猫の鼻に『黒いもの』がついている5つの原因 シミやほくろ…軽く見ないほうがいい場合も
猫の鼻にある「黒いもの」の原因5選
1.シミやほくろ
猫も人間と同じように、シミやほくろができることがあります。体は被毛に覆われているのであまり見ることはありませんが、鼻や口周りにできた場合は目視することができます。
シミは皮膚の細胞が新しくなることで消えることがありますが、ほくろは一度できると消えることはありません。
どちらも健康に影響はありませんが、ほくろが盛り上がって来たり、赤く腫れるような状態になると悪性腫瘍の可能性があるので注意が必要です。
2.かさぶた
鼻に傷ができたとき、黒いかさぶたができることがあります。怪我をする理由はさまざまですが、虫刺されによるアレルギーでかさぶたができている場合は注意が必要です。
虫に刺されることで皮膚のただれや脱毛といったアレルギー症状が出ることがあります。症状によってはステロイドの投薬が必要になることもあるようです。
原因となっている蚊やノミといった虫を部屋に入れないようにしましょう。
3.悪性黒色腫(悪性メラノーマ)
黒色腫(メラノーマ)とは、メラニン細胞に発生する腫瘍のことで、ほくろのように見えることがあります。
鼻以外にも、口や耳、目にできることもある腫瘍で、出血や潰瘍(かいよう)を伴うこともあるようです。メラノーマには悪性と良性がありますが、猫に発症するのはほとんどが悪性であると言われています。
メラノーマが猫に発症することは稀ですが、猫の鼻にほくろのようなものができたときは、獣医師に相談するようにしましょう。
4.皮膚糸状菌症
糸状菌とはカビのことを指します。猫の鼻にカビが発生することで、脱毛やかさぶたが生じるのが特徴です。
免疫力の低い子猫に発症しやすいと言われ、鼻先や耳、手足の先が脱毛してフケが出ることもあります。
治療に1~4ヵ月ほどかかり、皮膚糸状菌症にかかった動物に触れることで人間にも感染する「人畜共通感染症」です。治療の際は隔離や消毒を徹底する必要があります。
5.汚れの付着
鼻に付着したゴミやほこりなどが固まると「鼻くそ」になります。かさぶたのようにも見えますが、多くの場合放置していても勝手に取れてしまうものがほとんどです。
表面に出てきているものであれば、濡らした綿棒やコットンで優しく拭き取ってあげるようにしましょう。
鼻くそが健康に影響を与えることはありませんが、鼻水や鼻くその量が多い場合やくしゃみ・鼻血が出るときは病気の可能性があります。
部屋の空気が悪いと鼻くそができやすくなるので、定期的に換気や掃除をして清潔な環境を維持できるようにしましょう。
猫の鼻の「黒いもの」が病気かどうか見分けるポイント
シミやほくろであれば問題はありませんが、以下のような症状が出る場合は獣医師に相談する必要があります。
✔大きく盛り上がっている
✔いびつな形をしている
✔赤くただれている
✔脱毛している
✔出血している
✔気にして掻いてしまう
これらの症状が出ている場合は、病気や悪性腫瘍になっている可能性があります。
また、免疫力が低下することで感染症にかかり上記のような症状が出る場合もあるので、日頃から飼い猫の様子をよく観察して些細な変化も見逃さないようにしましょう。
悪性腫瘍の場合、放置すると治療が難しくなってしまう場合もあるので、ほくろができてしまった場合は症状の有無にかかわらず獣医師に相談するようにしてくださいね。
まとめ
シミやほくろ、かさぶたなどは基本的に害はありません。しかし、悪性のものや感染症と区別するのが難しいので厄介です。
そのため、猫の様子をよく観察することで異変を見つけ出す必要があります。
愛猫が体調を崩してしまう前に、早期発見・早期治療ができるようにしていきましょう。
(獣医師監修:平松育子)