!」とリーダーが切られることも。ああ…大事なルアーがどんどんなくなっていく…(涙)
ただ…やっぱり切られるのだ、リーダーが。あの鋭い歯でスパッと…。もちろん可能な限り太いラインを使うとか、根ズレ対策が施されているラインを使うとか、最終手段でワイヤーを使うとか…対策はいろいろある。そんななかで…熟考した末に私が選んだのは、リーダーに「カラミ止パイプ」を装着することだった。
本来はエダスがモトスに絡み付くのを防止するためのお助けアイテム
「カラミ止パイプ」とは釣具メーカー「東邦産業」が発売している商品で、本来の目的はキス釣りなどの仕掛のエダスを覆うように装着して、食い付いたあとに魚が暴れてもエダスがモトスに絡みつくのを防ぐというものだ。
当然ながら、ナイロンラインはもちろんフロロカーボンラインよりも硬く、それらを覆うものなので太い。コレでリーダーをカバーすれば、いくらギャンギャンに鋭いタチウオの歯でも切られることはないんじゃないか…そう考えたのだ。
東邦産業の「カラミ止パイプ」。写真は「透明」のモデルだが、ほかにも「赤」と「超!ケイムラ」の全3色のラインナップ。内径は0.6mm、0.8mm、1.0mm、1.5mm、2.0mmの5種類を用意
ただ、ルアーマンの方々は「切れないかもしれないけど…魚からラインが見え見えだろ!」とか、「それならもっと太いリーダーを付ければイイのでは?」とか、いろいろと懐疑的な部分も多いはずだ。
というのも、これは正解かどうかわからないが、とくにルアーフィッシングの場合、ラインの存在は可能な限り魚から認識されないようにするのがセオリーとなっているように思えるからだ。
ナイロンリーダー10号に、カラミ止パイプ内径0.8mmを装着した例。ルアー交換がかんたんにできるようにスナップを装着。PEライン側はウキ止めゴムを通して固定することで、カラミ止パイプがズレるのを防止している
魚からラインは見えているハズ。それでも自制できずに食ってしまう!?
が、私から異論反論オブジェクション!! もし、魚がラインの存在感の有無で食うか食わないかを判断しているのなら、前述にあるキス釣りの仕掛にもキスは食わないのではないか? あくまでもキス釣りの仕掛に対する想像だが、絡み止めパイプを付けない“素の状態”のエダスの方がラインの存在感は薄いはずで、キスも食いやすいはずだ。
それでも絡むのを嫌って絡み止めパイプを付けるということは、食いに大した影響がないからではないか? もしくは影響があっても「釣れない」というほどのものではないからではないか?
パッケージのイラスト部分をアップしたもの。少々デフォルメは入っているが、キスのサイズに対して絡み止めパイプの存在感はそれなりに大きいはず。それなのに食ってくるということは…ラインが見える、見えないは食いには関係ない!?
もちろんキス釣りはエサ釣りなのでルアーフィッシングと一緒くたにはできないし、そもそも私は専門家でも釣りプロでもないので、ド素人の戯言と言われても反論の余地もない。それでも、エサ釣りだろうとルアーフィッシングだろうと、「魚が食いついてしまう仕組み(?)」や「それ自体が真実かどうか分からない…」まま、自分の中では「こういうことなんだろう」と思って、いつも釣りを楽しんでいる。
それは……(魚からすれば)「分かっちゃいるけど、ヤメられない」というコト。
つまり、ラインが太かろうと細かろうと、魚はその存在を認識している。しかし、強烈な食欲が自制心を打ち負かすのか、それとも動くものに本能的に飛びついてしまうのか、危険だとは分かっていても抑えられずに食い付いてしまう魚だけが、残念ながら釣られてしまうのだと考えている(釣れ続くときは、群れ全体がオカシな状態になっているのかも)。
そんな考えのもとに編み出した絡み止めパイプを装着したリーダーシステムのお陰で、タチウオゲームではリーダーが切れるということは皆無になった(もちろん、釣果も出ています)。
現在では執心しているバラマンディ釣り堀にも使っていて、このシステムを導入する前までは、数尾釣ってはザラ付いたリーダーを結び替えるという作業がひじょうに面倒だった。しかし、導入後はザラザラの歯で絡み止めパイプが擦れてもリーダーそのものは一切傷付かないので、リーダーを結び替えるという作業がほとんどなくなった。
バラマンディ釣り堀で、ノーシンカーワームのボトムズル引きに食ってきた60cmクラス。これだけ太いモノがワームと一緒に動いていれば、バラマンディの眼には確実に見えていると思うのだが…それでも躊躇なく食ってくる
こちらは台湾でのグルーパー。バス持ちなんてしたら流血ダラダラのトゲトゲ歯だが、御覧のように絡み止めパイプでカバーされていれば、ルアー丸飲みでリーダー部分が擦れても切れる心配はまったくない
タイのチャドー(ライギョの仲間)も歯が鋭いだけでなく、その突っ込みは凄まじい勢いだが、PE1.5号&ナイロンリーダー5号でも絡み止めパイプのカバーがあれば切られる心配がなく、楽しいファイトができた(カバーが少ないという条件ではあるが)
「食いが超イイ!」「何を投げても釣れる!!」ときには試してみるのもアリ!
ということで、歯が鋭い魚を釣るときに使う、絡み止めパイプを装着したリーダーシステムについて思うままに語ってみた。
まあ、あえて言及する必要もないだろうが、超ハイプレッシャーなトーナメントシーンなどはラインの存在も釣果を大きく左右するそうなので、使えないのは言うまでもない。ただただ楽しく釣りたい、リーダーを何度も結び替えたくないという方は、試してみてもイイかも…しれない。
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レポーター
プロフィール:くどぅちゃん
バイク雑誌→釣り雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライター&編集者に。個人的な趣味としてもバイク&釣りを楽しんでいるが、完全にヘタの横好きで費用対効果がひじょうに悪いのが悩みドコロ…。