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「アニサキスに3度当たった!」 都市伝説的な民間療法の効き目は果たして?

TSURINEWS

魚の身に潜むアニサキスに注意(提供:PhotoAC)

美味しいお刺身に潜む小さな悪魔「アニサキス」。通算3度(疑わしい例も含めればそれ以上)アニサキスに苦しめられた経験を持つ筆者の、体を張った体験談です。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

2週間で2度の「アニサキス大当たり」

私が初めてアニサキスに“当たった”のは、今から10年近く前のこと。それも、わずか2週間たらずの間に2度続けてという“大当たり”でした。これが宝くじだったら、どんなに嬉しかったことでしょう。

1度目は、とある居酒屋で〆サバを食べて。〆サバはほんのりレアで、実に美味でした。

けれどその翌日、耐えがたい胃痛に襲われ仕事を早退。駆け込んだ病院で内視鏡検査を受け、あっさり「アニサキスですね」と判明しました。キリキリと刺されるような未経験の痛みだったので、自分ではてっきり胃潰瘍か何かだと思っていました。

摘出してもらったアニサキス(撮影:アル)

2度目はそのわずか10日ほど後、別の居酒屋で活イカの刺身を食べた時のこと。まだ動いている新鮮なイカ刺の誘惑に抗えず、美味い美味いと舌鼓を打ち、その夜……。

このときは旅行先だったので、深夜、泊まっていたホテルの寝床で悶絶。翌朝、急きょホテル近くの内科に駆け込み、これまた内視鏡でアニサキスを検査&除去してもらいました。

3度目のアニサキス

胃アニサキス症に罹患してしまったときの確実な治療法は、「病院に行って内視鏡で除去してもらう」こと。それまでの苦痛や不快感から一転、摘出が完了した後の爽快感はある意味でクセになります(なるな)。

とはいえ、内視鏡検査の治療費はなかなか高額。お腹も痛いが財布も痛い。「もう生の刺身を食べるのはやめよう!」と何度も心に誓いつつ、それでもやっぱり、美味しい魚の魅力には抗えないものです。

刺身(提供:PhotoAC)

そんなわけで4年ほど前、今度はスーパーで買ったお刺身を食べ、みたびアニサキス症に罹患しました! 幸か不幸か、折しも時代はコロナ禍で当面在宅勤務。自宅でじっとしていればなんとかなると思い、このときは病院に行かないで様子を見ていました。

色々と試してみるものの痛みは変わらず

しかし、断続的に襲ってくる鋭い痛みをなんとかできないものか……せめて夜、寝ている間だけでも胃痛を抑えて安眠したい……。そう考えて「正露丸を飲む」「お湯を飲む」「お風呂に入る」などなどの悪あがきを毎晩とっかえひっかえ試し(※真似しないようにしましょう)、数日後にようやく症状がおさまりました。

残念ながらこれらの悪あがき的素人療法についてはどれも「明らかに効果があった!」と言えるほどではありませんでした。

正露丸は飲んでからしばらくは症状が緩和したような気もしますが、いわゆるプラシーボ効果なのかもしれません(「アニサキスへの殺虫効果がある」という研究結果もあり)。また、お風呂に入ったらリラックスしてしっかり眠ることができましたが、胃の痛みは変わりませんでした。

アニサキスが疑われるときは病院で治療を

いろいろな素人療法を試してみたうえで私が言えることは「アニサキス症が疑われて症状がひどいときは、きちんと病院に行きましょう」です。

前述の方法以外にも、「魚肉をもう一度食べれば、アニサキスも居心地のいい魚肉に戻るのでは」と思い、養殖サーモンの刺身をモリモリと食べたりもしました……。そんな「二日酔いには迎え酒」のような奇天烈な発想すら浮かんでしまうほど、アニサキス症の胃痛は辛かったです。

治療費はかかりますが、内視鏡での摘出がやはりもっとも確実です。筆者の場合はあの苦痛・不快感から嘘のように解放されました。

病院(提供:PhotoAC)

アニサキスは人体の中では長く生存することができず、数日~1週間程度で死滅するため、症状が軽いならば「ただひたすらに耐える」という選択肢もあるとは思います。

しかし、アニサキス症の場合、直接の胃痛以外にも「アニサキスアレルギー」(アナフィラキシーショック)の怖さもありますので、あまりにも症状がひどいときは、やはり病院に行くべきでしょう。

お刺身は美味しいがアニサキスは怖い

我々にとって身近で厄介な存在でもあるアニサキス。確実にその脅威を回避するには「魚を生で食べないこと」ですが、やはりお刺身は美味しいですよね。

「お刺身を買う際は1度冷凍されたものを選ぶ」とか「アニサキスの寄生率が高い魚種は生で食べない」といったことである程度の自衛は図れますし、最近ではアニサキスが紫外線ライトに反応することを応用した「アニサキスライト」といった製品も開発されています。

できる限りの知恵と工夫でアニサキスを正しく恐れ、安心して魚食ライフを楽しみましょう!

※筆者は医療関係者ではなく、この記事は必ずしも正確な医学情報に基づかない可能性があります。疑わしい症状の際はすぐに病院へ行きましょう。

(サカナトライター:アル)

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