【木更津市】潮干狩りシーズン到来!地元漁師直伝のコツとアサリの持ち帰り方・保存方法
2024年3月24日から、今年も千葉県木更津市にある5つの潮干狩り場が順次営業を開始します。それに先立ち、3月12日(火)に木更津海岸でアサリの試し掘りが行われました。潮干狩りといえば、子どもが小さい頃に行った遠い記憶があるばかり。果たして大人の私一人で行ったらどんなもんなのか…などと思いつつ参加したら、これがめっちゃ楽しかったんです! そこで今回、最新の潮干狩り情報とともに、地元漁師さんに聞いた潮干狩りの極意から意外と知らないアサリの取り扱いや保存方法まで、当日レポも含めてたっぷりご紹介します!
木更津市内の潮干狩り場情報 おすすめのシーズンはいつ?
干潮時、沖合数百メートルの貴重な自然干潟が広がる木更津の海岸では、市内5カ所で潮干狩りを楽しむことができます。
【木更津の潮干狩り場はこちら】
牛込海岸 久津間海岸 江川海岸 木更津海岸 金田みたて海岸
潮干狩り場は毎年3月下旬にオープンし、7月上旬まで楽しむことができますが、アサリの一番おいしい時期は5月~6月。水が温かくなるまでのこの季節にアサリは一番成長します。お盆近く、秋の気配が漂い始めるとアサリの身は瘦せていくのです。
おいしいアサリを目指すなら、4月から7月までが潮干狩りのベストシーズンです。
今回アサリの試し掘りを行うのは、木更津海岸。
美しくリニューアルされた中の島公園から、日本一高い歩道橋・中の島大橋を渡って潮干狩り場へ向かいます。
木更津海岸の潮干狩り場は、中の島大橋を渡ってすぐの場所にあります。潮干狩り開始の時間まで、施設内を見学させてもらいましょう。
中学生以上2000円で2キロまで、4歳から小学生は1000円で1キロまで掘った貝の持ち帰りが可能。料金は市内潮干狩り場で共通です。2キロってどれくらいなのかな…。
こ…これは! 木更津の潮干狩り名物、色付きのはまぐり探し!
色付きはまぐりを掘り当てた人にはプレゼントが出るんです。こうなると潮干狩りが一気にトレジャーハントの雰囲気に。聞けば2つの色付きはまぐりを掘り当てた、ラッキー家族もいたのだとか。
今回、木更津地区の潮干狩りを担当する漁師、神谷さんにお話を伺うことができました。
まず、木更津産アサリの特徴ですが、内湾にある木更津の海には川から豊富な栄養が流れ込むため、ここで育つアサリはもちろん、海産物全般の味が良くなるのだそう。さらに今年は海が温かく、アサリの生育も良いそうです。
さて、ここで問題です。海に整然と並ぶくい、これが何だかわかりますか?
実はこれ「カモ除けの網」。何と冬に渡ってきたカモたちが、アサリを食べてしまうのだとか!
漁師さんたちによると、昔はカモたちがアサリを食べることなどなかったとのこと。漁師さんたちは「おそらく田んぼに住む小さな生き物を食べていたカモたちが、里山の生態系が崩れたことで食べるものがなくなり、アサリを食べるようになったのでは」と考えているとのこと。
カモたちが北国に帰る4月ごろに撤去され、潮干狩り場がさらに広々となるそうですよ。
…などと興味深いお話をうかがっているうちに、どんどん潮が引いてきました。
では、いよいよ潮干狩りにレッツトライ!
いざ実践!意外と難しいアサリ掘り
砂浜に降り立ってみると、砂地の表面に、たくさんのアサリの姿が見えます。
「なーんだ。掘るまでもない。アサリを採るなんて簡単だな」と思ったあなた。ちょっと待って!
砂の上に見えているのは、弱っているか貝殻だけのアサリ。見えるアサリは採らないのがベターです。
というわけで、砂地を熊手でかいてみましょう。
ごりっとした手ごたえ! アサリです!
獲物を捕らえるという事は人を興奮させるもの。そう、たとえ相手が動かない貝であっても。収穫の喜びも相まって胸が高鳴ります。
やみくもに砂地を掘っていると、漁師さんが「そこじゃない、アサリのいる場所はこっちだよ」と教えてくれました。
さて、もう一度問題です。右と左、どちらにアサリがいると思いますか?
答えは左。表面にアサリがたくさんいる砂地の中に、アサリが潜っているのだそう。掘る時は、アサリが見える砂地が狙い目です。
また、アサリは「水管」という管を砂の中から出して呼吸します。アサリは水管が届く3センチ前後に潜っているので、そのあたりを掘ればいいそうです。
砂地を観察すると、時々アサリが、ぴゅっ、と水をはくのが見えて面白い! アサリの群れを掘り当てた時は、金鉱を見つけたような気分になりました。
また海岸にはアサリはもちろん、いろいろな種類の貝殻も落ちていて、ビーチコーミングも楽しめそう。時にはカニの姿も見られるそうで、お子さんが磯の生き物に触れられる機会にもなるのでは。
2時間ほどで網がいっぱいになったので、終了することにしました。
さあ、何キロ採れたかな?
漁師直伝!正しいアサリの持ち帰り方と保存方法
持ち帰るアサリは海岸からすぐにある水道で洗い、計測してもらいます。
結構掘ったしな~。もしかして超過料金発生しちゃう?
などと、ドキドキしながらはかりに乗せると…
1.8キロ! こんなにあるのに、何と持ち帰り無料の2キロに満ちていませんでした。
ちなみに「もうちょっと掘りたい」と言うのも、潮干狩り場を出ていなければOK。これは家族で行ったら、結構な量のアサリがおみやげにできそうです。
ちなみに、掘ったアサリはどうやって持ち帰るのかご存じですか?
海水につけながら持って帰る…のは、実はNG!
真水で洗い、水につけずに持ち帰るのが正解。
真水で洗うとアサリが口を閉じ、外気に触れなくなるので鮮度が保たれるのです。海水につけて持ち帰ると、アサリが口を開いて外気に触れ、傷むのが早くなってしまうのだそう。
また、アサリは生き物ですから、暑い時期は保冷剤を入れたクーラーボックスで持ち帰ることを推奨しています。
持ち帰ったアサリは砂出しをしてから調理します。
砂出しに使う水は、掘った海岸の海水が一番適しています。海水を持ち帰るペットボトルを持っていくと良いでしょう。
使う海水は、1キロにつき約1リットルが目安。
まずアサリを半量(ひたひたにかぶるくらい)の海水に浸け、30分~1時間ほどたったら海水を取り換えます。そのまま3~4時間静かに置いておけば砂出し完了。砂出しの時間は、どんなに長くても一晩までにしてください。
水を変えず同じ海水にずっと浸けておくと、砂の混じった海水を取り込み続けて砂が抜けないので注意。ざる付きの器を使うと安心です。
アサリは水管から水を吐くので、水抜きしている入れ物の上に新聞紙をふわっとかけておくと、まわりが水浸しにならなくて良いですよ。
夢中でたくさん掘ったアサリ。気が付けばこんなにたくさん持ち帰ってしまった…という人も多いのでは。実はアサリは、貝殻のまま生で冷凍ができます。
砂出し後、使う分量に小分けして、そのまま冷凍庫にイン。
注意点は、必ず冷凍のまま調理すること。冷凍アサリは急速に火を入れないと口を開きにくいので、みそ汁に使うときは凍ったまま熱い湯の中に入れるようにします。
砂出し後のアサリは傷みが早くなるので、早めに処理しましょう。
アサリの砂出し方法や冷凍方法、おすすめレシピなど、各海岸のHPで詳しく紹介してくれているので、ぜひ参考にしてください。
私が持ち帰ったアサリは、その晩みそ汁とボンゴレスパゲティーでいただきました。しっかり砂出しできていて、口の中でじゃりっとしなかったです。
買ったものよりは小ぶりなものの、アサリをふんだんに使った料理は、出汁がたっぷり出てめちゃめちゃおいしかったです!
掘りたての新鮮なアサリがおいしいのはもちろんですが、自分や家族で採ったアサリの味は、それにも増して格別なはず。
子どもから大人まで夢中になれる潮干狩り。今シーズンは皆さんもチャレンジしてみませんか?
木更津市潮干狩り情報(木更津市観光協会)
営業時間、定休日は各海岸HPの潮見表にて確認ください。
海岸ごとに施設は異なります。各海岸HPをご参照ください。
牛込海岸 http://www.jf-ushigome.or.jp/joho/shiomihyou
久津間海岸 https://www.kuzuma.or.jp/
江川海岸 http://www.egawa-gyokyou.or.jp/
木更津海岸 http://www.jf-kisarazu.jp/
金田みたて海岸 https://www.jf-kaneda.jp/
料金/大人(中学生以上)(2キロまで)2000円、4歳~小学生(1キロまで)1000円、3歳以下無料
※各海岸共通 ※超過したアサリは買取になります
問い合わせ
電話番号/木更津市観光協会 0438-25-1377 (月~金曜日 午前8時30分~午後5時15分)
ホームページ/https://www.kisarazu.gr.jp/